皮脂分泌量が通常の1.5倍に増加する梅雨型肌トラブルの実態と対策を皮膚科医が解説
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、梅雨時期にニキビが増えるのは湿度上昇による皮脂分泌の増加と、汗や皮脂が毛穴に詰まりやすくなることが主な原因です。湿度が高い時期のスキンケアは『洗浄力を上げる』のではなく『保湿を維持しながら余分な皮脂だけを取り除く』ことがポイントで、胸や背中の体幹部ニキビは毛包炎との鑑別が重要なため、2週間以上改善しない場合は皮膚科受診を推奨します。
・82.7%が梅雨時期に肌トラブルを経験、うち67.3%がニキビ・吹き出物の悪化を実感
・マスク着用者の78.4%が「マスク内ニキビ」を経験、湿度70%以上で発症リスクが2.1倍に
・胸・背中の「体幹部ニキビ」は梅雨時期に1.8倍増加するも、61.5%が適切なケア方法を知らない
用語解説
■ 梅雨型肌トラブルとは
梅雨型肌トラブルとは、湿度70%以上の高湿度環境で発生しやすい皮膚疾患の総称である。皮脂分泌量の増加、汗による毛穴の閉塞、細菌の繁殖促進などが複合的に作用し、ニキビ・吹き出物・あせも・湿疹などを引き起こす。特に6月から7月の梅雨時期に患者数が増加する特徴を持つ。
■ マスクアクネ(マスク内ニキビ)とは
マスクアクネとは、マスク着用による摩擦・蒸れ・細菌繁殖が原因で発生するニキビのことである。マスク内部の湿度は外気より20~30%高くなり、皮脂や汗が毛穴に詰まりやすくなる。特に顎・頬・鼻周りに好発し、2020年以降に急増した皮膚トラブルとして注目されている。
■ 体幹部ニキビ(胸ニキビ・背中ニキビ)とは
体幹部ニキビとは、胸部・背部に発生するニキビの総称である。顔面のニキビと異なり、毛包炎やマラセチア毛包炎との鑑別が重要で、通常のニキビ治療薬では改善しないケースも多い。衣服による蒸れや皮脂分泌の多い部位であることから、高湿度環境で悪化しやすい特徴がある。
顔面ニキビと体幹部ニキビの比較

※一般的な目安であり、個人差があります。
全国で美容皮膚科・皮膚外科を展開する医療法人社団鉄結会 アイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、梅雨入りを目前に控えた2026年5月、全国の20~50代の男女300名を対象に「梅雨時期の肌トラブルに関する意識調査」を実施しました。高湿度環境における皮膚トラブルの実態と、適切な対策方法について調査結果をご報告いたします。
調査背景
日本の梅雨時期(6月~7月)は湿度が70~90%に達し、皮脂分泌量が通常の1.5倍程度に増加することが皮膚科学的に知られています。近年はマスク着用の習慣化により「マスクアクネ」と呼ばれる新たな肌トラブルも増加しており、当院においても梅雨時期のニキビ・吹き出物の相談が前年比で約1.3倍に増加しています。そこで、梅雨時期特有の肌トラブルの実態と、一般の方々の認知度・対策状況を把握し、適切な情報提供を行うことを目的に本調査を実施いたしました。
調査概要
調査対象:全国の20~50代で、過去1年以内にニキビ・吹き出物に悩んだ経験のある男女
調査期間:2026年5月18日~5月27日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】82.7%が梅雨時期に肌トラブルを経験、湿度との関連を実感
設問:梅雨時期(6月~7月)に肌トラブルが増えると感じたことはありますか?

8割以上が梅雨時期に肌トラブルの増加を実感しており、高湿度環境が肌に与える影響の大きさが明らかになった。「明らかに増える」と回答した45.3%の人は、毎年梅雨前から予防的なスキンケアを意識する傾向にあることも判明した。
【調査結果】67.3%がニキビ・吹き出物の悪化を最も深刻と回答
設問:梅雨時期に最も悩まされる肌トラブルは何ですか?(複数回答可の中で最も深刻なもの)

ニキビ・吹き出物が圧倒的に多く、梅雨時期の肌悩みの中心であることが確認された。皮脂分泌の増加がニキビ悪化の直接的な原因となっており、適切な皮脂コントロールが重要であることを示唆している。
【調査結果】78.4%がマスク内ニキビを経験、顎と頬に集中
設問:マスク着用時に、マスクで覆われる部分にニキビができたことはありますか?

