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 歴史的事件から、今起きている社会の動き、市井の人々の日常、注目のカルチャーまで、TBSテレビおよびJNN系列局の記者・ディレクターたちが、世に送り出してきたドキュメンタリーを集めた「TBSドキュメンタリー映画祭2026」が、3月13日からヒューマントラストシネマ渋谷ほかで順次開催される。アンバサダーを務めるLiLiCoに話を聞いた。


-まず、この映画祭との関わりから伺います。


 2回目の時に「アンバサダーいかがですか」と聞かれました。その時は「何で1回目からじゃなかったのかな」ってスタッフと笑いながらやっていたんですけど、多分スタッフもまだ手探りだったと思うんです。その時も衝撃的な作品がいっぱいありましたが、そもそもドキュメンタリー映画が好きでした。それに加えて、ドキュメンタリーも含めて、映画をもっと広めなければいけないと思ったし、映画のことだったら、どんなに忙しくてもやりたいと思いました。しかも、ドキュメンタリーの題材には、自分が知らなかったり、興味がなかったものもいっぱいあったので、そういうものに触れられるいい機会だと思いました。毎回スタッフさんが「今年もどうですか」って来てくれるんですけど、こちらからお願いしたいほどです。


-改めて、ドキュメンタリー映画の魅力とは。


 もちろん、自分が知らないことや興味がないことにはなかなか目が向かないのも分かります。私もそういう人間だったから。それに、もしかしたら私には理解できないんじゃないかという不安もありました。例えば、悲惨な世界や大変な世界を知ることは怖いじゃないですか。でも、日頃の自分の生活の中でイラっとしたことや残念に思うことが、本当に小さなことだと思えるような力をもらえるんです。ドキュメンタリーは本気なんですよね。そこがドキュメンタリーの芯みたいなもので、人間をそのまま映している。テレビのニュースなどではなかなか伝わらない部分を深掘りするところがドキュメンタリーの魅力だと思います。描かれた問題を自分に置き換えて考えてみるのも大事なことだと思うし、それぞれにいろんなテーマがあるから、これだけ作品が並ぶと、改めていろんな視点や考え方があることを知らされます。本当に1本ずつに生きる知恵が詰まっていると思います。

-おススメの作品は。


 ボーイズグループを追った『THE LAST PIECE -Glow of Stars-』と、脚本家の野島伸司さんに密着した『野島伸司 いぬ派だけど ねこを飼う」、『ブルーインパルスの空へ」は比較的分かりやすいと思います。何も難しいことを考えずにそのまま見てもいいと思います。『ある日、家族が死刑囚になって―」はもうタイトルそのままです。すごくうれしかったのが、『共に、世界一へ デフサッカー日本代表への軌跡」。こんなに観客がいるんだと思って。映画でデフサッカーを知ったからこれから足を運ぶという人もいると思います。やっぱり映像の力って大きいですからね。いろんなものが直接的に目に入ってきますから。現実を知ったり、自分の分からないことを知ったりと、もう考えられないようなことがいっぱいあるんです。


 『バース・デイ劇場版 余命1年のシングルマザー ~天才相撲少年への遺言~」と『やまない衝動 ―死ねない難病に挑むテレビマンの記録―」を見ると、最後まで健康でいられたら超ラッキーだと思いました。だってみんなけがをしたり、病気になったりとか何かしらありますから。でも、これを知らなかったら、そうは思えなかったかもしれない。これを見ると、病気の症状も分かるし、自分の小さな悩みなんてどうでもいいという気持ちになります。


-1日に何本ぐらい見ましたか。


 1日4本ずつで、4日ぐらいかけて見ました。でも、見始めるとはまっちゃうんです。もう寝なきゃと思っても、80分だからもう1本とか。深夜に見ていたんですけど、知恵の器が刺激されて。これをテレビやパソコンではなく、映画館で見られるというのは大きいですし、うれしいことです。また、監督自身がナレーションを入れたものが結構あります。プロのナレーターではない分、一生懸命自分で原稿を書いて読んでいるというのがストレートに伝わってきます。そこには伝えたいことが全部入っていますから。素晴らしいです。命がけで作っている感じがします。本当は1本ずつについて見て語り合う会をしたいんですけど、16本もあるのでちょっと難しいです。だから、何かもう早くも来年が楽しみです。どんなものが出てくるのかなと思って。


(取材・文・写真/田中雄二)