プロが本気を出して“やりたい放題”した結果
筆者が個人的にイチオシなのは第3作目「ME!ME!ME!」。見た瞬間にピンと来ましたね。ナニがとは言いませんが。
中毒性を感じさせる「ME!ME!ME!」は、作中で急激に作画のレベルが上がる“逆作画崩壊”を常時発動させているような作品で、電子ドラッグ感のあるサイコ&クールな映像に目を奪われました。決しておっぱいや食い込みに目を奪われたわけではありませんよ。
のちに行なわれたニコ生番組では、「ME!ME!ME!」の原画が3000枚におよぶこと(通常のアニメ1話分に相当)、陰毛を描きたい吉崎響監督がNGを出しつづける作監・井関修一さんの目を盗んで“意地の1本”を描き込んだことなどを明らかにしていました。
なんだろう……吉崎監督のことを他人と思えなくなってきぞ!(いいぞもっとやれください)
第4作目となる「Carnage」では、喧嘩ミーティングを重ねたという本間晃監督と脚本を担当した田中隼人さんが出演。
復讐物を描こうとは決めていたが、最初から西部劇として作ったわけではなかったというスタート地点の話から、「女ガンマン 皆殺しのメルディ」や「ヒート」といった名作映画への強いリスペクトを「パクリです」と宣言するほど熱く語っていたのが印象的でした。
ちなみに生放送第1回にはスタジオカラーの代表・庵野秀明さんも出演し、今後の予定について「半年くらいはやれそうな蓄えはある」と話していました。
具体的な本数は不明ですが、「日本アニメ(ーター)見本市」では30本以上の作品が公開される見込みで、今後も新作が公開されるたびに本人たちの“生の声”がリアルタイム・オーディオコメンタリーのような感覚で聞けることでしょう。
“描きたいものを描く”という直球バーニング・ラブパッションがダダ漏れした作品たちを、私たち視聴者もその熱さに負けないよう意気込んで追いかけていかねばなりますまい!
まったく、素晴らしい時代になったものだとジジ臭いことを言いたくなりますわ。