マスク着用者の約8割がマスク内ニキビを経験しており、特に「頻繁にできる」と回答した31.0%は週3回以上マスクを着用する人に多かった。マスク内の湿度上昇と摩擦がニキビ発生の大きな要因となっている。
【調査結果】68.7%が体幹部ニキビを経験するも、適切なケア方法の認知は38.5%にとどまる
設問:胸や背中にニキビができたことはありますか?

約7割が体幹部ニキビを経験しており、そのうち19.3%は梅雨時期に悪化すると回答。しかし別設問で、体幹部ニキビの適切なケア方法を「知っている」と回答した人は38.5%にとどまり、顔のニキビと同じケアをしている人が61.5%に上った。
【調査結果】皮膚科受診率は24.0%にとどまり、76.0%がセルフケアのみで対処
設問:梅雨時期の肌トラブルで皮膚科を受診したことはありますか?

4人に1人しか皮膚科を受診しておらず、多くがセルフケアで対処している実態が明らかになった。受診を検討したが行かなかった28.7%の理由としては「時間がない」「そのうち治ると思った」が上位を占めた。
調査まとめ
本調査により、梅雨時期の肌トラブルは非常に多くの人が経験する一般的な悩みでありながら、適切な対処法の認知度が低い実態が明らかになりました。特に、82.7%が梅雨時期に肌トラブルの増加を実感し、67.3%がニキビ・吹き出物の悪化を最も深刻な問題として挙げています。マスク内ニキビは78.4%が経験しており、体幹部ニキビも68.7%が経験しているにもかかわらず、適切なケア方法を知っている人は38.5%にとどまりました。また、皮膚科受診率は24.0%と低く、多くの人がセルフケアのみで対処している現状が確認されました。梅雨時期特有の高湿度環境における正しいスキンケア知識の普及と、適切な受診タイミングの周知が急務であると考えられます。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、梅雨時期のニキビ悪化は『洗いすぎ』と『誤った保湿ケア』が原因であることが非常に多いです。湿度が高いからといって保湿を省略したり、ベタつきを気にして過度に洗浄したりすることが、かえって皮脂分泌を促進させ、ニキビを悪化させる悪循環を生んでいます。
梅雨時期は湿度70%以上の環境が続くことで、皮脂腺の活動が活発化し、皮脂分泌量が通常の1.5倍程度に増加します。これに加えて、汗の蒸発が阻害されることで毛穴が詰まりやすくなり、アクネ菌の繁殖に適した環境が整ってしまいます。
マスク着用時はさらに深刻で、マスク内部の湿度は外気より20~30%高くなります。これに摩擦が加わることで、いわゆる「マスクアクネ」が発生しやすくなります。対策としては、不織布マスクよりも通気性の良い素材を選ぶこと、こまめにマスクを交換すること、帰宅後すぐに洗顔することが重要です。
胸や背中の体幹部ニキビについては、顔のニキビとは異なる注意点があります。体幹部ニキビの一部は「マラセチア毛包炎」という真菌(カビ)が原因の疾患であり、通常のニキビ治療薬では改善しません。かゆみを伴う場合や、均一な大きさの赤い発疹が多発する場合は、マラセチア毛包炎の可能性を考慮し、皮膚科での正確な診断を受けることをお勧めします。
日本皮膚科学会の尋常性ざ瘡治療ガイドラインでは、ニキビ治療の第一選択として過酸化ベンゾイルやアダパレンなどの外用薬が推奨されています。市販薬で2週間以上改善が見られない場合は、皮膚科を受診し適切な治療を開始することで、ニキビ跡の予防にもつながります。
【エビデンス】日本皮膚科学会の『尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017』では、ニキビの重症度に応じた段階的な治療アルゴリズムが示されています。軽症例ではまず外用薬による治療を行い、中等症以上では抗菌薬の内服を併用することが推奨されています。また、生活指導として睡眠の確保、バランスの取れた食事、適切なスキンケアの重要性も明記されています。
梅雨時期のニキビ対策3原則
・洗浄は1日2回まで:過度な洗顔は皮脂の過剰分泌を招く
・保湿は継続:湿度が高くても水分と油分のバランスを整える保湿は必要
・触らない・潰さない:細菌感染やニキビ跡のリスクを高める
皮膚科受診のタイミング
・市販薬で2週間以上改善しない場合
・同じ場所に繰り返しニキビができる場合
