レイ役の黒羽麻璃央

 ファッション誌の編集部を舞台に、全力で「カワイイ」を作る人たちを描いたお仕事ドラマ「プリティが多すぎる」。日本一「カワイイ」俳優・千葉雄大が主役を務める本作で、原宿のカリスマショップ店員レイを演じるのは黒羽麻璃央だ。ミュージカル『刀剣乱舞』など2.5次元ミュージカルのヒット作に出演し、絶大な人気を誇る黒羽が、本作ではそのイメージを覆すジェンダーレスな男子を熱演する。黒羽に本作での役柄について、そして映像作品に出演する思いを聞いた。

-レイは、これまでの黒羽さんの印象とは全く違う役柄なので驚きました。

 世の中に衝撃を与えたかったんで(笑)。

-ルックス的にもかなりインパクトがある役ですが、演じるにあたって、どんなことを意識されましたか。

 僕が演じるレイは、主演の千葉(雄大)くんの背中を押す存在で、「カワイイの第一人者」的な人物です。だから、僕がかわいくないと説得力がないので、髪の毛を染めて、マニュキュアも塗って、自分が思い描くレイに近づけるように努力しました。実は僕、髪の毛を染めたのは、高校生のときにお仕事でして以来なんです。今回は、そのときよりもさらに明るい色で、3、4回、色を抜きました。

-実際に、レイの衣装を着たご自分を見て、いかがでしたか。

 「カワイイ」(笑)。レイはジェンダーレス的な要素を持ち、ひたすら「カワイイ」を追求していますが、自分で言うのも何ですが、案外、僕もイケてるんじゃないかなと(笑)。千葉くんの「カワイイ」というポストを狙おうかな(笑)。

-レイ役を演じるに当たって、参考にした人はいますか?

 とまんです。彼とは(地元が一緒の)同級生で、高校生のときから遊んでいた“イツメン”なんです。それこそジェンダーレスで、今、原宿でカリスマ的な存在なので、参考にしました。実は撮影中に、とまんと電話で話す機会があったので、「おまえを参考にしているよ」と伝えたら、彼もすごく楽しみにしてくれていました。でも、まさか同級生をモデルにする日がくるとは思わなかったです(笑)。

-黒羽さんは舞台でも活躍していますが、映像の仕事についてはどのように考えていますか。

 基本的に、僕はテレビに出ることが好きなんです。お茶の間で、テレビに出ている自分を見るというのが、すごく不思議で、それが好きなんです。もともと、芸能の仕事をしたいと思ったのも、テレビや映画に出演されている方を見て、すてきだと思ったことがきっかけだったので、原点という意味でもテレビの仕事はしていきたいです。舞台は舞台で僕の基盤を作ってくれた場所で、そこは忘れたくないし、何より舞台も好きなので、これからももちろん、続けていきたい。いいバランスでお仕事をしていけたらと思っています。

-そもそも、芸能界に憧れるきっかけとなった作品が何かあったんですか。

 作品というよりは、ジャニーズですね。ジャニーズJr.になりたくて、小学生のときに応募しようかと思っていたんですが、その当時は野球に力を注いでいたので応募できなかったんです。それから、高校生になって、野球も辞めていたし、何か思い出に残ることをしたいと思ったときに、友人から「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のことを聞いて、受けてみようと思ったことがきっかけになりました。
 「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」は、芸能界に入る手段の一つというよりも、単純にコンテストを楽しむという思いで受けたのですが、それでも、2次審査で東京に来て、会場に入った瞬間に心が折れました(笑)。みんな、かっこいい、僕は無理だ、帰ろうと思いました(笑)。でも、ありがたいことにそのコンテストで準グランプリを受賞できて、その後もお仕事を頂けて今に至っている感じです。

-今は、映像に、舞台にと、本当にお忙しいですよね。次々にお仕事がある方が好きなタイプですか。

 仕事が詰まっている方が好きではあるんですが、休むことも大事だなって、最近、痛感しています(笑)。やっぱり僕は電池では動いてないんだなって(笑)。でも、20代のうちは忙しい方がいいんだと思います。その忙しさが自分の自信やキャリアにつながると思うので。仕事をしたらしただけ力になって、無駄になることは何一つない。どんな仕事も、自分にとってプラスになると思うので、いろいろなことに挑戦したいと思っています。

-本作がファッション誌の編集部を舞台としているということにちなんで、黒羽さんのファッションについてもお聞かせください。私服では、どんなこだわりをお持ちですか。

 これは、ファッションだけでなく、存在や生き方としても言えることですが、僕は、第三者が見て「この人いいな」と思う人物でいたいという思いが強いんです。だから、自分を常に客観視して、「自分がもし女だったら、こういう人と付き合いたい」と思うような男だったり、「こんな男だったらかっこいいな」と思う男になりたい。ファッション自体にこだわりがあるというよりも、その理想像を追求しているので、その時々で、ファッションのテイストは違う気がします。

-では、好きな女性のファッションは?

 マフラーやスカーフに顔が埋もれていたらすごくポイントアップします。男は結局、あざといのが好きなんです(笑)。

-では、最後に視聴者にメッセージを。

 このドラマはいろいろな人が「カワイイ」を追求していくドラマです。何かを一生懸命追い駆けている姿を見ることで、大事なことに気付かせてくれるドラマでもあると思います。ファッションも人生も勉強になると思うので、ぜひご覧ください。そして、レイくんを愛してください!

 「プリティが多すぎる」は毎週木曜深夜0時59分から日本テレビ系で放送。

(取材・文・写真/嶋田真己)