一般社団法人新経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:三木谷浩史、以下「新経連」)は、内閣官房「『地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律(以下、「地方大学・産業創生法」)』の施行状況の検討等に係る有識者会議」にて期限延長の議論がなされている、東京23区内に所在する大学の学部に対する収容定員の抑制について、以下のとおり意見を表明します。



1.概要
 東京23区内に所在する大学の学部に対する収容定員増を抑制する規制は、イノベーションの源泉である大学の国際競争力、ひいては我が国の産業競争力や科学技術力を減退させる要因になりかねないため、撤廃すべき。

2.意見
 昨今の教育・研究活動のグローバル化に伴い、我が国の大学も諸外国の高等教育機関との競争に晒され、不断の向上が求められる中、地方大学・産業創生法により、東京23区内に学部を置く大学のみを対象とする学部の定員規制により、本来自由であるべき大学の経営に対して制約が課されている状況にある。
 東京23区内には国内有数の大学が集まるところ、本規制により、データサイエンス等に関連する成長分野の新学部設置や文理融合を目指すキャンパスの再編の断念がみられるなど、現代社会のニーズに合わせた人材育成やイノベーションの創出促進のための改革が実際に妨げられている(※1)。
 また、本規制は、地方創生の考え方をもとに地方から東京への学生の流出を抑制し、地方の大学への進学率を上げるために導入されたが、地方における自県就職率の向上や地方大学への進学率増加といった効果は確認されていない(※2)。

(※1)本規制については、「高度なデジタル人材」の育成を目的とする理学・工学関係の学部等に
対して定員増の特例要件が定められているものの、7年以内に大学全体の定員を元に
戻さなければならないことや「DXを学ぶ文系学部」は定員増の対象外であるなど、厳しい
要件が設定されており、活用は難しい。
(※2)2026年6月東京都「東京23区の大学定員規制について」より引用。

 新経連は、抜本的な改革により日本経済の活力向上を目指す「Japan Transformation(JX)」を理念として掲げ、日本をグローバル競争に打ち勝ち、「人・知・財」が世界から集まる国にする必要性をこれまでも訴えている。
 大学は世界をリードする人材の育成や、イノベーティブな研究を通じて知財を創出する源泉であるところ、本規制は、立地のみを理由として東京23区内に学部を置く大学に対して制限を課すことで、学生の進学における選択肢や大学の経営の自由を縛っており、人材育成や知財創出の妨げとなっている。
 東京23区には国内有数の大学が集まることから、本規制は、国内の大学の総合的な国際競争力、ひいては我が国の産業競争力や科学技術力にも影響を与え得るものである。にもかかわらず、2028年3月までの時限措置とされている本規制について、現在、延長の議論がなされていることは看過できない。
 本規制は、その効果を疑問視せざるを得ないばかりではなく、このように大学の国際競争力、ひいては我が国の産業競争力や科学技術力を減退させる要因になりかねないことから、速やかに撤廃すべきである。

以上
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