・痛みや腫れを伴う大きなニキビができた場合
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 梅雨時期にニキビが増えるのはなぜ?
A. 高湿度環境による皮脂分泌の増加と、汗・皮脂による毛穴の詰まりが主な原因です。
本調査では82.7%が梅雨時期に肌トラブルの増加を実感しており、皮膚科学的にも湿度70%以上の環境では皮脂分泌量が通常の1.5倍程度に増加することが知られています。さらに、汗の蒸発が阻害されることで毛穴が詰まりやすくなり、アクネ菌の繁殖に適した環境となります。マスク着用者の78.4%がマスク内ニキビを経験しているのも、同様のメカニズムによるものです。
Q2. 湿度が高い時期のスキンケアのポイントは?
A. 洗浄力を上げるのではなく、保湿を維持しながら余分な皮脂だけを取り除くことがポイントです。
調査結果から、梅雨時期に肌トラブルを経験する人の多くが「洗いすぎ」や「保湿の省略」をしていることがわかっています。湿度が高いと肌が潤っていると勘違いしがちですが、実際には表面のベタつきと肌内部の水分量は別問題です。洗顔は1日2回までとし、さっぱりタイプの保湿剤で水分と油分のバランスを整えることが重要です。
Q3. 胸や背中のニキビは顔のニキビと同じケアで良い?
A. 体幹部ニキビは原因菌が異なる場合があるため、顔と同じケアでは改善しないことがあります。
本調査では68.7%が体幹部ニキビを経験していますが、適切なケア方法を知っている人は38.5%にとどまりました。体幹部ニキビの一部は「マラセチア毛包炎」という真菌が原因であり、通常のニキビ治療薬では効果がありません。かゆみを伴う場合や、2週間以上改善しない場合は皮膚科で正確な診断を受けることをお勧めします。
Q4. マスク内ニキビを予防する方法は?
A. 通気性の良いマスク素材の選択、こまめな交換、帰宅後の速やかな洗顔が効果的です。
調査では78.4%がマスク内ニキビを経験しており、特に週3回以上マスクを着用する人に多い傾向がありました。マスク内部の湿度は外気より20~30%高くなるため、不織布マスクよりも通気性の良い素材を選び、長時間の着用時は3~4時間ごとに交換することが推奨されます。また、帰宅後すぐに洗顔し、マスクによる摩擦部分には刺激の少ない保湿剤を塗布することも有効です。
Q5. 梅雨時期のニキビで皮膚科を受診する目安は?
A. 市販薬やセルフケアで2週間以上改善しない場合は、皮膚科受診を推奨します。
本調査では皮膚科受診率が24.0%にとどまり、76.0%がセルフケアのみで対処していました。しかし、2週間以上改善しないニキビや、同じ場所に繰り返しできるニキビ、痛みや腫れを伴う大きなニキビは、適切な医療介入が必要なサインです。早期に治療を開始することで、色素沈着やニキビ跡といった後遺症を予防できます。
放置のリスク
・ニキビ跡(瘢痕)の形成:炎症が長期化すると、陥凹性瘢痕(クレーター)や肥厚性瘢痕が残る可能性がある
・色素沈着:ニキビ部位に茶色いシミ(炎症後色素沈着)が残り、数ヶ月~数年持続することがある
・細菌感染の拡大:自己判断で潰すことで細菌感染が広がり、より重症化するリスクがある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・市販薬やセルフケアで2週間以上改善しない場合
・痛みや腫れを伴う大きなニキビ(嚢腫・結節)ができた場合
・同じ場所に繰り返しニキビができる場合
・ニキビ跡や色素沈着が気になり始めた場合
・かゆみを伴うニキビ様の発疹が広範囲に出現した場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科専門治療:ニキビ・ニキビ跡から皮膚腫瘍まで幅広い皮膚疾患に対応
・土日祝日診療:平日忙しい方でも通いやすい診療体制を整備
・複数院展開:新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院でアクセス至便
・オンライン診療対応:初診からオンライン診療が可能で、忙しい方も受診しやすい体制を整備
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
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