公益財団法人山田進太郎D&I財団(以下、当財団)は、2026年5月21日に、東京都港区の株式会社CARTA HOLDINGSとの共催で、中高生女子向けのSTEM(理系)領域のツアー型体験プログラム「Girls Meet STEM」の参画企業・大学などが集う「Girls Meet STEM Summit 2026」(以下、サミット)を開催しました。

 本サミットでは、2025年度の「Girls Meet STEM」に関する実施報告とその成果を共有するとともに、260を超える企業・大学・高等専門学校(以下、高専)が参画する2026年度の事業拡大の方針や、新たな取り組みについて発表しました。



 また、「ウーマノミクス」の提唱者として知られるMPower Partners ゼネラル・パートナーのキャシー松井氏を迎えたゲストセッションを通じて、産官学が協力してSTEM分野のジェンダーギャップ解消に取り組む意義を共有しました。
 当日は別会場で十文字中学・高等学校の高校1年生が現役女性エンジニアと交流する「Girls Meet STEM」のデモツアーも並行して実施したほか、参画企業・大学・団体間での活発な情報交換や交流も行われ、理系人材の採用や育成といった共通の課題を持つ企業・大学・団体同士の横のつながりが深まりました。


■「Girls Meet STEM Summit 2026」開催概要
開催日時:2026年5月21日(木)13:00~15:30
開催場所:株式会社CARTA HOLDINGS(東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズステーションタワー36F)
参加者:「Girls Meet STEM」参画企業・参画大学・自治体などの関係者(80機関超)


■主催者あいさつ
 冒頭では、当財団代表理事の山田進太郎が登壇し、奨学助成金事業を通じて、STEM分野で学ぶ大学生や働く社会人との出会いが中高生にとって理系進路を考える大きなきっかけになると実感したことから、2024年に企業や大学の協力を得て「Girls Meet STEM」を立ち上げた経緯を話しました。



 2024年度に16社でスタートした取り組みは、今年度は260を超える企業・大学・高専の参画へと広がっています。一方で、2025年度は8,962名の中高生女子が参加したものの応募は13,000名近くにのぼり、関心を持つ生徒に機会を届け切れていないことを課題として挙げました。そのうえで、より多くの女子生徒に機会を届け、この取り組みを社会全体のムーブメントへと広げていきたいと語りました。


■事業アップデート(2025年度の実施報告と2026年度の展開)
 続いて、当財団常務理事COOの石倉秀明より、財団の取り組みと事業の最新状況を説明しました。当財団はSTEM分野におけるジェンダーギャップの解消を重点施策の一つに掲げ、2035年までに大学入学者のうち、STEM分野の女性比率を28%(2021年のOECD平均、財団調べ)まで引き上げることを目標としています。日本の女子生徒は数学・科学で世界トップクラスの学力を示す一方、理工系学部への進学率はOECDで最下位水準にとどまっており、その背景には能力差ではなく、進路選択の段階での情報や体験機会の不足という構造的な課題があることを強調しました。



 そのうえで、国内外の研究を踏まえ、身近で多様なロールモデルとの接触が女子生徒の理系進路への意向を高めること、また「STEMを好きになる」こと以上に「自分にもできそう」という自信を持てることが理系選択を後押しすることを説明しました。

 2025年度は企業・大学・高専あわせて171団体が参画し、約9,000名の中高生女子が参加しました。参加者は非参加者と比較して、理系を選択する意向(5点満点)が平均0.55ポイント高く、また「STEM系学部に進学できる」という自信(10点満点)は参加後に平均1.0ポイント上昇するなど、とりわけ自信の面で大きな伸びが見られたことを紹介しました。



 2026年度は企業・大学・高専あわせて263(5/21時点)団体が参画し、参加者数は約17,000名を目標に、12の自治体と連携して全国へ機会を広げる方針を発表しました。あわせて、オンラインでSTEM領域で働く女性社員の話を聞ける「STEM Day」(8月26日)や、国際ガールズ・デー(10月11日)付近で全国の中学・高校でキャリア講演(出張授業)を開催する「STEM Week」(約50校で開催予定)など、新たな取り組みも紹介しました。





■ゲストセッション「女性の力が日本を動かす~産官学連携で挑むジェンダーギャップ解消への可能性」
ゲスト:MPower Partners Fund L.P. ゼネラル・パートナー キャシー松井氏
ファシリテーター:山田進太郎D&I財団常務理事COO 石倉秀明

