約9割の保護者が、子どもの“成長の節目”を「症状が落ち着いた状態」で迎えたいと回答

サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岩屋孝彦)は、乳幼児から中学生までのアトピー性皮膚炎のお子様を持つ保護者を対象に、疾患に対する認識や治療実態、分子標的治療薬を含む治療選択肢への認知や考えを把握することを目的として、「小児アトピー性皮膚炎の治療実態調査」を実施しました。本調査は、中等症以上のアトピー性皮膚炎症状を有するお子様の保護者471名を対象におこなったものです。

今回の調査では、約9割の保護者が、入園・入学や思春期といった子どもの成長の節目を「症状が落ち着いた状態」で迎えたいと回答しました。一方、薬の変更や追加などの治療強化について医師に相談したことがある保護者は約3割にとどまりました。また、「相談したいと思っているができていない」と回答した保護者が約3割おり、治療の見直しに関心を持ちながらも、実際の相談につながっていない実態が明らかになりました。

アトピー性皮膚炎は、乳幼児期から学齢期にかけて症状の現れ方や日常生活への影響が大きく変化する疾患です。一方で、一時的に症状が落ち着いていると経過観察が続き、治療の見直しが後回しになることも少なくありません。加えて、症状が長く続くことで本人や家族がその状態に慣れ、「この程度は仕方がない」と受け入れてしまい、「もっと良い治療法があるのでは」と感じながらも現状維持にとどまってしまうことがあります。

近年のアトピー性皮膚炎の治療は大きく進歩しており、長期寛解維持(良い状態を長期間維持すること)を目指せる時代になっています。また、小児期から早期に適切な治療介入を行うことで、その後の経過や予後が良くなることも分かってきています。だからこそ、「3歳・6歳・12歳」といった生活環境が大きく変化するタイミングや思春期を迎えるタイミングで、お子様の症状や治療状況を確認することが重要です。医療従事者と保護者が治療目標を共有し、必要に応じて治療内容を見直すことが、お子様一人ひとりに合った治療につながります。

サノフィ株式会社は、今後もアレルギー疾患関連の総合情報サイト「アレルギーi」を通じて、アトピー性皮膚炎に関する最新情報の発信と疾患啓発に努めてまいります。

主な調査結果は以下の通りです。
調査トピックス
- 約9割の保護者が、子どもの入園・入学や思春期などの成長の節目を「症状が落ち着いた状態」で迎えたいと回答
- 中学生の保護者の約4割が、「思春期に入った頃」にアトピー性皮膚炎の症状が悪化したと回答
- 約7割の保護者が、お子様のアトピー性皮膚炎の症状を「コントロールできている」と感じている一方、約7割が「もっと良い治療方法があるのでは」と回答
- 治療強化(薬の変更・追加など)について医師に相談をしたことがある保護者は約3割にとどまり「相談したいと思っているができていない」と回答した保護者が約3割
- 約7割の保護者が、小児のアトピー性皮膚炎に対して注射薬(生物学的製剤/抗体医薬品/分子標的治療薬)を用いる治療選択肢があることを知らないと回答
- 治療目標について医師と共有できていると回答した保護者は約6割
- “つるつるもちもちの肌になる”を「目指せる」と思っている保護者は約4割。中学生の保護者では「目指せないと思う」が4割超

調査結果を受けて、専門医からのコメント


長尾 みづほ 先生国立病院機構三重病院 小児科 臨床研究部長
平成9年 岐阜大学医学部卒業、平成9年4月 岐阜大学医学部附属病院小児科 研修医、
平成10年4月~平成14年3月 岐阜大学医学部大学院小児病態学講座 大学院、
平成14年4月 岐阜大学医学部附属病院小児科 医員、平成16年4月~現在 独立行政法人国立病院機構三重病院小児科、
平成25年3月~現在 臨床研究部 アレルギー疾患治療開発研究室 室長、
平成25年4月~現在 アレルギー科医長併任、平成25年12月~現在 アレルギーセンター 副センター長併任、
平成28年5月~ 三重大学大学院医学系研究科 連携准教授併任、令和3年4月~ 三重大学医学部臨床准教授併任、
令和3年5月~ 独立行政法人国立病院機構三重病院 臨床検査科長併任、令和3年7月~現在 臨床研究部長



