Text and edited by 鮫島沙織
連載「あの人の欲しいもの」では、ROOMIEが“気になるあの人”に、最近オンラインで目をとめたアイテムを教えてもらいます。
第三回は、暮らしの装飾家・ミスミノリコさんにお話を伺いました。
歯磨き粉や靴下のような日常のアイテムから、クラシックギターのように長く憧れてきたものまで。手を動かして暮らしに小さな装いを重ねてきたミスミさんらしい、“欲しいもの”の世界が広がっています。
ミスミノリコさん
暮らしの装飾家。山形県鶴岡市で、夫である物書き料理家・マツーラユタカさんとともに、「二十四節気のごはん」を中心に衣食住を提案するスペース「manoma」を営む。2017年に著書『繕う暮らし』を刊行して以来、各地でダーニングワークショップを開催し、“アンラッキーをラッキーに変える”手仕事の楽しさを伝えている。
ミスミさんの、お買いものスタイル
じっくり比較して、最後はインスピレーションで

オンラインで購入したガラスのショーケース
photo:ミスミノリコ
子どものころに「ものを買うときは比較してから」と父に教えられた、とミスミさん。その習慣はオンラインショッピングにも息づいています。
じっくり比較して購入するようにしていますが、レビューを読みすぎると、逆に迷いが生じてくることもあります。そんなときは、インスピレーションを頼りにして最終決定しています
他にも、ショップの写真やスタイリングが自分の好みに合うかを確かめたり、インテリア系のアイテムはスマホではなくPCの大画面でチェックして、イメージをふくらませることを心がけているそうです。
地元のリアル店舗も大切に

地元の商店で購入している調味料類
photo:ミスミノリコ
神奈川県から山形県鶴岡市へ移住してオンラインでの買い物が増えたミスミさんですが、地元で手に入るものはなるべく地元の商店で買うようにしているのだそう。
移住してきた鶴岡の街が好きなので、地元の商店を応援したい気持ちはとても強いです。自分自身もこの街でお店を営んでいるからこそ、地域で買い物をすることの大切さを感じています
ミスミさんの、欲しいもの。
MASHIRO 薬用ホワイトニングパウダー ハーブミント
磨くたび心地よく、置いても絵になる存在
粉末状の歯磨き粉。お店に来てくださったシンガーソングライター・石塚明由子さんにいただいたのが出会い。使い心地の良さはもちろんのこと、おしゃれなデザインのパッケージもお気に入りで、リピート買い予定です。
粉末なので最初は使いづらいと感じるかもしれませんが、慣れれば全然問題なし。食後のひとときを特別にしてくれるアイテムです
カルミネ・アバーテ著『海と山のオムレツ』
紹介文から伝わる、南イタリアの豊かな食卓

Image:Amazon
南イタリアでアルバレシュ(アルバニア系住民)の言語と食文化を守りながら生きた家族の記憶を綴った、自伝的短編集。郷土料理の描写が豊かで、紹介文を読むだけで食欲をそそられます。
この本のことは、お店の仕込みをしながら聴いていたラジオで知りました。声優・エッセイストの池澤春菜さんのコメントがあまりに秀逸で、『どんな本なの!?』とその場で思わず検索してしまったほどです。
休憩時間に少しずつ読みたいのですが、他にも未読の本が渋滞中なので、そちらを先に読んでから…と思っています
ayame’の靴下
足もとに遊び心を。眺めても嬉しいお気に入り
可愛い靴下が大好きです。なかでも ayame’ の靴下は、柄の愛らしさと色合わせのセンスに惹かれて、もう10年来のお気に入り。こまめにチェックして、少しずつ買い足しています。
ボトムや靴との色合わせでおしゃれを楽しめるのはもちろん、靴を脱いだときに自分で眺めて満足できるのも嬉しいところ。贈り物にもぴったりです
FES バス&オイル「カモマイルド・カーム」
深呼吸とともに、心までほぐれる香りで疲れを癒やす
フラワーエッセンスとエッセンシャルオイルを配合したバス&オイル。立ち仕事で疲れた体を癒すために、何度もリピートしています。
まずはオイルを手のひらで温めながら香りを深呼吸。そのあと腰まわりなど疲れを感じる部分をマッサージします。普段はカモミールの香りが得意ではないのですが、こちらは心地よく使えてとても気に入っています。
使い始めたきっかけは、mahina pharmacyの中山晶子さんにおすすめいただいたこと。ショップには他にも愛用しているアイテムが多く、あわせて購入できるのも嬉しいところです
mahina pharmacyは月とハーブをテーマにしたショップで、自分が心地よく毎日を過ごすために欠かせないセルフケアアイテムが揃っています。ミスミさんは店主の晶子さんに大きな信頼を置いている、とのこと。ハーブに対する知識が豊富なことはもちろん、晶子さんと話しているうちに身も心も元気になるのだそう。
ミスミさんが購入しているショップ:mahina pharmacy
リトルビーのペーパーアイテム
眺めているだけで胸が高鳴る、紙好きのための宝箱
リトルビーさんは、古い切手やチケット、ラベル、封筒など、紙ものの素材を中心に扱うお店です。数年前、なかなか旅に出られず新しい「紙もの」との出会いが少なくなっていたときに見つけました。
私はもともと紙ものが大好きで、以前m&m&m’sというユニットで『世界のかわいい紙』という本を出版したこともあります。そんな自分にとって、このショップはまさに宝箱のような存在。ページを眺めているだけで時間を忘れてしまいます。
グラシン封筒の透け感やざらざらとした紙の質感、番号札の無骨なフォントのような、細部に込められた風合い一つひとつにときめきを感じています
クラシックギター KODAIRA AST-90
窓辺に射す光の中で、いつか奏でたい憧れの音色

※写真は同メーカーの別モデルAST-100
Image:楽天
長年の憧れだったクラシックギター。アコースティックとはまた違う、やわらかく温かみのあるガット弦の音色に惹かれています。選ぶなら国産がいいと考え、小平ギターを候補にしています。
明るい日の射す窓辺で、ひとりギターをつまびきながら歌うのが夢です。実際に試奏してから選びたいので、まずはオンラインで色々見比べて、購入の際は実店舗に足を運ぶつもりです
小さなときめきも、長年の憧れも。ミスミさんの「欲しいもの」には、暮らしを愛おしみ、彩りを添える温かいまなざしが表れていました。
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