皮膚科医が解説する衣替えシーズンの肌ケアと毛孔性苔癬の最新治療法
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、衣替えの時期に肌荒れが増えるのは気温・湿度の急激な変化と衣類の素材変化が重なるためです。夏服に切り替えるタイミングでは、保湿ケアの継続と紫外線対策の強化が重要です。二の腕や太もものブツブツ(毛孔性苔癬)は、保湿と角質ケアで改善可能ですが、症状が強い場合はケミカルピーリングやレーザー治療も有効な選択肢となります。
・6月の衣替え時期に肌トラブルを経験した人は63.2%、特に「かゆみ・赤み」が最多の42.8%
・夏服で露出が増える部位の「黒ずみ・毛穴・産毛」を気にする人は78.5%に達する
・二の腕のブツブツ(毛孔性苔癬)に悩む人の68.3%が適切なケア方法を知らないと回答
用語解説
■ 毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)とは
毛孔性苔癬とは、毛穴に角質が詰まって小さなブツブツができる皮膚疾患である。二の腕、太もも、背中などに多く見られ、遺伝的要因が強いとされる。思春期に発症し加齢とともに軽減することが多いが、見た目の問題から治療を希望する人も多い良性の皮膚症状である。
■ ケミカルピーリングとは
ケミカルピーリングとは、酸性の薬剤を皮膚に塗布し、古い角質を除去する治療法である。グリコール酸やサリチル酸などが用いられ、毛孔性苔癬や色素沈着、ニキビ跡などの改善に効果を発揮する。
■ 角質肥厚(かくしつひこう)とは
角質肥厚とは、肌のターンオーバーの乱れにより角質層が厚くなった状態である。肌のざらつきや毛穴詰まりの原因となり、乾燥や摩擦、紫外線ダメージなどで悪化することがある。
毛孔性苔癬の治療法比較

※一般的な目安であり、個人差があります。症状や肌質によって最適な治療法は異なるため、医師への相談をお勧めします。
皮膚科・形成外科を専門とするアイシークリニック(医療法人社団鉄結会、新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、6月の衣替えシーズンを前に、全国の20~50代の男女300名を対象とした「衣替え時期の肌トラブルと夏服露出に関する意識調査」を実施しました。本調査では、季節の変わり目に増加する肌トラブルの実態と、夏服で露出が増える部位への悩みを明らかにし、皮膚科医の視点から適切なケア方法を提案します。
調査背景
6月は梅雨入りとともに気温・湿度が急上昇し、冬物から夏物への衣替えが本格化する時期です。この季節の変わり目は、肌環境が大きく変化するため、肌トラブルが増加しやすい時期でもあります。また、夏服への切り替えにより二の腕や足など普段隠れていた部位が露出することで、肌の状態を気にする人も増えます。当院では、この時期に毛孔性苔癬や色素沈着、肌荒れに関する相談が増加する傾向にあることから、実態を把握し適切な情報提供を行うため本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:全国の20~50代の男女で、衣替えの習慣がある方
調査期間:2026年5月11日~5月20日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】6割以上が衣替え時期に肌トラブルを経験
設問:6月の衣替えシーズンに、肌トラブル(かゆみ、赤み、ブツブツ、乾燥など)を経験したことはありますか?

衣替え時期に肌トラブルを経験したことがある人は合計63.2%に達しました。特に「毎年のように経験する」と回答した人が約3割を占めており、季節の変わり目の肌ケアが多くの人にとって課題となっていることがわかります。
【調査結果】最多は「かゆみ・赤み」で42.8%
設問:衣替え時期に経験する肌トラブルとして、最も多いものは何ですか?(肌トラブル経験者のみ)

衣替え時期の肌トラブルで最も多いのは「かゆみ・赤み」で42.8%でした。これは衣類の素材変化や汗による刺激が原因と考えられます。次いで「乾燥・カサつき」が26.4%と高く、冬場の保湿ケアを急にやめることが影響していると推測されます。
【調査結果】約8割が露出部位の「黒ずみ・毛穴・産毛」を気にする
設問:夏服に切り替えた際、露出が増える部位で気になることは何ですか?(複数回答可の中で最も気になるもの)

夏服で露出が増える部位について、「黒ずみ・毛穴・産毛」を気にする人は合計78.5%に達しました。特に「黒ずみ・色素沈着」が31.2%で最も多く、二の腕や膝、脇などの部位への悩みが深いことがわかります。
【調査結果】約7割が毛孔性苔癬の適切なケア方法を知らない
設問:二の腕や太もものブツブツ(毛孔性苔癬)について、適切なケア方法を知っていますか?