「3歳・6歳・12歳」は、一度立ち止まってアトピー性皮膚炎の治療を見直す大切なタイミング
アトピー性皮膚炎は、お子様の成長や生活環境の変化によって状態が変わりやすい疾患です。今回の調査結果でも、「保育園・幼稚園入園」「小学校入学」「中学校入学」「思春期」など、成長の節目で症状が悪化したと感じた保護者が一定数見られました。特に中学生のお子様では、思春期や部活動の開始などをきっかけに症状が悪化したと回答した割合が比較的高くなっています。
アトピー性皮膚炎の悪化は、必ずしも急激に起こるとは限りません。短期間で症状が悪化しやすくなったり、外用薬治療で十分な改善を感じにくくなったりするなど、じわじわとコントロール不十分な状態が進行することも多いのです。また、お子様の成長に伴ってケア負担が軽減すると考えていたものの、実際には症状管理に想定以上の負担を感じたり、不安が増えたりすることで、「悪化した」と感じる場合もあるのではないでしょうか。
今回の調査では、約7割の保護者がお子様のアトピー性皮膚炎の状態を「コントロールできている」と感じているという結果が見られました。一方で、保護者が「コントロールできている」と感じていても、医師はさらなる改善の余地があると感じることがあります。症状が十分にコントロールされていない状態が長く続くと、保護者もお子様自身も「こんなものだ」と感じ、症状に慣れてしまうことがあります。しかし、こうした状態が見直されないまま続くことは、お子様にとっても望ましくありません。
近年では、小児期から早期に適切な治療介入を行うことで、その後の経過や予後が良くなることも分かってきています。アトピー性皮膚炎は、症状がない、またはあっても軽微で日常生活に支障が少ない状態を目指せる疾患になってきています。そのため、将来を見据えて、適切なタイミングで治療を見直していくことが大切です。
治療目標(ゴール)を医師と共有できている保護者は約6割にとどまっており、より多くの医師と保護者の間で治療目標を共有されることが期待されます。医師と治療目標を共有することで、注射薬を含むさまざまな治療選択肢があることや、「つるつるもちもちの肌」を目指せる時代になっていることへの理解も広がっていくのではないでしょうか。
治療選択肢が広がっている現在、治療目標の共有は以前にも増して重要になっています。困っていることを医師と共有することで、適切な治療変更につながる可能性があります。医師に相談したいことがあっても、うまく伝えられない、相談しにくいと感じる場合には、事前にメモにまとめておく工夫も有効です。
アトピー性皮膚炎は、症状が長く続くことで、その状態に慣れてしまいがちです。だからこそ、「3歳・6歳・12歳」といった成長の節目は、一度立ち止まって治療を見直す大切なタイミングです。入園・入学、進学、思春期など生活環境が変わる時期に、「今の治療で十分コントロールできているか」「もっと良い状態を目指せないか」を、医療従事者と保護者、そしてお子様自身も交えて確認していくことが重要です。

調査概要
実施時期 2026年4月10日(金)~2026年4月23日(木)
調査方法 インターネット調査
調査対象 ・中等症以上のアトピー性皮膚炎症状があるお子様をもつ保護者 男女471名
(乳幼児のお子様の保護者:71名、未就学児のお子様の保護者:100名、小学校低学年のお子様の保護者:100名、小学校高学年のお子様の保護者:100名、中学生のお子様の保護者:100名)
あてはまるお子様が複数の場合は通院頻度が高いお子様について回答
≪本調査における中等症以上の定義≫
POEMスコア8点以上、もしくは医師から言われている重症度が中等症以上のいずれかを満たす場合
POEMスコア…最重症(25~28点)、重症(17~24点)、中等症(8~16点)、軽症(3~7点)、消失・またはほぼ消失(0~2点)
調査エリア 全国
調査委託先 株式会社エム・シー・アイ
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は湿疹の一種で、発疹をはじめとする症状を伴う慢性炎症性疾患です。中等症から重症のアトピー性皮膚炎は、広範な発疹を特徴とし、持続する激しい難治性のかゆみ、皮膚の乾燥、亀裂、紅斑、痂皮(かひ)を伴うことがあります。かゆみは、アトピー性皮膚炎の患者さんにとって最も大きな負担となり、体力を消耗させることもあります。また、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんにおいては、睡眠障害、不安や抑うつ症状が現れ、生活の質(QOL)に影響を及ぼします1 。
1 佐伯秀久,他. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024. 日皮会誌. 2024; 134: 2741-2843.

