杉本博司氏、風間サチコ氏、諏訪敦氏の3名のアーティストの驚きの本棚に加え、クリエイター9名の本棚もご紹介します。近年大きな進化を遂げる図書館についての、平田晃久氏と染谷拓郎氏の対談も必読です。

「芸術新潮」は、1950年創刊の月刊アート&カルチャー誌。2026年1月号の特集「愛でたい本棚」には、気になるあの人の本棚や、わざわざ行きたい図書館、居心地のよいカフェやホテル、こだわりの書店など魅惑的な本棚がずらり。「できれば新刊で!」とリクエストしてみなさんに教えていただいたオススメ本も、個性の光るラインナップになっています。



今回が初対面だった九段氏と三宅氏。けれどじつは、九段氏は以前から三宅氏をひそかに「同志」だと思っていたそうです。対談が始まるやいなや、九段氏が「今日はこれだけは伝えたい!」と切り出したのは、働いていると本が読めない――その事実に気づいた高校時代のアルバイト経験でした。

この問題について真正面から論じ、世に一石を投じたのが2024年刊の三宅氏のベストセラー『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)であるわけですが、この日あきらかになった二人の共通点は、二人とも本を読むために会社勤めを辞めた経験をもっている、つまり、本を読むことを最優先に人生を選択してきたということでした。

九段氏は、「というわけで、この問題意識については自分も昔から持ち続けていたんですよ」とふふふと笑いつつ、「でも、そんなことを今の時代に口に出していいのかとずっとモヤモヤしていて。この本が出たときはよくぞ言ってくれた!と本当にうれしかったんです」と感謝の気持ちを述べられたのでした。

そんなやりとりから始まった今回の対談。編集部が出したお題は、「理想の本棚」と「本が出てくるおすすめの本」のふたつです。前者では自身の本棚も交えた本棚談義を、後者ではそれぞれ6冊ずつのおすすめ本を挙げていただきました。本から広がる本の世界は、まるで底なし沼のよう。二人の“読書狂”ぶりが存分に発揮された、またとないブックガイドにもなっています。

【編集長より】

新年号の特集は、芥川賞作家の九段理江さんと文芸評論家の三宅香帆さんの対談で幕を開けます。初対面のお二人ですが、本を読むことを最優先に人生を選択してきた“読書狂”という共通点があるのです。特集は「のぞく、訪ねる、くつろぐ 愛でたい本棚」。理想の本棚や本をテーマにした本について語り合う巻頭対談のあとは、いずれ劣らぬツワモノ美術家の書斎をのぞき、居心地のよいブックカフェを訪ね、次々にオープンするブックホテルのくつろぎの空間を堪能します。
デジタル化の波がもたらした出版不況により、「町の本屋さん」が次々と姿を消していった一方で、取次が少額取引にも対応するようになったことが、いわゆる「独立系書店」の開店を後押しするといった現象も起きています。最も驚かされるのは、各地の公共図書館の進化のさまでしょうか。さまざまな“眺めのいい本棚”と共にお贈りする2026年に読むべきブックガイド特集を、どうぞお楽しみください。(芸術新潮編集長 高山れおな)


【芸術新潮とは】

『芸術新潮』は1950年の創刊以来、歴史と文化を見続けてきアートマガジンです。「暮らし」はアートである、をキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介します。

雑誌データ 

【タイトル】「芸術新潮」2026年1月号
【発売日】2025年12月25日(木)
【定価】1,700円(税込) 
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/geishin
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