皮膚科医が解説する夏の汗トラブル対策と正しいケア方法
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、夏の頭皮のにおい対策には『洗髪方法の見直し』と『頭皮の保湿ケア』が重要です。フェイスラインの肌荒れは、汗や皮脂による刺激とマスク・髪の毛の接触が主な原因であり、こまめな汗の拭き取りと保湿が基本対策となります。汗で顔がかゆくなる原因は、汗に含まれる塩分やアンモニアが皮膚を刺激するためで、放置すると汗荒れ(汗疹や接触皮膚炎)に発展する可能性があります。
・夏の頭皮のにおいが気になる人は全体の78.3%、特に午後以降に気になる人が最多
・フェイスラインの肌荒れ経験者の52.0%が『汗をかいた後のケア不足』を原因と認識
・汗による顔のかゆみを経験した人の67.3%が適切な対処法を知らないと回答
用語解説
■ 汗荒れ(あせあれ)とは
汗荒れとは、汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が皮膚を刺激することで生じる皮膚炎である。正式には「汗による接触皮膚炎」と呼ばれ、かゆみ・赤み・ブツブツなどの症状を引き起こす。特に汗が蒸発しにくい部位や、衣類・アクセサリーとの摩擦が生じる部位に発症しやすい。
■ 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは
脂漏性皮膚炎とは、皮脂分泌が多い部位(頭皮・顔・胸など)に生じる慢性の皮膚炎である。皮膚の常在菌であるマラセチア菌が皮脂を分解して産生する遊離脂肪酸が刺激となり、フケ・赤み・かゆみなどの症状が現れる。夏場は皮脂分泌が増加するため悪化しやすい。
■ 頭皮臭(とうひしゅう)とは
頭皮臭とは、頭皮から発生する不快なにおいの総称である。主な原因は、皮脂が酸化して生じる過酸化脂質、汗と皮脂が混ざり合って雑菌が繁殖することで発生するにおい、加齢臭の原因物質であるノネナールなどが挙げられる。
夏の頭皮・顔の汗トラブル別 原因と対策比較

※一般的な目安であり、個人差があります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、夏の頭皮・汗のにおいとフェイスラインの肌荒れに関する意識調査を実施いたしました。当院は、皮膚腫瘍・皮膚外科を専門とし、保険診療から自由診療まで幅広い皮膚トラブルに対応しております。今回の調査結果を踏まえ、監修医師の高桑康太が夏の汗トラブルに対する正しい知識と対処法を解説いたします。
調査背景
夏場は気温と湿度の上昇により、頭皮や顔の皮脂・汗の分泌が増加し、においや肌荒れに悩む方が急増します。特にマスク生活を経験した近年では、フェイスラインの肌荒れを訴える患者様が増加傾向にあります。しかし、多くの方が適切なケア方法を知らないまま自己流の対処を続け、症状を悪化させているケースが散見されます。そこで当院では、夏の汗トラブルに関する実態と正しい知識の普及を目的に本調査を実施いたしました。
調査概要
調査対象:夏場の頭皮や顔の汗・においが気になったことがある全国の20~60代の男女
調査期間:2026年7月6日~7月15日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】夏に頭皮のにおいが気になる人は78.3%、約8割が悩みを抱える
設問:夏場、頭皮のにおいが気になることはありますか?

夏場に頭皮のにおいが「とても気になる」「やや気になる」と回答した人は合計78.3%に達し、約8割の人が頭皮臭に悩んでいることが判明しました。特に「とても気になる」と回答した35.7%の方は、日常生活に支障をきたすレベルで悩んでいる可能性があります。
【調査結果】頭皮のにおいが最も気になるのは「午後以降」が43.0%で最多
設問:頭皮のにおいが最も気になるタイミングはいつですか?

頭皮のにおいが最も気になるタイミングとして「午後以降」が43.0%で最多となりました。これは、日中の活動で皮脂と汗が蓄積し、時間の経過とともに酸化・雑菌繁殖が進むことで、においが強くなる傾向を反映しています。
【調査結果】フェイスラインの肌荒れ経験者は65.7%、3人に2人が経験
設問:夏場にフェイスライン(顎・頬・こめかみ周辺)の肌荒れを経験したことはありますか?

