~全国の小学生以下の子どもを持つ保護者300名を対象にした意識調査を実施~
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、プールでうつる代表的な肌の病気は「ウイルス性いぼ(尋常性疣贅)」と「水いぼ(伝染性軟属腫)」です。子どものいぼは自然治癒することもありますが、6ヶ月~2年以上かかることが多く、その間に数が増えたり他の部位や家族に感染するリスクがあります。いぼの治療は皮膚科で行い、液体窒素療法が一般的な治療法として広く実施されています。
・保護者の76.3%がプールで感染する皮膚疾患について正しい知識を持っていない
・子どものいぼを「自然に治る」と誤解している保護者が58.7%存在
・いぼの適切な受診先を「皮膚科」と正しく回答できたのは全体の43.0%にとどまる
用語解説
■ ウイルス性いぼ(尋常性疣贅)とは
ウイルス性いぼ(尋常性疣贅)とは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚の小さな傷から侵入して感染することで生じる良性の皮膚腫瘍である。表面がざらざらした硬い突起として現れ、手足の指や足の裏に好発する。プールや公衆浴場など素足で歩く場所での感染が多い。
■ 水いぼ(伝染性軟属腫)とは
水いぼ(伝染性軟属腫)とは、伝染性軟属腫ウイルスが原因で発症する皮膚感染症である。光沢のある1~5mm程度の丘疹が特徴で、中央にくぼみがある。直接接触やタオルの共用、プールのビート板などを介して感染が広がりやすい。
■ 液体窒素療法(冷凍凝固療法)とは
液体窒素療法とは、マイナス196度の液体窒素を患部に噴霧または綿棒で塗布し、ウイルスに感染した組織を凍結壊死させる治療法である。いぼ治療の標準的な方法として保険適用で行われ、1~2週間ごとに複数回の治療を繰り返すことで効果を発揮する。
ウイルス性いぼと水いぼの比較

※一般的な目安であり、個人差があります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、夏休み直前の時期に合わせ、全国の小学生以下の子どもを持つ保護者300名を対象に「子どもの肌トラブルとプール感染症」に関する意識調査を実施しました。本調査では、プールを介して感染するウイルス性いぼ(尋常性疣贅)や水いぼ(伝染性軟属腫)に対する保護者の認知度や対処法について調べています。
調査背景
夏休みシーズンを迎え、子どもたちがプールや海水浴場で過ごす機会が増加します。しかし、プールは楽しい遊び場である一方、素足で歩くことが多く、ウイルス性いぼや水いぼなどの皮膚感染症が伝播しやすい環境でもあります。当院にも夏から秋にかけて子どものいぼに関する相談が増加する傾向があり、早期発見・早期治療の重要性と正しい知識の普及が求められています。そこで、保護者のプール感染症に対する認知度と対処行動の実態を把握するため、本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:全国の小学生以下(0~12歳)の子どもを持つ20~50代の保護者
調査期間:2026年7月1日~7月10日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】保護者の76.3%がプールで感染する皮膚疾患を「知らなかった」と回答
設問:プールや公衆浴場で感染しやすい皮膚疾患として「ウイルス性いぼ」や「水いぼ」があることを知っていましたか?

プールや公衆浴場で感染するいぼについて「詳しく知っていた」と回答した保護者はわずか8.7%にとどまりました。一方で「あまり知らなかった」「全く知らなかった」を合わせると76.3%に達し、夏休み前に正しい知識を普及する必要性が明らかになりました。
【調査結果】「しばらく様子を見る」が最多の41.7%、早期受診意向は3割未満
設問:お子さんにいぼのような症状が見つかった場合、どのように対処しますか?

いぼを発見しても「しばらく様子を見る」という回答が41.7%と最多でした。「自然に治ると思うので何もしない」と合わせると53.0%の保護者が積極的な対処を行わない可能性があり、その間に症状が悪化したり感染が広がるリスクがあります。
【調査結果】58.7%が「自然に治る」と誤解、治療が必要なケースの見逃しリスク
設問:子どものいぼは自然に治ると思いますか?

