インボイス制度が始まって3年目。初年度は「とりあえず登録」「なんとか手入力」で乗り切った個人事業主さんも、効率化のため「ちゃんとした会計ツール」が気になっている頃ではないでしょうか。制度対応は複雑化し、請求書管理・取引先管理・消費税処理・電子帳簿保存までフルセットで求められます。そこで頼りになるのが、freee、マネーフォワード、弥生といったクラウド会計ソフト。今回は主要サービスの選び方と特徴を、初心者にもわかりやすくまとめて紹介します。
インボイスは確定申告ツールが命綱
インボイス制度が始まり、特に個人事業主の方は、請求書の作成・保存、経費の入力、税区分の選択など、作業ひとつひとつがミスできない工程です。それを紙やExcelで管理するのは、もはや限界に近い作業量。
こうした状況を受け、各社の会計ソフトも大幅にアップデートされ、インボイス制度への対応がよりスムーズに。「freee 会計」「マネーフォワード クラウド会計」「弥生会計 オンライン」など主要サービスは、請求書管理から自動仕訳、消費税申告までワンパッケージで担ってくれる、まさに命綱の存在になりつつあります。
おさらい!インボイス制度って何が変わった?
インボイス制度をざっくり一言で言うと、「消費税の控除を受けるために、登録番号入りの正しい請求書(適格請求書)が必要になった制度」です。実際に変わった点は下記の通りです。
1.登録番号つき請求書が必須に
T+数字13桁の登録番号を付けて請求書を発行しないと、仕入税額控除ができないケースが発生します。
2.税率・税額の明記ルールが厳格化
複数税率が導入されてから、軽減8%・標準10%の区分を明確に記載する必要があります。
3.経費入力もインボイス対応仕訳が必要に
領収書がインボイスなのか、登録番号があるのかで控除の可否が変化。もらったレシートのチェックも欠かせません。
4.個人事業主はツールを使わないと管理が手間すぎる
とにかく入力チェックが増え、紙・Excelで回すのは非効率。課税事業者はクラウド会計ソフトの導入がほぼ必須になりつつあります。逆に免税事業者なら導入は任意です。
今年の確定申告で注意すべきポイント
今年の確定申告は、前年以上に「やることが多い」のが特徴です。
・適格請求書の発行と保存
・取引先のインボイス番号の確認
・税率別の消費税の集計
・電子帳簿保存法への対応(2024年1月から完全義務化されたが、猶予措置あり)
これらが全部同時進行。手作業では漏れやミスが出やすく、申告時に「控除ができない!」「仕訳が合わない!」というトラブルが起きがちです。
クラウド会計ソフトなら、銀行・クレカ・ECサイトのデータ連携で取引を自動取得し、AIによる自動仕訳も可能。請求書作成もフォーマットが整っており、登録番号も自動反映。紙の束と格闘する時代は過去のものになりつつあります。
「freee」「マネーフォワード クラウド会計」「弥生会計 オンライン」を比較!
1.freee 会計
経理初心者・簿記ゼロでもOK!“迷わない設計”が最大の強み。
freeeはステップ式で入力を誘導してくれるため、複雑な簿記知識がなくても決算まで進められる安心設計。銀行・クレカとの連携数も多く、自動仕訳の精度が高い点も人気です。請求書発行→入金管理→仕訳作成まで一気通貫で管理でき、インボイス制度の適格請求書にも完全対応。
「経理まわりをほぼ自動化したい!」という人に最適。
2.マネーフォワード クラウド会計
連携先がとにかく豊富。実務が多い人や取引が多い人向け。マネーフォワード クラウド会計は銀行・カードに加え、Square、Airレジ、BASE、Shopifyなど、ECや決済サービスとの連携にも強み。仕訳の自動化はもちろん、グループ内の給与・請求・経費・契約管理など他機能と連動できるため、バックオフィス全体を「まとめて効率化」できる点が魅力です。
簿記に少し慣れている人や、取引量が多めの人に向いています。
3.弥生会計 オンライン
低コストで王道。とにかく「安心して使いたい人」に。老舗である弥生は安定性とサポートが強み。初年度無償キャンペーンもあり、コストを抑えたい個人事業主に人気です。UIはシンプルで、基本操作はわかりやすい。自動化や連携はfreee・マネフォに比べれば控えめですが、必要最低限を確実に抑えたい人にぴったり。
「まずは会計ソフトに慣れたい」「とりあえず費用を抑えたい」人におすすめ。
確定申告前にチェック!インボイス対応の落とし穴
最新のクラウド会計ソフトを使っていても、見落としがちなポイントがあります。
・登録番号の記載漏れ
請求書に登録番号がないと、取引先が控除できずトラブルに。自分の請求書も要チェック。
・取引先がインボイス登録していないケース
仕入税額控除に影響するため、取引開始時に必ず確認を。
・領収書・レシートの電子保存ルール
電子帳簿保存法で、2024年からは電子データは電子で保存が必須(経過措置あり)。クラウド保存しておくのが安心。
・自動仕訳でも「完全おまかせ」はNG
内容や税区分に誤りがあれば修正が必要。最後は人の目で確認するのが正解です。
個人事業主の確定申告は“ツールで乗り切る時代”へ
インボイス制度・電子帳簿保存法と、経理の世界はこれまでにないスピードで複雑化しています。しかし、クラウド会計ソフトの進化により、負担は大幅に軽減されつつあります。「去年ヒーヒー言ってた…」という人ほど、今年こそツールの力を借りてラクに、正確に、スマートに確定申告を終わらせましょう。
まずは無料プランや体験版から触ってみるだけでも、作業効率はグッと変わります。従来の「紙と手入力」に戻る理由はありません。クラウドサービスを味方にして、今年の確定申告はストレスフリーに乗り切りませんか?
武田千冬
美容誌や女性ライフスタイル誌、コスメのクチコミメディアで10年以上の編集・ディレクター経験を経て、現在は美容やライフスタイル領域をメインに活動するフリーライターに。2025年春に第一子を出産し、妊娠・出産・子育てなど女性のライフステージに関連するカテゴリでも実体験をベースにコラムなどを執筆。