毛孔性苔癬の適切なケア方法について、「あまり知らない」「まったく知らない」と回答した人は合計68.3%に達しました。多くの人が見た目の悩みを抱えながらも、正しい対処法を知らないまま過ごしている実態が明らかになりました。
【調査結果】皮膚科受診経験者は2割未満にとどまる
設問:衣替え時期の肌トラブルや露出部位の悩みについて、皮膚科を受診したことはありますか?

肌トラブルや露出部位の悩みで皮膚科を受診したことがある人は17.8%にとどまりました。一方で「受診を検討したことはある」人は28.6%おり、受診のきっかけやハードルを下げる情報提供が求められています。
調査まとめ
本調査により、6月の衣替え時期に肌トラブルを経験する人は63.2%に達し、夏服で露出が増える部位の「黒ずみ・毛穴・産毛」を気にする人は78.5%と非常に高い割合であることが明らかになりました。特に二の腕のブツブツ(毛孔性苔癬)については、悩みを抱えながらも約7割が適切なケア方法を知らず、皮膚科受診経験者も2割未満にとどまっています。季節の変わり目は肌環境が大きく変化する時期であり、正しい知識に基づいたスキンケアと、必要に応じた専門医への相談が重要です。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、衣替えシーズンの肌トラブルは「環境変化への肌の適応遅れ」が主な原因であり、保湿ケアの継続と段階的な紫外線対策の導入で多くの場合予防・改善が可能です。
6月の衣替え時期に肌トラブルが増える理由は、主に3つあります。第一に、気温・湿度の急激な上昇により汗をかきやすくなり、肌への刺激が増えること。第二に、衣類の素材が厚手の綿やウールから薄手の化学繊維に変わることで、摩擦や通気性の変化が生じること。第三に、冬場の保湿ケアを急にやめてしまう人が多いことです。
夏服への切り替えで多くの方が気にされる「二の腕のブツブツ」は、医学的には毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)と呼ばれます。これは毛穴に角質が詰まってできる良性の皮膚症状で、遺伝的な要因が大きいとされています。日本皮膚科学会の知見によると、保湿剤と尿素配合クリームによる角質ケアが基本治療となりますが、症状が気になる場合はケミカルピーリングやレーザー治療も選択肢となります。
衣替え時期のスキンケアで重要なのは、冬の保湿ケアを急にやめないことです。湿度が上がっても肌内部は乾燥していることが多く、特に入浴後の保湿は季節を問わず継続してください。また、夏服で露出が増える部位は紫外線ダメージを受けやすいため、日焼け止めの使用を習慣化することをお勧めします。
黒ずみや色素沈着が気になる部位は、ゴシゴシこする洗い方や締め付けの強い衣類による摩擦が原因となっていることが多いです。まずは刺激を減らすことから始め、改善が見られない場合は皮膚科への相談をお勧めします。
【エビデンス】日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでは、季節の変わり目における保湿ケアの重要性が強調されており、皮膚バリア機能の維持が肌トラブル予防の基本とされています。皮膚科医としての臨床経験でも、保湿ケアを継続している患者さんは季節の変わり目のトラブルが少ない傾向にあります。
衣替え時期の肌トラブル予防3つのポイント
・冬場の保湿ケアを急にやめず、入浴後の保湿を継続する
・汗をかいたらこまめに拭き取り、清潔な衣類に着替える
・新しい衣類は着用前に一度洗濯し、刺激物質を落とす
毛孔性苔癬のセルフケア3つのポイント
・尿素配合クリームやサリチル酸配合製品で角質ケアを行う
・ナイロンタオルでのゴシゴシ洗いを避け、優しく洗う
・保湿を毎日継続し、肌のターンオーバーを整える
皮膚科受診を検討すべきサイン
・セルフケアを3ヶ月続けても改善が見られない場合
・かゆみや炎症を伴う場合