つるもちまっぷについてアトピー性皮膚炎のお子様とそのご家族に寄り添う情報サイトです。日々のケアに関する疑問や、お子様の成長に伴い変化する症状・お悩みに対して、専門医がわかりやすく解説しています。お子様一人ひとりに合った「つるつるもちもちの肌」を目指すためのお役立ち情報を提供しています。
URL:https://www.allergy-i.jp/kayumi/atopic/child/useful/tsurumochi-map/index.html





アレルギーiについて
日本国内のアレルギー疾患患者さんおよびそのご家族を対象とした、サノフィが運営するアレルギーを含む2型炎症に関する情報サイトです。アトピー性皮膚炎をはじめ、慢性特発性じんましんや気管支喘息、副鼻腔炎などの疾患と上手に付き合うために、お役立ち情報を提供しています。
URL:https://www.allergy-i.jp/
サノフィについて
サノフィは、研究開発型の AI を活用したバイオ医薬品企業であり、人々の暮らしをより良くし、力強い成長をもたらすことに尽力し ています。免疫科学領域の深い知見を活かし、世界中の何百万人もの人々の治療と予防を行う医薬品やワクチンを提供し、さら なる貢献のために革新的なパイプラインの構築にも注力しています。「人々の暮らしをより良くするため、科学のもたらす奇跡を追 求する」という使命のもと、医療・環境・社会が抱える課題に真摯に向き合い、社員と国や地域社会にとって前向きな変化を生み 出すことを目指しています。

日本法人であるサノフィ株式会社の詳細は、https://www.sanofi.co.jp をご参照ください。
調査結果詳細
1. 約9割の保護者が、子どもの入園・入学や思春期などの成長の節目を「症状が落ち着いた状態」で迎えたいと回答
今後、お子様が入園・入学や思春期などの成長の節目を迎える際に、アトピー性皮膚炎の症状が落ち着いた良い状態(コントロールされた状態)で迎えたいと思うかをお聞きしたところ、「とてもそう思う」が50.3%、「ある程度そう思う」が39.3%となり、「そう思う」と回答した保護者は89.6%にのぼりました。一方で、「あまりそう思わない」は7.4%、「まったくそう思わない」は3.0%にとどまり、生活環境が大きく変化する成長の節目において、多くの保護者がアトピー性皮膚炎の症状をできるだけ落ち着いた状態に保つことを重視していることがうかがえます。



2. 中学生の保護者の約4割が、「思春期に入った頃」にアトピー性皮膚炎の症状が悪化したと回答
お子様の成長に伴う生活環境の変化によって、アトピー性皮膚炎の症状が悪化したと感じたことがあるかをお聞きしたところ、「保育園・幼稚園への入園」で25.3%、「小学校入学」で22.7%の保護者が「悪化した」と回答しました。また、中学生のお子様の保護者では、「思春期に入った頃」で42.0%、「中学校入学」で39.0%、「課外活動の開始」に35.0%が「悪化した」と回答しました。
進学による生活リズムの変化に加え、思春期に伴う心身の変化や部活動など活動範囲の広がりが重なる時期に、症状悪化を実感する保護者が少なくないことがうかがえます。









