~七夕シーズンに増加するネックレス・アクセサリーによる肌荒れ、皮膚科医が3つの汗トラブルの見分け方を解説~
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、汗で肌がかゆくなる原因は主に3つあり、それぞれ対処法が異なります。あせも(汗疹)は汗腺の詰まりによる発疹、汗かぶれ(汗性湿疹)は汗の成分による接触皮膚炎、金属アレルギーは汗で溶け出した金属イオンによるアレルギー反応です。症状の出る部位と経過から見分けることができ、適切な治療につなげることが重要です。
・汗による肌トラブル経験者の67.3%が「あせもと汗かぶれの違いがわからなかった」と回答
・夏にアクセサリーで肌荒れを起こした経験がある人は42.0%、そのうち金属アレルギーを疑った人は58.7%
・汗トラブルで皮膚科を受診した人の78.3%が「もっと早く受診すればよかった」と回答
用語解説
■ あせも(汗疹)とは
あせもとは、汗腺(エクリン汗腺)の出口が詰まることで汗が皮膚内に溜まり、炎症を起こす皮膚疾患である。医学的には「汗疹(かんしん)」と呼ばれ、赤い小さな発疹や水疱として現れる。首、肘の内側、膝の裏など、汗が溜まりやすい部位に好発する。
■ 汗かぶれ(汗性湿疹)とは
汗かぶれとは、汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が皮膚を刺激して起こる接触皮膚炎の一種である。あせもが汗腺の詰まりで起こるのに対し、汗かぶれは皮膚表面での刺激反応であり、広範囲の赤みやかゆみ、ヒリヒリ感を特徴とする。
■ 金属アレルギー(接触皮膚炎)とは
金属アレルギーとは、汗などで溶け出した金属イオンが皮膚のタンパク質と結合し、免疫反応を引き起こすアレルギー性接触皮膚炎である。ニッケル、コバルト、クロムが三大原因金属とされ、アクセサリーや時計との接触部位に限局した症状が特徴である。
あせも・汗かぶれ・金属アレルギーの違い比較表

※一般的な目安であり、個人差があります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、七夕シーズンを迎え夏の汗トラブルへの関心が高まる中、全国の20~60代の男女300名を対象に「夏の汗による肌トラブルに関する意識調査」を実施いたしました。本調査では、多くの方が混同しがちな「あせも」「汗かぶれ」「金属アレルギー」の違いや、適切な対処法の認知度について明らかにしています。
調査背景
夏季は気温と湿度の上昇に伴い、汗による肌トラブルを訴える患者様が急増します。特に7月は浴衣でのお出かけや夏祭りなど、アクセサリーを着用する機会が増える時期でもあり、「ネックレスで首がかゆくなった」「イヤリングで耳たぶが赤くなった」といったご相談が皮膚科には多く寄せられます。しかし、これらの症状があせもなのか、汗かぶれなのか、それとも金属アレルギーなのかを正しく見分けられている方は少ないのが現状です。誤った自己判断による対処で症状を悪化させるケースも見られることから、本調査を通じて正しい知識の普及を目指します。
調査概要
調査対象:夏に汗による肌トラブルを経験したことがある全国の20~60代の男女
調査期間:2026年6月15日~6月24日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】最も多い汗トラブルは「かゆみ」で82.3%、次いで「赤み・発疹」が71.7%
設問:夏に経験したことのある汗による肌トラブルをすべて選んでください(複数回答可)

汗による肌トラブルとして最も多いのは「かゆみ」で8割以上が経験しています。かゆみは、あせも・汗かぶれ・金属アレルギーのいずれでも共通して現れる症状であり、症状だけでは原因の特定が難しいことがうかがえます。
【調査結果】67.3%があせもと汗かぶれの違いを「区別できなかった」と回答
設問:あせも(汗疹)と汗かぶれ(汗性湿疹)の違いを知っていますか?

約7割の方があせもと汗かぶれの違いを認識できていないことが明らかになりました。両者は原因も対処法も異なるため、正しい知識を持つことが適切なケアにつながります。
【調査結果】42.0%が夏のアクセサリー着用で肌荒れを経験、うち6割近くが金属アレルギーを疑う
設問:夏にアクセサリー(ネックレス・イヤリング・ブレスレット・時計など)を着用して肌荒れを起こした経験はありますか?

