全館空調の住宅ではダニアレルゲン量が明らかに低減
パナソニック ホームズ株式会社は、東京アレルギー・呼吸器疾患研究所(環境アレルゲン研究班 班長 白井 秀治氏)と共同で、実際に人が居住する戸建住宅を対象に、空調方式の違いが室内のダニアレルゲン量に及ぼす影響を調査し、このたび、その結果を公表しました。
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d22927-258-e15749e4a67386e3743636fa70625589.pdf▼全館空調『エアロハス』の詳細はこちら
https://homes.panasonic.com/sumai/lifestyle/airlohas/
本調査は、近年、夏季に高温多湿な気候が続いていることから、ダニが繁殖しやすくなっている住環境に着目し、ダニアレルゲンの「量」に加え、居住者の倦怠感や疲労感といった「QOL(生活の質)」についても分析することで、室内の湿度管理が健康リスクに直結することを示した新しい取り組みです。
■背景
日本では、国民の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患を有していると推定されています※1。なかでも喘息患者では、小児の80%以上、成人でも50%以上が、ダニ抗原に感作※2されているという報告があり※3、ダニアレルギーは、喘息やアレルギー性鼻炎、皮膚炎の悪化、さらには睡眠の質低下などを引き起こし、健康に深く関わる重要な社会課題となっています。
また近年、気候変動の影響により夏季の高温多湿化が進んで、住宅内の湿度も上昇傾向にあり、その結果、ダニの繁殖が活発になるとされる環境条件(温度25~30℃、相対湿度60%以上)※4に達しやすくなっています。さらに、住宅の高断熱化により冷房効率が向上する一方で、個別空調では除湿量が十分に確保されにくい場合があることが指摘されており※5、ダニが繁殖しやすい住環境が生じる可能性があります。
これらを踏まえ、住宅内の温湿度環境への影響が大きいと考えられる空調方式の違いに注目し、室内のダニアレルゲン量と居住者のQOLへの影響を調査しました。
■共同研究の概要・結果
本研究では、実際に人が居住する戸建住宅36棟を対象に、空調方式ごと(住宅全体をまとめて換気・空調する「全館空調」と、各居室に設置された壁掛けのルームエアコンを用いて在室時のみ運転する「個別空調」の2方式)に、床・寝具中のダニアレルゲン量、室内の温湿度、空気質を実測しました。あわせて、居住者を対象に、アレルギー症状が倦怠感や疲労感などのQOLに及ぼす影響についてアンケートを実施し、各QOL項目への影響を分析しました。その結果、全館空調の住宅では、個別空調の住宅と比較して、以下の結果が得られました。
・室内の平均湿度が、ダニの繁殖しにくい水準に保たれ、床・寝具中のダニアレルゲン量が
明らかに減少
・居住者のアンケートでは、アレルギー症状による倦怠感や疲労感を感じた人の割合が低下
これらの結果から、夏季における住宅内の湿度環境は空調方式の違いによって左右され、ダニアレルゲン量や居住者のQOLに影響を及ぼす可能性が示されました。高温多湿化が進むなか、住環境における空気・湿度管理のあり方は、今後の健康的な住まいづくりにおいて重要な要素になると考えられます。

(注1)有意確率(p値):差や効果が「偶然」によるものだと仮定した場合に、今回の結果が得られる
確率を示す指標
***: p < 0.001、**: p < 0.01、*: p < 0.05、†: p < 0.10、n.s.: p > 0.10
一般に p < 0.05 の場合、統計的に有意と判断される。
(注2)感作閾値(かんさいきち):生体が特定の抗原(例:アレルゲン)に対して感作されるか
どうかの境目となる最小量
当社は創業以来、住まいの空気質にこだわり、健康で快適な暮らしの実現に向けた研究・開発を継続してきました。今後も、これまでに蓄積してきた技術と知見を活かし、近年の気象環境の変化に対応しながら、住む人の健康を支え、快適で心豊かなウェルビーイングを追求した住まいのあり方について検討を進めていきます。
■白井 秀治氏コメント(東京アレルギー・呼吸器疾患研究所 環境アレルゲン研究班 班長)
ダニの増殖に必要な要素としては、温度、湿度、栄養となる食餌があり、なかでも湿度はダニの活動性に関係し重要です。一般的な日本の家屋では、夏季に屋外の湿度が上昇することに伴い、室内の湿度も上昇します。この湿度上昇はダニの活動を活発にし、住居内のダニ数およびダニの糞、死骸といったダニアレルゲン量の増加に関係すると考えられます。
この度の住宅を用いた検討では、全館空調の住宅は個別空調の住宅に比べ夏季の相対湿度が低く、その平均値はダニの増殖に適さない低い値で推移していました。そして、全館空調の住宅における床面および居住者が使用している寝具のダニアレルゲン量は、個別空調の住宅と比べ低い値で推移していました。一般的なダニ対策としては、掃除や洗濯などが行われており、効果を高めるには継続的な取り組みが必要です。しかし日々の家事の中で、これらを継続することは肉体的な負荷となることがあり、長期的な管理継続が困難になることもあります。
この度の検討において、全館空調の住宅では湿度が低く保たれ、ダニアレルゲン量も少ない状態で推移することが確認されました。この結果から、居住者がセルフケアとして取り組むダニ対策の負担を大きく軽減できる可能性があると考えられます。
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