3. 約7割の保護者が、お子様のアトピー性皮膚炎の症状を「コントロールできている」と感じている一方で、約7割が「もっと良い治療方法があるのでは」と感じている
お子様のアトピー性皮膚炎の状態について、症状をコントロールできていると感じているかをお聞きしたところ、「よくコントロールできていると感じている」が9.6%、「ある程度コントロールできていると感じている」が59.0%となり、あわせて68.8%の保護者が「コントロールできている」と回答しました。一方で、現在のお子様の治療について「もっと良い方法があるのでは」と感じることがあるかをお聞きしたところ、「強く感じている」が12.3%、「ある程度感じている」が56.1%となり、合計で68.4%の保護者がそのように感じていることが分かりました。
この結果から、多くの保護者が現在の治療で一定のコントロールを実感している一方で、現状に十分満足しているとは限らず、さらなる症状改善や、よりお子様に合った治療選択肢への期待を持っていることがうかがえます。



4. 治療を強める(薬の変更・追加など)ことについて医師に相談をしたことがある保護者は約3割にとどまり、「相談したいと思っているができていない」と回答した保護者も約3割存在
現在のお子様のアトピー性皮膚炎の治療について、薬の変更・追加など、治療を強めることを医師に相談したことがあるかをお聞きしたところ、「相談したことがある」と回答した保護者は30.6%にとどまりました。一方で、「相談したいと思っているができていない」は30.1%、「相談したことはない」は39.3%となっており、全体で69.4%が医師への相談に至っていないことが分かりました。
この結果から、治療の見直しに関心を持ちながらも相談できていない保護者が一定数存在することに加え、治療強化について医師に相談する機会そのものが十分に確保されていない可能性がうかがえます。



5. 約7割の保護者が、小児のアトピー性皮膚炎の治療に注射薬を用いる治療選択肢があることを知らないと回答
小児のアトピー性皮膚炎の治療において、注射薬(生物学的製剤/抗体医薬品/分子標的治療薬)を用いる治療選択肢があることを知っているかをお聞きしたところ、「知っている」と回答した保護者は32.9%、「知らない」と回答した保護者は67.1%でした。
この結果から、約7割の保護者が、小児のアトピー性皮膚炎における注射薬を用いた治療選択肢について認知していないことが明らかになりました。2023年9月に新しい治療選択肢が登場してから2年以上が経過するなか、まだまだ十分に情報が届いていない現状から治療に関する情報提供の重要性が示される結果となりました。



6. 治療目標について医師と共有できているとの回答は約6割
お子様のアトピー性皮膚炎の治療について、医師と「治療の目標(ゴール)」を共有できていると感じるかをお聞きしたところ、「よく共有できている」が6.2%、「ある程度共有できている」が55.6%となり、あわせて61.8%の保護者が「共有できている」と回答しました。一方で、「あまり共有できていない」は30.8%、「まったく共有できていない」は7.4%となり、38.2%の保護者は医師と治療目標を十分に共有できていないと感じていることが分かりました。
この結果から、治療選択肢が広がるなかで、治療目標を医師と保護者があらかじめ共有することの重要性がうかがえます。



7. “つるつるもちもちの肌になる”を「目指せる」と思っている保護者は約4割。中学生の保護者では「目指せないと思う」が4割超
症状に合った適切な治療を行うことで、「つるつるもちもちの肌になる状態」を目指せると思うかをお聞きしたところ、全体では41.0%の保護者が「目指せると思う」と回答しました。一方で、「目指せないと思う」は30.1%、「分からない」は28.9%となり、59.0%の保護者は「目指せる」とは回答していないことが分かりました。年代別にみると、中学生のお子様の保護者では、「目指せないと思う」が43.0%となり、「目指せると思う」の26.0%を上回りました。この結果から、お子様の年齢が上がっても症状が改善しない場合、保護者が理想的な肌状態を目指すことに対して期待を持ちにくくなっている可能性がうかがえます。
長尾みづほ先生によると、「つるつるもちもちの肌」は、かゆみ改善のさらに先にある目標として捉えられていると述べています。特に中学生で「目指せない」と考える保護者が増える背景には、情報が十分に届いていないことも影響しており、思春期の肌状態は自己肯定感や将来の選択にも関わるため、より積極的な治療介入が重要だと強調しています。



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