4割以上の方が夏のアクセサリー着用で肌荒れを経験しており、特に七夕や夏祭りなどイベントが増えるこの時期は注意が必要です。汗をかくと金属イオンが溶け出しやすくなるため、夏季は金属アレルギーの症状が出やすくなります。
【調査結果】皮膚科を受診した人の78.3%が「もっと早く受診すればよかった」と回答
設問:汗による肌トラブルで皮膚科を受診したことはありますか?

受診経験者の約8割が早期受診の重要性を感じている一方で、6割以上が市販薬での対処や放置をしています。症状が長引く場合や悪化する場合は、自己判断せず皮膚科を受診することが推奨されます。
【調査結果】金属アレルギー検査の存在を知らない人が52.7%、検査を受けたことがある人はわずか11.0%
設問:金属アレルギーかどうかを調べる検査(パッチテスト)があることを知っていますか?

金属アレルギーの確定診断に有効なパッチテストですが、半数以上がその存在を知らないことが判明しました。繰り返しアクセサリーで肌荒れを起こす方は、原因金属を特定することで適切な予防が可能になります。
調査まとめ
本調査により、夏の汗による肌トラブルについて多くの方が正しい知識を持てていない現状が明らかになりました。特に、あせもと汗かぶれの違いを理解している人は3割程度に留まり、金属アレルギーの検査があることを知らない人が過半数を占めています。一方で、皮膚科を受診した経験者の約8割が早期受診の重要性を実感しており、適切な診断と治療を受けることの大切さがうかがえます。夏のイベントシーズンを前に、3つの汗トラブルの違いを理解し、症状に応じた適切な対処を行うことが重要です。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、夏に「汗で肌がかゆい」と訴えて来院される患者様の症状は、あせも・汗かぶれ・金属アレルギーの3つに大別され、それぞれ原因も治療法も異なります。正しい見分け方を知ることが、適切なケアへの第一歩です。
あせも(汗疹)は、大量の発汗により汗腺の出口が詰まり、汗が皮膚内に溜まることで起こります。首筋や肘の内側、膝の裏など汗が溜まりやすい部位に、小さな赤い発疹や透明な水疱として現れます。涼しい環境で過ごし、肌を清潔に保つことで数日で改善することが多いです。
一方、汗かぶれ(汗性湿疹)は、汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が皮膚を刺激して起こる接触皮膚炎です。汗をかいた後に広い範囲で赤くなり、かゆみやヒリヒリ感を伴います。あせもと異なり、汗腺の詰まりではなく皮膚表面での刺激反応であるため、こまめに汗を拭き取るか洗い流すことが予防になります。
金属アレルギーは、汗で溶け出した金属イオンが皮膚のタンパク質と結合し、免疫反応を引き起こすものです。ネックレスやイヤリングなどアクセサリーとの接触部位に限局して症状が出ることが特徴で、接触後24~72時間で症状が現れることが多いです。夏は汗をかくことで金属が溶け出しやすくなるため、普段は問題ないアクセサリーでも症状が出ることがあります。
日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインでも、原因物質の特定と回避が治療の基本とされています。繰り返す症状にお悩みの方は、パッチテストで原因を特定することをお勧めします。
【エビデンス】日本皮膚科学会のガイドラインでは、接触皮膚炎の診断においてパッチテストが有用とされており、原因物質を特定することで効果的な予防が可能になると示されています。
3つの汗トラブルの見分け方
・あせも:汗が溜まる部位に小さな発疹が点在、涼しくすると改善
・汗かぶれ:汗をかく広い範囲が赤くなりヒリヒリ、汗を洗い流すと軽減
・金属アレルギー:アクセサリー接触部位のみに限局、外しても24~48時間は症状継続
夏のアクセサリー着用時の注意点
・汗をかいたらこまめに拭き取る、または一時的にアクセサリーを外す
・肌に直接触れる部分にコーティング剤を塗布する方法もある
・症状が出やすい方はチタンやサージカルステンレスなどの素材を選ぶ
皮膚科受診をおすすめする症状
・市販薬を使用しても1週間以上改善しない
・かゆみが強く睡眠に支障をきたす
・水疱が破れてジュクジュクする、または範囲が広がる
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 汗で肌がかゆいのは金属アレルギーですか?
