ダルメシアンの斑点は600万個以上!
当時のアニメーションは全て手描き。1カットごとにセル画を作っていました。
しかし『101匹わんちゃん』では99匹の子犬が走り回るというシーンが何度も登場します。
通常の技法では時間も予算も足りません。
そこで開発されたのがゼロックス・システム。アニメーション用の複写システムで、絵をコピーのようにセル画へと転写していく方法です。
ゼロックス・システムを作ったのは、アブ・アイワークス。
アブ・アイワークスは天才的なアニメーターで、ミッキーマウスの生みの親として有名です。
しかし同時に彼はアニメーションの特殊効果にも長けており、ゼロックス・システムの他にもマルチプレーン・カメラなどを発明し、アニメーションの発展に寄与しました。
当時の最新技術によって描かれたダルメシアン。
この犬種の特徴である斑点はポンゴが72個、パディータが68個。
99匹の子犬たちは平均32個の斑点があり、それらはどれも異なっています。
101匹あわせて3,308個!
劇中に彼らが登場するコマは113,760コマあり、映画全体で6,469,952個もの斑点が描かれているというから驚きです。
さらに、セル画に色を塗るのに使われた絵具は約800ガロン(約3,030リットル)、アニメーターが使い切った鉛筆の数は1,218,750本とのこと。
セル画を用いたアニメーション製作がいかに大変な作業か、そしてゼロックス・システムのような発明がいかにアニメーションの発展に貢献したかが分かります。