北海道小児膠原病の会(代表:さくま しほこ)は、2025年11月29日(土)ハイブリッド形式で、対話からはじまる医療のかたち「お医者さんのきもち、わたしのきもち」 を開催しました。
「お医者さんのきもち」と「患者力」を知り、対話からはじまる医療のかたち
北海道小児膠原病の会(代表:さくま しほこ、2021年12月25日設立)は、2025年11月29日(土)、札幌エルプラザおよびオンラインによるハイブリッド形式で、設立4周年記念イベント
「お医者さんのきもち、わたしのきもち」 を開催しました。

「お医者さんのきもち、わたしのきもち」イベントチラシ
当日は、小児科医、メディカルソーシャルワーカー、小児膠原病の当事者や家族が参加。
医療現場で生じやすい「コミュニケーションの壁」をテーマに、
医師と患者が同じ目標を持つ“チーム”として歩むために、何ができるのか。
専門家と当事者が立場を越えて考える時間となりました。
■ イベント開催の背景
「分かってもらえない」と感じてしまう、その前に
膠原病は症状が多様で、診断や治療が長期にわたることも少なくありません。
その過程で、患者・家族・医師それぞれの立場の違いから、思いや認識のズレが生じやすく、「うまく伝えられない」「聞いていいのか分からない」といった戸惑いを抱える方も多くいます。
当会が事前に実施したアンケートでは、医療現場でのコミュニケーションについて
「難しい」と感じている人が多数を占め、難易度の平均は5段階中4 という結果になりました。
一方で、自由記述には
・ 「自分だけが悩んでいるのではないかと感じていた」
・ 「医師の気持ちが分からず、距離を感じていた」
といった声も寄せられました。
こうした背景から本イベントでは、
・ 医師側の視点である「プロフェッショナリズム」
・ 患者側の視点である「患者力(エンパワメント)」
この両方を学び、対話を通じて相互理解を深めることを目的に企画しました。
■ 第1部:聞く時間
専門家の視点からひも解く「相互理解」
1.「お医者さんのきもち」を知る
佐藤泰征 医師(小児科医) 講演
当会顧問である小児科医・佐藤泰征先生は、医療現場でコミュニケーションが難しくなる背景として、診療時間の制約や電子カルテ入力などの業務負担を挙げました。
そのうえで、医師と患者の間に生まれやすい
「医学的視点」と「生活者としての視点」の違い、すなわち「認識のズレ」に焦点を当てて解説しました。
近年重要視されている
「シェアード・デシジョン・メイキング(SDM/共同意思決定)」
についても紹介され、医学的根拠(EBM)を大切にしながら、患者の価値観や生活背景を尊重し、医師と患者が対等な立場で治療方針を決めていく考え方が示されました。
また、医師の「プロフェッショナリズム」には、専門知識や技術だけでなく、ヒューマニズムや説明責任、利他主義が含まれることにも触れ、
「患者さんからの言葉は、医師を成長させる宝物です」
と語り、対話の積み重ねが医療を育てていくことの大切さを伝えました。
参加者からは
「医師も一人の人間なのだと感じ、心の距離が縮まった」
「次の診察では、もう少し自分の思いを伝えてみようと思えた」
といった声が寄せられ、医師の人間的な側面に触れることが、対話への一歩につながることが共有されました。
2.「患者力(エンパワメント)」を養う
山田純一 氏(メディカルソーシャルワーカー/行政書士) 講演
続いて登壇した山田氏は、「患者力(エンパワメント)」について、医療と患者が協働するために欠かせない視点として解説しました。
患者力は、次の4つの要素から成り立っています。
1. 情報理解力
2. 意思決定力
3. 自己管理力(セルフマネジメント)
4. コミュニケーション力
山田氏は、「医療を“任せる”から、医療と“共同する”へ」という意識の転換が、治療の質だけでなくQOL(生活の質)の向上につながると語りました。
アンケートでは
「医師と患者、双方の立場が分かり、ズレが悪意ではないと気づいた」
「逃げずに学び、向き合うことの大切さを感じた」
といった感想が多く寄せられました。

和やかな雰囲気の会場でした
■ 第2部:考える時間
夢を語る「マイレポート」の活用
第2部では、当会代表・佐久間と3名の患者が登壇し、座談会形式でコミュニケーションツール
「マイレポート」 の活用について意見交換を行いました。
「マイレポート」は、症状や困りごとだけでなく、
「将来やりたいこと」「大切にしている価値観」 といった前向きな希望を可視化するツールです。
参加者からは、
「『子どもと走りたい』『復職したい』といった目標を主治医に伝えることで、治療を一緒に考えられるようになった」
「病気の重さに関わらず、それぞれに“しんどさ”があると分かり、気持ちが楽になった」
といった声が寄せられました。
また、人生の転機(学校復帰・就労など)において、自分自身を守り、伝えるためのツールとしての有用性も改めて実感する声が聞かれました。

こちらがマイレポート
■ 事務局からのメッセージ
4周年を迎えて
この4年間、多くの小児膠原病を抱えるお子さんとご家族に出会ってきました。
私自身も一人の親として、また患者として、医療者とのコミュニケーションに悩み、立ち止まった経験があります。
今回のイベントを通じて、参加者の方々から
「医師も一人の人間だと感じられた」
「自分の思いを伝えてもいいのだと思えた」
「一人ではないと感じられて安心した」
といった声が多く寄せられました。
改めて強く感じたのは、
患者は決して、治療を受けるだけの受け身の存在ではない ということです。
そして医師もまた、私たちを一人の人間として、生活者として理解したいと願っています。
私たちが「どう生きたいか」「何を大切にしたいか」を語ることは、わがままではありません。
それは、最良の治療プランを一緒に考えるための、大切な情報です。
「自分だけが悩んでいるのではないか」
「こんなことを聞いてもいいのだろうか」
そう感じている方が、もしこの発信を目にしてくださったなら、どうか一人で抱え込まないでください。
北海道小児膠原病の会は、あなたの「きもち」を言葉にし、未来への希望を共有できる場所でありたいと願っています。
5年目も、子どもたちが自分らしく将来の夢を描ける社会を目指し、皆さんと共に歩んでまいります。
※今回のイベントは、札幌市まちづくり活動促進助成金の支援を受けて開催いたしました。
■ 北海道小児膠原病の会について
北海道小児膠原病の会は、小児膠原病を抱える子どもたちとその家族が、病気を正しく学び、安心して交流できる場を提供する患者会です。
オンライン交流会、LINEオープンチャットの他、新千歳空港でのパネル展など、社会に向けた啓発活動にも取り組んでいます。会費はかかりません。
北海道に関わらず、全国から参加出来ます。患者さんや家族以外に、患者さんを支援したい方も参加できます。

北海道小児膠原病のマーク
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イベントでは手作りのプレゼントも準備
【団体概要】
名称: 北海道小児膠原病の会
代表: さくま しほこ
主な活動内容:オンライン交流会(毎月実施)/LINEオープンチャット/情報発信/啓発活動
公式HP:https://www.h-syonikogen.com/
【本件に関するお問い合わせ先】
北海道小児膠原病の会 事務局
Email:hokkaido.syoni.kogen@gmail.com
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