照れてる場合じゃない! と生まれた新曲
――新曲『Kappo!』は、作詞作曲ともに手がけられました。こちらも口で?
藤井:はい。実は照れくさい作業じゃないですか。でもそれがね、良さでもあると思うので。恥ずかしいとこさえ乗り越えたら、後はすごく楽しい作業の連続です。
――曲を作って、言葉をはめこんでいく作り方ですか?
藤井:僕の歌の過程なんてニーズがないと思うんですけど(笑)。どっちもありです。曲が先の場合もありますし、同時のこともありますし。
――ちなみに『kappo!』は?
藤井:同時やったと思います。一気にじゃなく、ブロックごとに。締切があったので、照れてる場合じゃない!と思ってやりました。
――締切がないと出来なかったりしませんか?
藤井:いや、無理なんです。僕、締切あるとプレッシャーになるんです。
――プレッシャーの中で生まれた曲だったんですね。
「カッポ」という音の響きもいいですよね。いわゆる「闊歩する」という意味ですか?
藤井:でもいいですし、カップルでもいいし。マスカッポーとも言ってるし(笑)。漢字の「闊歩」にしなかったのは、そういうことなんですよね。
ジャケットはテニスウェア!
――PVでは、Rさんが寿司屋のカウンターから出てきます。
藤井:あぁ、割烹!
――こうした案は藤井さんから出てくるんですか?
藤井:監督さんの解釈で、ビデオはノータッチなんです。最初から決まっていました。
――CDジャケットに関しては? テニスウェアの3人が印象的です。
藤井:カッポですから、椿さんにヒールのある靴を履いてもらいたかった。あと、緊張感のある顔をいっぱい並べたかったんですね。
3人が揃う日が1日しかなくて、スタジオ撮影というのも決まっていた。じゃあ、スポーツだとなったんです。テニスウェアというのは、信用しているメイクさんと決めたことです。
――ポスターには手書きの文字が入っています。
藤井:ポスターの文字は、クラスでひとり、授業中に落書きをしている子がいて、その落書きがシュ―――ッと3人のところに集まってきたイメージです。自分で書いて伝えて、スタッフの奥さんに書いてもらいました。そういうことを「ハイッ」て言って動いてくださるスタッフがいるのは恵まれているなと思います。「ハッ?」って言われてもおかしくないですよね。すごくうれしいことです。
僕、適当なんです。
――人との縁で、意識的に実行していることはありますか?
藤井:どうでしょう。嫌なことをされたなっていうのは覚えてるんです。でも、何をされたか忘れちゃうんですよ。「この人、前になんかあったなぁ」とか。でも、嫌なことがあっても、後日、収録でお話しをいっぱいしてくださったりすると、「すっごい、いい人!」って思っちゃう。身近なスタッフは「あれ? こないだ渋い顔してませんでしたっけ?」(笑)。良くも悪くも、僕、適当なんです。
――「適当」とは、意外なキーワードですね。
藤井:近しい人にはバレてるんです。真面目なところもありますけど、根っこが適当なんです。だから、「アイツにいってもしょうがないわ」と近い人には思われてるでしょう。僕がアクションを起こして、人とのご縁を大切にしますというよりは、周りの方が「あれね、適当やからね」と許してくださるんだと思います。
オカダダバージョンも必聴!
――『kappo!』の話に戻ります。あの曲は、藤井さんの「好き」を凝縮させたものか、それとも演出として意図的に作りだした世界なんでしょうか?
藤井:まず、作っていいというOKをいただいて、「やったー!」と3人でうれしかったです。じゃあ、代表としてやっていいですかと椿さんとRさんに許可をもらってスタートしました。当初はもっと長い曲を作りたかったんですね。7、8分のリズムが続いているようなもの。でも、いろいろあって4分程になりました。
配信はそれでスタートしたんですが、CDとして形にしましょうとなった時、『ナウ・ロマンティック』も入るし、『Dining Tarot』も入るし、もう1曲やと。じゃあ、『kappo!』のもともとやりたかった長いサイズのものをリミックスという形でやっていいですかと聞いたらOKが出たんです。
――okadada Nordic disko バージョンとありますね。
藤井:オカダダさんという若い方と一緒にステージした時にすっごい彼が良くて、彼にお願いしたらOKをくれたんです。「どういうのがいいですか?」と言ってくれたから、「ダダがいいと思うのがいい」って。最初にあげてきてくれたものが、まさに好きなものだった。間を繋いでくれている方が、「ダダはもっとやりとりしたい人だから、何か注文ありますか?」と聞いてくれたので、細かい音色を変えたりとかはお願いしました。
――こちらの楽曲は配信されていないので、CDは必聴です。