 ゲストセッションでは、1999年に「ウーマノミクス」を提唱し、女性の経済参画と経済成長の関係について長年発信を続けてきたキャシー松井氏を迎え、石倉とのQ&A形式で、日本社会におけるダイバーシティや次世代育成の可能性について語り合いました。



 松井氏は、2013年に政府が成長戦略の一環として女性の経済参画を掲げたことを契機に、ダイバーシティが人権や平等の文脈だけでなく経済・経営の文脈で語られるようになったと振り返りました。日本の女性就業率はかつて先進国で最も低い水準にあったものの、現在は7割近くまで上昇し、欧米を上回る一方、意思決定層に占める女性の割合や雇用形態には依然として課題が残ると述べました。

 また、取締役会に占める女性役員の割合が高い企業ほどROE(自己資本利益率)が高い傾向にあること、女性就業率の高い国や都道府県ほど出生率も高い傾向にあることなど、データに基づく分析を紹介し、ダイバーシティを経済合理性の観点から捉える重要性を語りました。さらに、創業初期からジェンダーの多様性が高いチームほどパフォーマンスが高いという研究結果にも触れました。

 そのうえで、ジェンダーギャップの解消は「スプリントではなくマラソン」であり、政府・民間・教育(社会)が三者で連携して取り組むことが不可欠であると述べ、「Girls Meet STEM」のような産官学連携の取り組みの意義を強調しました。最後に「見えるものにしかなれない(You can only be what you can see)」という言葉とともに、身近なロールモデルの存在が次世代の母数を広げていくとのメッセージが語られました。


■「Girls Meet STEM」デモツアー
 同日には、参画企業の協力による「Girls Meet STEM」のデモツアーも実施しました。ツアーには十文字中学・高等学校(東京都豊島区)の高校1年生17名が参加し、株式会社テレシー(CARTAグループ)のデータサイエンスエンジニア、大竹聡子氏・欧陽江卉氏らによるパネルディスカッションや座談会を通じて、AIやデータサイエンスの仕事内容や多様なキャリアに触れました。STEM領域で働く女性と直接話すことで、生徒が理系の仕事を具体的にイメージできる機会となりました。





■情報交換・交流会
 最後に、参画企業・大学・団体による情報交換・交流会を実施しました。理系人材の採用や育成における共通の課題や、各社の取り組みの工夫などについて率直に語り合う場となり、「他業種でダイバーシティを推進する方々と横のつながりが広がった」「理系女性の採用に各社が苦慮しており、こうした連携の重要性を感じた」といった声が聞かれました。



 「Girls Meet STEM」は、今後も全国の中高生女子にSTEM領域におけるさまざまな可能性・選択肢を届けるべく、参画企業・大学・団体や自治体とともに体験機会を拡充してまいります。本サミットを通じて得られた知見やネットワークを生かし、より良いプログラム運営につなげてまいります。


■「Girls Meet STEM」への参画について
 「Girls Meet STEM」では、新たにご参画いただける企業・大学・高専を募集しています。
ご関心をお持ちの方は、以下までお問い合わせください。

参画に関するお問い合わせ(企業・大学・高専共通):
https://share.hsforms.com/2mZnzIiyZQZWKpO8pp5Txlwr8gla


■「Girls Meet STEM」について
 「Girls Meet STEM」は、当財団が高専や大学、企業・研究機関と協力して実施する、中高生女子向けのSTEM(理系)領域のツアー型体験プログラムです。高専や大学のキャンパス・研究室や企業のオフィスを訪問し、実際のSTEM(理系)の現場を体験するとともに、大学生や大学院生、社会人女性との交流を通じて、進学やキャリアへの可能性を広げます。

「Girls Meet STEM」プログラム公式ウェブサイト:
https://gms.shinfdn.org/


■公益財団法人山田進太郎D&I財団について
 D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進を通じて、誰もが能力を発揮できる社会を目指し、2021年7月にメルカリCEO山田進太郎によって設立された公益財団法人です。特にSTEM(理系)のジェンダーギャップに注目し、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援する事業を展開しています。

代表理事:山田 進太郎(株式会社メルカリ 代表執行役 CEO)
設立年月日:2021年7月1日(木)

公益財団法人山田進太郎D&I財団公式ウェブサイト:
https://shinfdn.org/


【一般のお問い合わせ先】
公益財団法人山田進太郎D&I財団事務局
Eメール:info@shinfdn.org
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