「何からすべきか分からない」という内定期間中の自主学習における最大の壁を受け、限られた時間で効率的に知識を吸収できる「講師あり研修」の需要が前年比1.8倍に急増




調査の背景

 近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に伴う深刻なIT人材不足を背景に、文系出身者やIT未経験者を新卒エンジニアとして採用する企業が急増しています。
ヒューマンリソシア株式会社が発表した「ITエンジニアへの新卒就職動向レポート(2025年6月発表)」によると、現在、新卒ITエンジニアの62.2%が理系以外の学部(文系など)出身者であり、IT未経験者の採用・育成が業界のスタンダードとなりつつあります。
 こうした「前提知識を持たない状態」からのスタートが増えるなか、4月の入社後に始まる新人研修のスピードや難易度に苦労する新入社員も少なくありません。企業側にとっても、短期間の一括研修だけでエンジニアを育成する従来の方法は見直しを迫られており、入社前の「内定期間」をいかに有効活用するかが、早期戦力化や離職防止の鍵を握るようになっています。
 そこで当社では、2024年度より新人研修期間中のITエンジニアに対し、入社前の学習状況や、今感じている内定者教育の必要性についての本音を探る調査を開始いたしました。2026年度の結果を報告いたします。

*新卒ITエンジニア 内定期間の学習に関する定点調査2025
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000080678.html
*新卒ITエンジニア 内定期間の学習に関する定点調査2024
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000080678.html

調査概要

調査主体:株式会社SEプラス
調査対象:2026年度入社の新人ITエンジニア108名
調査実施時期:2026年5月29日~6月4日

調査結果サマリー

- 新人ITエンジニアの79.6%「内定期間中の学習はやっておくべき」と回答
- IT未経験者の69.8%が、新人研修カリキュラムに「苦労している」と回答。一方で“基礎知識”があるだけで負担は激減
- 内定期間中にやっておくべき学習内容、圧倒的1位はIT用語や仕組みなどの基礎知識(86.0%)」
- 自主学習の一番のハードルは「何をどこから勉強すればよいのか分からないこと」
- 望ましい学習方法は「eラーニング」が3年連続1位。一方で「講師あり研修」が1.8倍に急増

調査結果

(1)新人ITエンジニアの79.6%が「内定期間中の学習はやっておくべき」と考えている

図1:新人ITエンジニアにおける「内定期間中の学習」に対する意識(n=108)

新人研修期間中のITエンジニアに、内定期間中の学習についてどのように考えるか聞きました。
やっておくべき25.9%、どちらかといえばやっておくべき53.7%(合計79.6%)と、約8割の新人が内定期間中の学習はやっておくべきだと考えていることが分かりました。
 昨年度の結果からは2.6ポイント下がったものの、依然多くの新人エンジニアが内定期間中の学習を重視しています。

・「やっておくべき」派の理由(入社後の精神的・時間的な余裕作り)
一度でも言葉を聞いたことがある状態(既視感)を作っておくことで、4月からの吸収力が大きく変わるという意見が多く見られました。プログラミングの実践よりも、「用語のインプット」や「基礎に触れる」レベルの学習が推奨されています。
ー内定期間中の学習を「やっておくべき」と考える理由(原文ママ)ー
「先に若干理解しておくことで学習がスムーズに進められるが、あまり力を入れすぎるとそこで力尽きる可能性もあると思うためほどほどがよい。」
「ITの基礎的な知識を頭に入れておくことで研修の内容を理解しやすくなると考えたからです。」
「専門用語を学習しておくだけでも、改めて学習した際に理解が容易になるため。」


・「やる必要はない・どちらでもよい」派の理由(学生生活の優先)
「今しかできない学生生活を優先すべき」という意見が中心であり、学習したほうが楽になると分かっていつつも、卒業論文や最後の思い出作りとの間で葛藤する姿が浮き彫りになりました。
ー内定期間中の学習を「やる必要はない・どちらでもよい」と考える理由(原文ママ)ー
「学習するに越したことは無いと感じるものの、内定期間は学業が本業のため。」
「パソコンやタイピングに慣れておく程度の学習であればする必要があると思うが、内定時期は最後の学生の時間として学生らしく自由に過ごしたことに後悔はないため。」
「卒業論文など学生としてやらなければならないことが多いため」

(2)IT未経験者の69.8%が、新人研修カリキュラムに「苦労している」と回答。一方で“基礎知識”があるだけで負担は激減

図2:入社前のIT経験値別・新人研修カリキュラムの難易度(n=108)