・症状が急に悪化した場合
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 衣替えの時期に肌荒れが増えるのはなぜですか?
A. 気温・湿度の急激な変化と衣類素材の変化による複合的な刺激が原因です。
衣替え時期の肌荒れは、気温・湿度の上昇で汗をかきやすくなること、衣類の素材変化による摩擦、保湿ケアの中断が主な原因です。本調査でも63.2%が衣替え時期に肌トラブルを経験しており、「かゆみ・赤み」が42.8%で最多でした。肌が環境変化に適応するまでの2~3週間は特に注意が必要です。
Q2. 夏服に切り替えるタイミングで気をつけるべき肌ケアは何ですか?
A. 保湿ケアの継続と紫外線対策の強化、そして摩擦を減らすことが重要です。
夏服への切り替え時は、冬の保湿ケアを急にやめないことが最も重要です。本調査で78.5%が露出部位の「黒ずみ・毛穴・産毛」を気にしていることがわかりましたが、これらの悩みの多くは保湿不足や摩擦による刺激が原因です。また、露出が増える部位は紫外線ダメージを受けやすいため、日焼け止めの習慣化をお勧めします。
Q3. 二の腕のブツブツ(毛孔性苔癬)は治りますか?
A. 完治は難しいですが、適切なケアで目立たなくすることは十分可能です。
毛孔性苔癬は遺伝的要因が大きく完全に治すことは難しいですが、尿素配合クリームによる角質ケアと保湿の継続で改善が期待できます。症状が気になる場合は、ケミカルピーリングやレーザー治療も有効です。本調査では68.3%が適切なケア方法を知らないと回答しており、正しい知識を持つことが改善の第一歩です。
Q4. 衣替え時期の肌荒れで皮膚科を受診すべきタイミングは?
A. セルフケアで2週間以上改善しない場合や、かゆみ・炎症が強い場合は受診をお勧めします。
本調査では皮膚科受診経験者は17.8%にとどまりましたが、セルフケアで改善しない肌荒れは皮膚炎やアレルギーの可能性もあります。2週間以上改善が見られない場合、かゆみで眠れないほど辛い場合、症状が急に悪化した場合は早めの受診をお勧めします。
Q5. 毛孔性苔癬の治療で保険は適用されますか?
A. 保湿剤や角質軟化剤の処方は保険適用となりますが、美容目的の治療は自由診療となります。
毛孔性苔癬に対する尿素配合クリームや保湿剤の処方は保険適用で、3割負担で数百円~千円程度です。ただし、ケミカルピーリングやレーザー治療は美容目的とみなされ自由診療となり、1回5,000~30,000円程度の費用がかかります。まずは保険診療で基本的な治療を試し、効果が不十分な場合に美容治療を検討するのが一般的な流れです。
放置のリスク
・衣替え時期の肌荒れを放置すると、慢性的な湿疹や色素沈着に移行する可能性がある
・毛孔性苔癬を誤ったセルフケア(ゴシゴシ洗いなど)で悪化させ、炎症後色素沈着を起こすリスク
・露出部位の紫外線対策を怠ると、シミやくすみの原因となる
こんな方はご相談ください|受診の目安
・セルフケアを2週間以上続けても改善が見られない場合
・かゆみや赤みが強く、日常生活に支障が出る場合
・症状が急に悪化した場合や、発疹の範囲が広がっている場合
・毛孔性苔癬の症状が気になり、より積極的な治療を希望する場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科・形成外科の専門医療機関として、肌トラブルから美容治療まで幅広く対応
・東京・大宮に6院展開し、平日夜間や土日の診療にも対応
・保険診療と自由診療の両方に対応し、患者様の希望に合わせた治療プランを提案
・毛孔性苔癬に対するケミカルピーリング、レーザー治療など多様な治療オプションを用意
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
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