夏場にフェイスラインの肌荒れを「毎年経験する」「時々経験する」と回答した人は合計65.7%に達しました。フェイスラインは汗が溜まりやすく、髪の毛やマスクによる摩擦も加わるため、夏場に肌トラブルが集中しやすい部位です。
【調査結果】フェイスライン肌荒れの原因、52.0%が「汗をかいた後のケア不足」を認識
設問:フェイスラインの肌荒れの原因として思い当たるものは何ですか?(複数回答可・最も当てはまるものを1つ選択)

フェイスラインの肌荒れ原因として最も多く挙げられたのは「汗をかいた後のケア不足」で52.0%でした。汗に含まれる塩分やアンモニアが皮膚を刺激し続けることが肌荒れの主因であり、こまめな汗の拭き取りの重要性が示唆されます。
【調査結果】汗で顔がかゆくなった経験者の67.3%が適切な対処法を「知らない」
設問:汗で顔がかゆくなった経験がありますか?また、その際の対処法を知っていますか?

汗で顔がかゆくなった経験がある人は合計92.0%に上りましたが、そのうち対処法を「知らない」または「対処していない」人が67.3%を占めました。適切な対処法の認知度が低いことで、汗荒れが悪化・慢性化するリスクが高まっています。
調査まとめ
今回の調査により、夏場に頭皮のにおいが気になる人は78.3%、フェイスラインの肌荒れ経験者は65.7%、汗で顔がかゆくなった経験がある人は92.0%に上ることが明らかになりました。一方で、適切な対処法を知らない人が多く、自己流のケアで症状を悪化させているケースも少なくないと考えられます。夏の汗トラブルは、正しい知識に基づいたケアと、必要に応じた皮膚科受診により、多くの場合改善が期待できます。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、夏の頭皮・顔の汗トラブルは『予防』と『早期対処』が最も重要です。特に、汗をかいたまま放置することが症状悪化の最大の原因であり、こまめなケアを習慣化することで、多くのトラブルは予防・改善できます。
まず、頭皮のにおいについてですが、これは主に皮脂の酸化と雑菌の繁殖によって生じます。夏場は皮脂分泌が増加するため、シャンプーの方法を見直すことが重要です。具体的には、シャンプー前にぬるま湯で十分に予洗いし、シャンプー剤は手のひらで泡立ててから頭皮に乗せ、指の腹でマッサージするように洗います。すすぎは3分以上かけて行い、シャンプー剤が残らないようにしてください。
次に、フェイスラインの肌荒れについてです。この部位は汗が溜まりやすく、髪の毛やマスクの摩擦刺激を受けやすいため、夏場にトラブルが集中します。対策としては、汗をかいたらこまめに清潔なタオルやガーゼで押さえるように拭き取ること、洗顔後は必ず保湿剤を塗布すること、髪の毛が顔にかからないようにまとめることが効果的です。
汗で顔がかゆくなる「汗荒れ」は、汗に含まれる塩分やアンモニア、乳酸などの成分が皮膚のバリア機能を低下させ、炎症を引き起こすことで生じます。かゆみを我慢できずに掻いてしまうと、皮膚が傷つき、さらに症状が悪化する悪循環に陥ります。かゆみが生じた場合は、まず流水で汗を洗い流し、保湿剤を塗布してください。症状が強い場合は、市販のステロイド外用薬を短期間使用することも選択肢ですが、改善しない場合は皮膚科を受診することをお勧めします。
【エビデンス】日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインでは、汗による皮膚炎も接触皮膚炎の一種として位置づけられており、原因物質(汗)との接触を避けることと、適切な外用療法の重要性が示されています。また、頭皮の脂漏性皮膚炎についても、適切な洗髪と抗真菌薬の使用が推奨されています。
頭皮のにおい対策 3つのポイント
・シャンプー前の予洗いを2~3分、すすぎを3分以上かける
・ドライヤーで頭皮をしっかり乾かし、雑菌の繁殖を防ぐ
・日中は頭皮用のデオドラントスプレーや制汗シートを活用する
フェイスライン・顔の汗対策 3つのポイント
・汗をかいたら5~10分以内に押さえるように拭き取る(こすらない)
・洗顔後は必ずセラミドやヒアルロン酸配合の保湿剤を使用する
・かゆみが出たら掻かずに流水で洗い流し、保湿剤を塗布する
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 夏の頭皮のにおい対策で最も効果的な方法は?
A. 正しい洗髪方法の実践と頭皮環境を清潔に保つことが最も効果的です。
