TCLが最高品質と誇るSQD-Mini LEDテレビなどの新製品群を同時発売

TCL JAPAN ELECTRONICS(以下、TCL)はこのほど、4Kテレビの2026年新製品を発売した。製品は同社の量子ドット技術を進化させたSQD-Mini LEDテレビのほか、RGB-Mini LEDテレビ、量子ドットMini LEDテレビ、量子ドットLEDテレビなど7シリーズ27機種だ。(BCN総研・風間理男)

新世代のディスプレイ技術を採用したSQD-Mini LED

ここ数年でテレビ市場での存在感が高まってきているTCL。全国の主要家電量販店・ネットショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、液晶テレビにおけるメーカー別販売台数シェアは2025年が10.8%で、2026年1~4月は12.2%と伸長している。

TCLの大きな特徴は、グローバルのグループ傘下にパネルメーカーのCSOTがあることだ。映像の核となるパネルの開発・生産から画質のチューニングまで一貫した垂直統合体制の構築で、製品の安定供給とスピードの両立が可能となっている。

同社の西山隆信副社長は「サプライチェーン全体を自社でコントロールすることで、品質と競争力を同時に実現しています。『作れるから強い』、それがTCLのモノづくりです」と語る。

しかし、グローバルでの評価に比べて「日本でのブランドや信頼性は、お客様にしっかりと伝わっていない」と西山副社長は認める。そこで、技術やスペックを前面に打ち出すのではなく、映像を観るすべての人への思いを込めてブランドコピーを一新した。

新しいブランドコピーの『いちばん綺麗に、観てほしい。』には、ユーザーに映像視聴で最高の体験をしてほしいという思いが込められているという。

新製品7シリーズからまずは代表的な製品を紹介しよう。それが新たに加わったSQD-Mini LEDテレビだ。フラッグシップのX11Lは98V型、85V型、75V型の3機種で、プレミアムのC8Lは98V型、85V型、75V型、65V型、55V型の5機種。ハイグレードで主力モデルのC7Lは85V型、75V型、65V型、55V型の4機種である。

SQD(Super Quantum Dot)は、スーパー量子ドットを指す。色再現の精度が同社比で69%向上した新しい量子ドットを採用し、光の透過率を上げてカラーフィルターの色域を同33%拡大したウルトラカラーフィルターも同時に採用している。

この2つの合わせ技で色の再現性を極限まで高め、テレビに映し出される映像は実物に非常に近い色で表現されるという。

ピーク時の輝度はX11Lの98V型と85V型で約1万nits、75V型は約9000nits。バックライト制御の分割エリアは98V型で2万736、85V型が1万4400、75V型が1万1520である。

さらに高効率の発光チップや光を制御して直線方向に進行させる超凝縮マイクロレンズ、明暗部のディテールをコントロールする光制御アルゴリズムなどを採用。映し出す画質を決める司令塔とでもいうべきエンジンは自社開発のTSR AiPQプロセッサーで、インテリジェントセンサーにより画質をピクセルレベルで調整する。

同社のマーケティング戦略本部久保田篤本部長は「SQD-Mini LEDは当社の誇る技術をすべて注ぎ込んでいます」と話し、製品の完成度に手応えを感じている。

映像はもちろん、音にもこだわり、BANG&OLUFSENの5.2チャンネルサウンドシステムを搭載。Dolby ATMOSやDTS:Xに対応し、まるで映画館にいるかのような音像体験を実感できる。

液晶パネル部の厚さはX11Lで、わずか2cmしかない。X11LとC8Lは画面を囲む黒枠がほとんどないベゼルレスデザインに加えて、パネルとベゼル間の非表示部分がほとんどないVirtually ZeroBorderにより、映像が浮かんでいるように見え、壁掛けをすると最も美しく見える設計になっているという。

前述のとおり、SQD-Mini LEDテレビは3シリーズのラインアップがあり、仕様やスペックはそれぞれのシリーズで異なっている。

75V型と65V型のRGB-Mini LED TVも発売

その他のシリーズについても紹介しよう。RM7LシリーズはRGB-Mini LEDテレビで、画面サイズは75V型と65V型の2機種。RGB-Mini LEDはバックライトにRGBの三原色を用いることで、純度の高い色を再現する。

高効率の発光チップと超凝縮マイクロレンズ、発光制御技術、CSOTのHVA Proパネルの組み合わせによって色のにじみを大きく低減している。高音質技術ではONKYOの2.1 Hi-Fiシステムを採用し、部屋の音響特性に合わせてサウンドを自動補正する。

Mini-LEDテレビのA400Mシリーズは98V型、85V型、75V型、65V型、55V型の5機種をラインアップ。スリム&フラットな本体デザインで、10億色を超える鮮やかな色彩表現により微細なディテールまで映し出す。

量子ドットLEDテレビはA400とT6Dの2シリーズだ。A400Mと同じHVA倍速パネルと上位シリーズ搭載のTSR AiPQプロセッサーを採用したA400の画面サイズは75V型、65V型、55V型の3機種。HVAパネルとAiPQプロセッサーを搭載したT6Dは75V型、65V型、55V型、50V型、43V型の5機種。