 新人研修カリキュラムの難易度を入社前のIT経験値別に分析したところ、IT未経験者の69.8%(とても苦労した:21.0%、苦労した:48.8%)がカリキュラムについていくのに苦労していることが判明しました。未経験スタートの受講生にとって、研修のスピードや密度が高いハードルになっていることが伺えます。
 一方で、「知識はあるが経験なし」の層では「苦労した」との回答が40.9%まで下がっており、約6割(59.1%:未経験者の約2倍)がカリキュラムに問題なくついていけたと回答しています。入社前に少しでも座学で基礎知識を入れておくだけで、新人研修における精神的・難易度的な負担が大きく軽減されることが証明されました。

(3)内定期間中にやっておくべき学習内容、圧倒的1位は「IT用語や仕組みなどの基礎知識(86.1%)」

図3:内定期間中にやっておくとよいと思う学習内容(複数回答、n=108)

 内定期間中にどのような内容を学習しておくとよいかを聞いたところ、86.1%が「IT用語や仕組みなどの基礎知識」と回答し、過去2年(一昨年・昨年)の調査と同様に圧倒的1位となりました。 (以降、2位:プログラミング/フロントエンド、3位:プログラミング/バックエンド、4位:ビジネスマナー、5位:データベース・SQL)
 (1)の調査結果における「基礎知識があることで研修の理解がしやすくなる」という受講生の本音が、この結果にも直結していると考えられます。

(4)自主学習の一番のハードルは「何をどこから勉強すればよいのか分からないこと」

図4:内定期間に自主学習を進める際のハードル(複数回答、n=108)

 内定期間に自主学習を進める際のハードルについて聞いたところ、1位は「何をどこから勉強すればよいのか分からないこと(教材選びが難しい)」でした。次いで、2位「モチベーションの維持」、3位「時間が取れない」、4位「費用がかかる」と続きます。
 この結果から、企業がただ「勉強しておいて」と丸投げするのではなく、適切な教材を指定したり、取り組むべき範囲を明示してあげることが効果的であると言えます。
(5)望ましい学習方法は「eラーニング」が3年連続1位。一方で「講師あり研修」が1.8倍に急増

図5:内定期間における望ましい学習方法の経年変化(2024年~2026年、n=108)  ※「研修・講座(講師あり)」の需要が昨年度比から約1.8倍に急増。

 内定期間の望ましい学習方法は「eラーニングや動画教材」が1位、ついで2位書籍、3位研修・講座(講師あり)という結果になりました。
 順位に変動はありませんが、研修・講座(講師あり)が昨年度(21.9%)から38.9%と約1.8倍上昇しました。 この背景には、本調査の「自主学習を進める際のハードル」で1位となった『何をどこから勉強すればよいのかわからない(教材選びが難しい)』という課題が影響していると推測されます。何から手をつけるべきか迷う独学の環境よりも、プロの講師から体系的なロードマップに沿って学び、その場で疑問を解消できる環境を求める受講者が増えていることが、今回のデータから読み取れます。

総括:学生の葛藤に寄り添う、効率的で迷わない内定者教育の必要性

 今回の調査結果からは、「最後の学生生活を大切にしたい」という思いを抱えながらも、入社後の研修への不安から「内定期間中に少しでも基礎知識を蓄えておきたい」と願う内定者の葛藤が浮き彫りになりました。事実、IT未経験者の約7割が研修に苦労しており、入社前の「前提知識を整えること」の有無がその後の負担を大きく左右することがデータでも証明されています。
一方で、内定者が自主学習を進める上での最大のハードルは「何をどこから勉強すればよいか分からない」という点にあります。こうした『教材選びや学習手順の迷い』を解消し、限られた時間の中で効率的に知識を吸収したいというニーズから、2026年度は「講師あり研修」の需要が1.8倍に急増したと考えられます。
 企業はただ自習を促すのではなく、内定者が進むべき明確な学習ロードマップを提示し、短時間で効率的に学べる仕組みや、講師による適切なフィードバック環境を整える必要があります。学生としての時間を尊重しつつ、入社への不安を「安心」へと変える確実な学習支援が、これからの新卒採用市場において企業の競争力を高める鍵となるのではないでしょうか。

株式会社SEプラスについて

社名:株式会社 SEプラス / SE plus Co., Ltd.
所在地:〒102-0084 東京都千代田区二番町11-19興和二番町ビル2階
電話番号:03-6685-5420
資本金:1,750万円(東証スタンダード上場SEH&I 100%出資)
URL:https://www.seplus.jp/
公式YouTube:https://www.youtube.com/c/SEplusITeducation
IT書籍に特化した出版社「翔泳社」の一部門としてIT教育サービスを開始。
2001年にグループ会社として独立し、IT人材教育サービス事業、医療/コメディカル系人材紹介事業の2つの事業を実施。
IT人材教育サービス事業では、情報処理試験対策eラーニング「独習ゼミ」やIT特化型定額制研修サービス「SEカレッジ」などBtoB向けのIT教育を中心に展開。
”本当に価値あるIT教育とは何か?”を常に考え、既存サービスにとらわれず、いまの課題を解決できるようなIT教育サービスを開発し続ける。
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