「すべて自然に治る」「多くの場合自然に治る」と回答した保護者が合計58.7%でした。確かに自然治癒するケースもありますが、6ヶ月から2年以上かかることも多く、その間に数が増えたり他者への感染源となる可能性があることは十分に認識されていません。
【調査結果】正しく「皮膚科」と回答できたのは43.0%のみ
設問:子どものいぼの治療は何科で受けるべきだと思いますか?

いぼの治療は皮膚科が適切ですが、正しく回答できた保護者は43.0%にとどまりました。32.7%が小児科と回答しており、小児科でも対応可能な場合はあるものの、専門的な治療が必要なケースでは皮膚科への受診が望ましいことが十分に周知されていない状況です。
【調査結果】「特に何もしていない」が最多の38.7%、予防意識の向上が課題
設問:プールや公衆浴場でのいぼ感染を予防するために実践していることはありますか?(複数回答可)

感染予防について「特に何もしていない」との回答が38.7%と最多でした。プール後の足洗いや器具の共用を避けるなどの基本的な予防策を実践している保護者は限定的であり、夏休み前に予防法の周知を行うことが重要です。
調査まとめ
本調査により、プールで感染するウイルス性いぼや水いぼについて、保護者の認知度が極めて低い実態が明らかになりました。76.3%の保護者がプール感染症を知らず、58.7%がいぼは自然に治ると誤解しています。また、いぼの適切な受診先を皮膚科と正しく認識している保護者は43.0%にとどまり、予防対策を何も行っていない家庭も38.7%に上りました。夏休みを前に、ウイルス性いぼの感染経路、早期治療の重要性、正しい受診先について、保護者への啓発を進める必要があります。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、夏休み明けから秋にかけて子どものウイルス性いぼの相談は明らかに増加します。プールでの感染を完全に防ぐことは難しいですが、早期発見・早期治療により治療期間を短縮し、感染拡大を防ぐことが可能です。
ウイルス性いぼ(尋常性疣贅)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚の微小な傷から侵入して発症します。プールサイドや更衣室の床、ビート板などを介して感染することが多く、特に子どもは皮膚のバリア機能が未成熟なため感染しやすい傾向があります。
調査では58.7%の保護者が「自然に治る」と回答しましたが、これは一部正しいものの注意が必要です。確かに免疫の働きにより自然治癒することもありますが、それには6ヶ月から2年以上かかるケースも珍しくありません。その間にいぼの数が3倍以上に増殖したり、他の部位や家族に感染が広がるリスクがあります。
治療法としては、液体窒素療法(冷凍凝固療法)が保険適用の標準治療として広く行われています。マイナス196度の液体窒素でウイルスに感染した組織を凍結壊死させる方法で、1~2週間ごとに複数回の治療を行います。痛みを伴うため小さなお子さんには負担になることもありますが、外用薬(サリチル酸製剤など)との併用や、レーザー治療などの選択肢もあります。
予防としては、プール後に足をよく洗って乾燥させること、タオルやビート板の共用を避けること、皮膚に傷がある時はプールを控えることが基本です。お子さんの手足、特に指の間や足の裏にざらざらした硬い突起を見つけたら、早めに皮膚科を受診してください。
【エビデンス】日本皮膚科学会のガイドラインでは、尋常性疣贅の治療として液体窒素療法が第一選択として推奨されています。皮膚科医としての臨床経験では、いぼの初期段階で治療を開始した場合、2~3ヶ月で治癒することが多い一方、数ヶ月放置してから受診された場合は治療に半年以上かかるケースも少なくありません。
プールでの感染予防策
・プール後は足を石鹸でよく洗い、しっかり乾燥させる
・タオル、ビート板、浮き輪などの共用を避ける
・皮膚に傷や湿疹がある時はプールを控える
・爪を短く切り、皮膚を傷つけないようにする
早期受診が必要なサイン
・いぼの数が増えてきた
・いぼのサイズが大きくなってきた
・足の裏にできて歩行時に痛みがある
・家族に同様の症状が出てきた
受診時に伝えていただきたいこと
・いぼに気づいた時期
・最近プールや公衆浴場を利用したか
・家族に同様の症状がある人がいるか
・これまでに行った対処法(市販薬の使用など)