さらに量子ドットLEDテレビの2Kタイプで40V型と32V型をラインアップしたS5Lシリーズも6月発売予定である。各シリーズの詳細はTCLのホームページで、実機は家電量販店の店頭で確認しよう。 

TCLのテレビはOSにGoogle TVを採用している。GoogleではブラウザのChromeやAndroid OSでAIアシスタントのGeminiと連携しているが、TCLのT6Dを除く各シリーズではGoogle TV with Geminiとしてこの夏からアップグレードで対応するという。

Google TV with Geminiでできることは、登録アプリからのおすすめコンテンツ紹介やタイトルを忘れても内容でコンテンツ検索できる機能、質問に対するYouTube動画を交えての回答、テレビの操作やスマート家電の管理、ニュースや天気等の情報提供などだ。

また、全シリーズでテレビの大画面に名画や風景写真、生成AIアート作品や撮影画像を映し出すプライベートギャラリー機能を搭載。静止画像だけでなく、暖炉の様子や雨、さざ波などの映像と音を再生する機能もある。

大画面テレビは、映像を表示していないと黒い空間となるが、画面にアート作品の画像などを投影することで、空間が個人ギャラリーに変化する。テレビにインテリアとしての機能も付加されているのだ。

同社では前述した新しいブランドコピーとともに俳優の山崎賢人さんをブランドアンバサダーに起用。山崎さん出演のCMも収録済みでTV CMのほか、YouTubeや交通広告などで幅広く展開し、TCLのブランド認知向上を図っていく。

新製品の発売と新ブランドコピーの採用を記念し、A400以上のクラスの新製品を対象としたキャッシュバックキャンペーンを現在実施中だ。テレビの購入で最大10万円、対象のサウンドバーの同時購入でさらに最大5万円分のPayがもれなくプレゼントされる。購入締め切りは8月16日で、応募締め切りは8月31日。詳細内容は同社のホームページでチェックしよう。

SQD-Mini LEDに注力して大画面へのシフトを推進

冒頭で記述したとおり、同社の存在感は確実に高まっているが、メーカーとしての認知度は、競合他社と比べてまだ低いのが実情だ。また、これまでは小型・中型の販売ボリュームが大きかったのだが、今回の新製品は大画面サイズにフォーカスしている。現状を踏まえたこれからの取り組みを西山副社長に聞いた。

(以下、敬称略) これまでは32V型や40V型の販売ボリュームが大きく、55V型以上の高価格帯ではスペックの面でも競合他社に劣り、価格で勝負する面がありました。

しかし、今年はSQD-Mini LEDなど、他社に対して優位性を持つスペックの製品があり、社内でも65V型以上に注力する方針となっています。大画面、高価格帯の販売構成比を上げて、昨年までの状況から脱却することを考えています。

他社はRGB-Mini LEDをメインに展開されると思います。しかし、販売価格は非常に高額になってしまいます。SQDは量子ドットの粒子数が増え、ドット自体の精度も上がっています。カラーフィルターの向上もあってRGB-Mini LEDよりも綺麗な映像を表示でき、かつ生産コストを抑えられるため、RGB-Mini LEDに対して価格面でのメリットもあります。

昨年までと比べて、今年はおそらく1.5倍くらいの店舗での展開になるとみています。つまり、昨年よりも大画面の製品を数多く展示していただけるのではないかと考えています。

やはり顧客接点を増やさないと認知度は上がりません。流通の方々に対する商談会で、SQD-Mini LEDを実際に視聴していただきました。その結果、全体的な露出は増えてくると思います。

はい。広域で、郊外店も含めて今年の展示店舗は昨年よりも増えると考えています。

98V型や85V型では、マンションのエレベーターに入らないという問題が確かにあります。ただし、物理的に導入可能な住宅については、幅広い選択肢を提供できるわけです。

現在の大画面での主流は55V型ですが、流通サイドでは65V型を売りたいと考えています。実際に65V型であれば搬入時の問題はほとんどないので、当社でも65V型以上の販売に注力していきます。

大画面テレビでデザイン性をアピール

お客様に画面がキレイと思っていただくためのキーワードでは輝度や色彩、色域などがあります。これらについては新製品でかなりスペックが向上しました。

新製品のX11Lは本体パネル部が2cmの薄さで、これはSQDだからです。RGBでは発光チップからの投影距離が必要で、あまり薄くできません。空間スペースが必要な大画面テレビの設置においては、薄型の筐体でベゼルも非常に狭いというデザイン性をアピールできれば、と考えています。

地上デジタル放送の映像は、日本独特の映像といえます。グローバルの製品をそのまま持ってくると、赤が強く見えたりします。そこで、ソフトウェアを書き換えました。

はい、そのとおりです。ソフトウェアを書き換え、再チューニングしました。完全に日本向けですので、まさにローカライズです。

昨年は大きな仕掛けというものができていませんでした。今年は1年間の流れの中で商談会から始まり、発表会を経てお客様に知っていただくためのTV CMを投下し、顧客接点の間口を広げるという販売環境づくりをトータルで強化していきます。

当たり前のことを当たり前にやり、2026年が大きなギアチェンジをした年になるような動き方をしていきます。