MoMA収蔵《An Expression》から初公開の新作《土佐琳派:気韻生動》まで、音・空気・振動・重力・流体が像を生む約40年の実践を総覧
現代美術家 土佐尚子展実行委員会
2026年11月7日(土)から11月22日(日)まで、京都市京セラ美術館 本館1階「光の広間」にて、「現代美術家 土佐尚子展」を開催します

《白韻生動》White Resonance in Motion
■筆を介さず、自然の力に像を生ませる--土佐尚子、約40年の実践を総覧
現代美術家・土佐尚子は、2026年11月7日から22日まで、京都市京セラ美術館「光の広間」にて個展を開催します。
本展は、1985年に制作され、2011年にニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵された《An Expression》から、本展で初公開する新作《土佐琳派:気韻生動》まで、約40年にわたる創作の軌跡をたどる大規模個展です。
今日、「生成」をめぐる議論が生成AIを中心に展開される一方、土佐は1980年代から一貫して、感情、身体、音、自然現象、人工生命、カルチュラル・コンピューティングを横断しながら、像はいかにして生まれるのかという根源的な問いに取り組んできました。
土佐の作品において、作家は自然を描写するのではありません。音、空気、振動、重力、流体といった目に見えない力を作用させ、自然現象そのものに像を生成させます。そして、高速カメラによって、人間の眼では捉えることのできない一瞬を可視化します。
そこでは、カメラは単なる記録装置ではなく、筆に代わる制作装置となります。本展は、筆を介さずに日本絵画は成立し得るのかという問いを通して、絵画、映像、テクノロジーの境界を再考するものです。
土佐は、日本文化に内在する非対称性、余白、うつろい、気韻生動といった美意識を、様式として引用するのではなく、像を生み出す「生成の原理」として再解釈してきました。1980年代のビデオアートから、音と流体による《Sound of Ikebana》、自然現象を扱う《Genesis》《うつろひ》、そして金地と生成する形態を結びつけた新作《土佐琳派:気韻生動》へ。その展開を通して、土佐が追究してきた「かたちが生まれる条件とシステム」を明らかにします。
会場では、MoMA収蔵《An Expression》、初期作品《ECSTASY》をはじめ、《Sound of Ikebana》《Genesis》《うつろひ》などの代表作を展示します。日本文化に蓄積されてきた生成的な知と現代テクノロジーを接続し、メディアアートによって日本絵画をいかに更新できるのかを問いかけます。

ECSTASY

Sound of Ikebana

Genesis Red

うつろひ

山水
■音、身体、流体、重力、偶然、かたちが生まれる条件をめぐる探求を表現
土佐の関心は、一貫して完成されたイメージには向けられておらず、彼女が扱ってきたのは、音、身体、流体、重力、偶然といった、かたちが立ち上がる以前の力の動きそのものです。作品とは完成された対象ではなく、現象が発生するための条件であり、世界が生成する瞬間を経験するための場であると考えています。
1986年、MoMAキュレーターのバーバラ・ロンドンが企画した「NEW VIDEO JAPAN」への参加以降、土佐はビデオアート、インタラクティブアート、人工生命、カルチュラル・コンピューティングへと領域を横断しながら、生成をめぐる表象的実践を展開してきました。
本展では、「四季」「身体」「音」「花」「水」「宇宙」を軸に構成された展示空間を通じて、日本文化の根底に横たわる生成の理論を現代美術の視点から提示します。

出典)https://www.moma.org/artists/35581-naoko-tosa

※新作の音を可視化して表現した作品:土佐琳派: 気韻生動 30点の内7点

※新作の音を可視化して表現した六曲一双の屏風作品(一部):土佐琳派による「風神」
■開催概要
【展覧会名】現代美術家 土佐尚子展
【会期】2026年11月7日(土)~11月22日(日)
【開館時間】10:00~18:00
【休館日】月曜日
【会場】京都市京セラ美術館 本館1階 光の広間
【入場料】無料
【主催】現代美術家 土佐尚子展実行委員会
【協賛】株式会社ミマキエンジニアリング、有限会社グローバルステージ https://gloval-stage.com/
【後援】京都府、京都市、京都大学防災研究所 土佐ラボ
【公式サイト】https://naokotosa.co.jp/ja/
■土佐尚子略歴(公式サイト:https://naokotosa.co.jp)

1961年生まれ、ニューヨークと京都を拠点に活動。
1980年代初頭、アーティスト中谷芙二子が設立したビデオギャラリーSCANで開催されたビデオアートの公募展で2つの賞を受賞したことをきっかけに現代美術家のキャリアをスタート。
その後、バーバラ・ロンドンがキュレーションを務めたニューヨーク近代美術館(MoMA)での展覧会「NEW VIDEO JAPAN」で国際的なデビューを果たした。
土佐は、宇宙における「生成の原理」に焦点を当て、日本の美意識を構造として再解釈する手法である「カルチュラル・コンピューティング」を提唱した。土佐作品の特徴は、創造と研究の間を行き来しながら、音、身体、自然現象に隠された日本美をテクノロジーを用いて形態を取り出し、作品に結集したことにある。
1990年代:武蔵野美術大学映像学科で教育に携わる傍ら、ATR(国際電気通信研究所)でメディア統合とコミュニケーションに関する研究を行う。
1999年:人工知能を用いた感情音声対話に関する研究で、東京大学より工学博士号を取得。
2001年~2004年:マサチューセッツ工科大学(MIT)先端視覚研究センター(CAVS、現在は芸術、文化、技術のMITプログラムとして知られている)で、アーティストフェローとして芸術とテクノロジーに関する研究を行った。この期間に作品「ZENetic Computer」を制作した。
2005年~現在:京都大学にて教育・研究に従事。現在は防災研究所(DPRI)にて、流体を用いた自然現象と人間との関係性に関する表現について研究中。
2025年大阪・関西万博のFuture Life Experienceパビリオンにて、体験型作品Zero Gravity Artを常設展示。
2026年2月Japan Society NYで伝統的な日本の美意識を最新テクノロジーにより構造化し、普遍的な情動や祈りの表象へと昇華させた「カルチュラル・コンピューティング」の実践としてコスチュームを創作したパフォーマンスを実施。
初期のキャリアでは、ビデオアート、インタラクティブアート、AIを通して、音、身体、無意識の関係性を探求。 1997年にロレアル大賞グランプリを受賞し、2004年にはユネスコとの関連でZENetic Computerが高く評価される。
2016年には、文化庁から2016年度文化交流使の任命を受け、8カ国10都市を表敬訪問。その中で訪れたNYではタイムズスクエアでSound of Ikebana(Spring) を発表し、文化交流として都市空間における生成型ビデオ表現の可能性を示した。

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