今回の調査では、頭皮のにおいが気になる人の78.3%が悩みを抱えており、特に午後以降に気になる人が43.0%と最多でした。効果的な対策は、シャンプー前の予洗いを十分に行い、すすぎに3分以上かけること、ドライヤーで頭皮をしっかり乾かすこと、日中は頭皮用の制汗シートを活用することです。それでも改善しない場合は、脂漏性皮膚炎の可能性もあるため皮膚科を受診してください。
Q2. フェイスラインの肌荒れの原因と対処法は?
A. 主な原因は汗・皮脂による刺激と摩擦であり、こまめな汗の拭き取りと保湿が基本対処法です。
調査結果では、フェイスラインの肌荒れ経験者の52.0%が「汗をかいた後のケア不足」を原因と認識していました。汗に含まれる塩分やアンモニアが皮膚を刺激し、さらにマスクや髪の毛の摩擦が加わることで肌荒れが生じます。対処法としては、汗をかいたら5~10分以内に清潔なタオルで押さえるように拭き取り、洗顔後は必ず保湿剤を塗布することが重要です。
Q3. 汗で顔がかゆくなるのはなぜ?放置するとどうなる?
A. 汗に含まれる塩分やアンモニアが皮膚を刺激することが原因で、放置すると汗荒れ(汗疹・接触皮膚炎)に発展します。
汗で顔がかゆくなる経験がある人は調査対象の92.0%に上りましたが、適切な対処法を知らない人が67.3%を占めました。汗に含まれる塩分、アンモニア、乳酸などの成分が皮膚のバリア機能を低下させ、炎症やかゆみを引き起こします。放置したり掻いたりすると、症状が悪化して湿疹化し、色素沈着を残すこともあります。
Q4. 頭皮のにおいと脂漏性皮膚炎の関係は?
A. 頭皮のにおいの原因の一つとして脂漏性皮膚炎があり、フケ・かゆみを伴う場合は皮膚科受診が必要です。
頭皮のにおいは、皮脂の酸化や雑菌の繁殖だけでなく、脂漏性皮膚炎が原因となっている場合があります。脂漏性皮膚炎では、皮膚の常在菌であるマラセチア菌が関与しており、フケ・赤み・かゆみを伴います。市販のシャンプーで改善しない場合や、フケ・かゆみが慢性化している場合は、抗真菌薬の外用が必要なため皮膚科を受診してください。
Q5. 夏の汗トラブルで皮膚科を受診する目安は?
A. 市販品で1週間以上改善しない場合、症状が悪化している場合、日常生活に支障がある場合は皮膚科受診をお勧めします。
調査では、頭皮のにおいが「とても気になる」人が35.7%、フェイスラインの肌荒れを「毎年経験する」人が28.3%と、慢性的に悩んでいる方が一定数いることがわかりました。セルフケアで1週間以上改善しない場合、赤み・かゆみ・湿疹が広がっている場合、市販薬を使っても良くならない場合は、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎など治療が必要な疾患の可能性があるため、皮膚科を受診してください。
放置のリスク
・汗荒れを放置すると慢性化し、色素沈着や皮膚の肥厚を引き起こす可能性がある
・頭皮のにおいの原因が脂漏性皮膚炎の場合、放置すると脱毛につながることがある
・かゆみを我慢できずに掻き続けると、とびひ(伝染性膿痂疹)などの二次感染を起こすリスクがある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・市販のシャンプーや保湿剤を1週間以上使用しても改善しない場合
・赤み・かゆみ・湿疹が広がっている、または悪化している場合
・フケ・かさぶたを伴う頭皮のかゆみが1ヶ月以上続く場合
・顔の肌荒れが繰り返し同じ場所に生じる場合
・においや肌荒れが気になり、仕事や対人関係に支障をきたしている場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科保険診療に対応、汗荒れ・脂漏性皮膚炎などの診療が可能
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京駅・大宮の6院で土日祝も診療
・監修医師は皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験を持つ
・Web予約・事前問診で待ち時間を短縮、通いやすいクリニック環境を整備
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
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アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
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