A. 汗による肌のかゆみは、あせも・汗かぶれ・金属アレルギーのいずれかが原因であり、症状の部位と経過で見分けることができます。
本調査では、汗トラブル経験者の82.3%がかゆみを訴えており、かゆみだけでは原因の特定が難しいことがわかっています。金属アレルギーの場合は、アクセサリーとの接触部位に限局して症状が出ることが特徴です。広い範囲にかゆみがある場合は、あせもや汗かぶれの可能性が高いでしょう。症状が繰り返す場合は皮膚科での診断をお勧めします。
Q2. 汗かぶれとあせもの違いは何ですか?
A. あせもは汗腺の詰まりによる発疹、汗かぶれは汗の成分による皮膚刺激が原因で、発症メカニズムが異なります。
調査結果では67.3%の方がこの違いを認識できていませんでした。あせもは汗腺が詰まることで小さな発疹や水疱ができ、首筋や肘の裏など汗が溜まる部位に限局します。汗かぶれは汗に含まれる塩分などが皮膚を刺激して起こり、汗をかいた広い範囲が赤くなります。対処法も異なり、あせもは涼しくして汗を抑える、汗かぶれはこまめに汗を洗い流すことが基本です。
Q3. ネックレスで首がかゆくなる原因は何ですか?
A. 夏にネックレスで首がかゆくなる原因は、汗で溶け出した金属イオンによる金属アレルギーの可能性が高いです。
本調査で42.0%の方がアクセサリーによる肌荒れを経験していますが、特に夏は汗をかくことで金属が溶け出しやすくなります。ニッケルやコバルトを含むアクセサリーで起こりやすく、ネックレスの形に沿って赤くなることが特徴です。接触後24~72時間で症状が現れることが多いため、外した翌日に症状が出ることもあります。パッチテストで原因金属を特定することで、適切な素材選びが可能になります。
Q4. 金属アレルギーかどうか調べる方法はありますか?
A. 皮膚科でパッチテストを受けることで、どの金属にアレルギーがあるか正確に調べることができます。
調査では52.7%の方がパッチテストの存在を知らなかったと回答しています。パッチテストは、様々な金属試薬を皮膚に貼付し、48時間後・72時間後に反応を確認する検査です。ニッケル、コバルト、クロムなど複数の金属を同時に検査でき、原因金属を特定することで、避けるべきアクセサリーや歯科金属を明確にできます。検査を受けたことがある方はわずか11.0%でしたが、繰り返し症状がある方にはお勧めの検査です。
Q5. 夏の汗トラブルを予防する方法を教えてください。
A. 汗をこまめに拭き取る・洗い流す、通気性の良い衣類を選ぶ、金属アレルギーがある方は素材に注意することが基本です。
調査では37.3%の方が市販薬で対処していると回答していますが、予防の基本は汗を肌に長時間留めないことです。吸水性の高い下着を着用し、汗をかいたらこまめにシャワーを浴びるか、濡れタオルで拭き取りましょう。アクセサリーを着用する際は、汗をかく場面では外す、チタンやサージカルステンレスなどアレルギーを起こしにくい素材を選ぶことも有効です。それでも症状が出る場合は、78.3%の受診経験者が早期受診の重要性を感じているように、皮膚科での相談をお勧めします。
放置のリスク
・汗かぶれを放置すると、掻き壊しによる細菌感染(とびひ)を起こすことがある
・金属アレルギーを放置すると、感作が進み他の金属にも反応が広がる可能性がある
・あせもを繰り返すと、色素沈着として跡が残ることがある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・市販のかゆみ止めを1週間使用しても改善しない場合
・症状が広がっている、または水疱がジュクジュクしている場合
・アクセサリーの形に沿った赤みや腫れが見られる場合
・同じ症状が毎年夏に繰り返し起こる場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科・形成外科の専門知識を持つ医師が在籍し、あせも・汗かぶれ・金属アレルギーの正確な診断が可能
・症状に応じた外用薬・内服薬の処方から、重症例へのアプローチまで幅広く対応
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で土日診療も実施、仕事帰りや休日の受診にも便利
・パッチテストによる金属アレルギーの原因特定にも対応可能
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