茨城県、日本eスポーツ連合(JeSU)、日本サッカー協会(JFA)は、2019年に開催される「いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会(茨城国体)」の文化プログラムで、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」を開催する。
使用するタイトルは、世界的にも人気のコナミデジタルエンタテインメントのPS4用ソフト「ウイニングイレブン(ウイイレ) 2019」。対戦形式は、三人一組の「CO-OPモード」による団体戦を採用した。年齢制限のないオープンの部と、高等学校などに在籍する人を対象にした少年の部の2部門で実施する。このほか、もう一つタイトルを追加する予定だという。
19年2月から出場登録の受付を開始。4~7月にかけてオンライン/オフライン予選を実施し、各都道府県から代表を選出。同年10月4~6日の間に茨城県内で本大会を開催する。
18年9月15日には、茨城国体の開催1年前を記念した「茨城プレ大会」を、茨城県民を対象に実施する。「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」と同様に「ウイイレ 2019」を使用し、オープンの部と少年の部の2部門を設けた。茨城県公認のバーチャルユーチューバ―「茨ひより」さんがアシスタントMCを務める。Twitchなどの動画配信サービスで生配信を予定している。
大会用のロゴマークも新たにつくった。デザインは、「日の丸」と「月桂樹」から着想を得ている。デジタルを象徴する四角いエレメントが日の丸を包み込むようなイメージ。文字もデジタルをほうふつとさせるように角ばっている。大会タイトルの両脇にあるエレメントは、プレイ画面の液晶ディスプレイのドットを表現している。赤は日本の国旗、青は茨城県の県章カラー、パステルカラーは茨城国体のロゴからとっている。
新元号で初めて開かれる国体でeスポーツ
都道府県対抗で行うeスポーツ大会は、国民体育文化プログラムとして全国で初の試み。9月4日に日本サッカーミュージアムで開かれた記者会見では、茨城県の大井川和彦知事が「eスポーツを通じて茨城に着目していただけた。今回は、どのような大会になるのか、まだ具体的にはわからないが、成功を硬く信じている。今後も、新しいことにチャレンジしていく」とコメントした。
大会運営に携わるJeSUの岡村秀樹会長は、「今年3月に、来年の国体の文化プログラムにeスポーツを採用する予定だと聞き、eスポーツの発展にとって有意義だと考えて準備を進めてきた。日本ではeスポーツがまだ黎明期なのにも関わらず、新たな元号のもと初めて開催される国体にeスポーツが採用されたことは、大変喜ばしい。当団体の目的の一つでもある、中学・高校などでの“eスポーツ部”設立に向けた第一歩になればいいなと考えている」と語った。
同じく大会運営に携わるJFAの田嶋幸三会長は、「当協会は、『サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する』という理念のもとに活動している。今回、国体のeスポーツ大会に協力できることで、理念の実現に新たな道筋を加えられる」と喜んだ。
今回協力することになったきっかけは、各国のサッカー協会やプロサッカーリーグ、クラブがeスポーツに取り組んでいる状況を踏まえてのこと。また、eスポーツが年齢や性別、障がいの有無に関わらず対等に戦える競技であることや、これまで直に接触が難しかったサッカーゲームファンなどにリアルのサッカーの魅力を訴求できる、といった魅力に着目したという。
「ウイイレ」は、今年開催された第18回アジア競技大会の公開競技として採用されたeスポーツの種目にもなった。出場した日本代表選手をジャカルタの会場で応援した岡村会長は、「今回の大会で優勝した2選手も、国体の大会に出たがっている。来年の国体を契機に、今後も健全な実績を積み重ね、eスポーツが国体の正式種目に採用されることを目標に努力していきたい」と意気込んだ。