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. プールでうつる肌の病気にはどんなものがありますか?
A. 代表的なものはウイルス性いぼ(尋常性疣贅)と水いぼ(伝染性軟属腫)です。
プールサイドや更衣室の床、ビート板などを介してヒトパピローマウイルスや伝染性軟属腫ウイルスが感染します。今回の調査では、これらの感染症について76.3%の保護者が「あまり知らなかった」「全く知らなかった」と回答しており、認知度の低さが明らかになりました。その他にも、水虫(白癬菌)やとびひ(伝染性膿痂疹)なども注意が必要です。
Q2. 子どものいぼは自然に治りますか?
A. 自然治癒することもありますが、6ヶ月~2年以上かかり、その間に増殖・感染拡大のリスクがあります。
免疫の働きにより自然に治ることはありますが、治癒までの期間は個人差が大きく、長期化するケースも少なくありません。調査では58.7%の保護者が「自然に治る」と考えていましたが、待っている間にいぼの数が増えたり、他の部位や家族への感染が広がるリスクがあります。早期に治療を開始すれば2~3ヶ月で治癒することも多いため、皮膚科への早期受診をお勧めします。
Q3. 子どものいぼは何科を受診すればいいですか?
A. いぼの治療は皮膚科が適切です。
調査では正しく「皮膚科」と回答できた保護者は43.0%にとどまり、32.7%が「小児科」と回答しました。小児科でも対応可能な場合はありますが、液体窒素療法などの専門的な治療は皮膚科で行われます。特に、いぼの数が多い場合や治りにくい場合は、皮膚科での治療が効果的です。お子さんの症状に気づいたら、まず皮膚科を受診することをお勧めします。
Q4. いぼの治療はどのくらいの期間がかかりますか?
A. 早期治療なら2~3ヶ月、放置後の治療では半年以上かかることもあります。
標準的な液体窒素療法では、1~2週間ごとに通院して治療を繰り返します。いぼが小さく数が少ない初期段階で治療を始めれば、2~3ヶ月で治癒することが多いです。しかし、数ヶ月放置して大きくなったり数が増えてから受診した場合は、治療期間が半年以上に延びることも珍しくありません。調査では41.7%が「しばらく様子を見る」と回答しており、この間に症状が進行するリスクがあります。
Q5. いぼの治療は痛いですか?子どもでも受けられますか?
A. 液体窒素療法は痛みを伴いますが、お子さんでも受けられる治療法や工夫があります。
液体窒素療法は凍結による痛みがあり、小さなお子さんには負担になることがあります。しかし、貼り薬タイプの麻酔を使用したり、痛みの少ない外用薬(サリチル酸製剤など)を併用したりする方法もあります。治療法はお子さんの年齢やいぼの状態によって選択しますので、痛みに対する不安がある場合は、受診時に皮膚科医に相談してください。
放置のリスク
・放置すると6ヶ月~2年以上治らない場合があり、その間にいぼの数が3倍以上に増殖することがある
・同居する家族や友人への感染源となり、感染が広がる可能性がある
・足の裏のいぼは歩行時に痛みを伴い、日常生活に支障をきたすことがある
・長期間放置すると治療期間が長期化し、通院の負担が増える
こんな方はご相談ください|受診の目安
・手足の指や足の裏にざらざらした硬い突起を見つけたとき
・いぼの数が増えてきた、またはサイズが大きくなってきたとき
・足の裏のいぼで歩行時に痛みがあるとき
・家族に同様の症状が出てきたとき
・市販薬を2週間以上使用しても改善しないとき
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の首都圏6院で土日も診療可能
・皮膚腫瘍・皮膚外科領域で豊富な治療経験を持つ医師が在籍
・液体窒素療法をはじめ、お子さんの状態に合わせた治療法を提案
・保険診療に対応し、治療費の負担を抑えた診療が可能
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
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アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
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