背中ニキビ・うなじのできもの対策を皮膚科医が解説~花火大会シーズンに向けた正しいケア方法とは~
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、浴衣で見える背中のケアには日常的なスキンケアに加え、症状に応じた皮膚科での治療が効果的です。うなじや首のできものが気になる方は、粉瘤や脂漏性角化症などの可能性があるため皮膚科を受診することをお勧めします。背中ニキビは保険適用で治療可能であり、抗菌薬の外用や内服、ケミカルピーリングなどの選択肢があります。
・浴衣を着る際にうなじ・背中の肌状態が気になる女性が78.3%
・背中ニキビや肌荒れの対策として皮膚科受診を検討したことがある人は42.7%にとどまる
・うなじや首にできものがあっても67.0%が放置している実態が判明
用語解説
■ 背中ニキビ(体幹ざ瘡)とは
背中ニキビとは、背中に発生するざ瘡(ニキビ)のことである。顔のニキビと同様にアクネ菌が原因となるが、背中は皮脂腺が多く汗もかきやすいため発症しやすい部位である。マラセチア毛包炎との鑑別が必要な場合もあり、皮膚科での正確な診断が重要である。
■ 粉瘤(ふんりゅう・アテローム)とは
粉瘤とは、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂がたまる良性腫瘍のことである。うなじや背中にも好発し、放置すると徐々に大きくなったり、感染を起こして痛みや腫れを生じることがある。完治には手術による袋ごとの摘出が必要である。
■ 脂漏性角化症とは
脂漏性角化症とは、加齢に伴い発生する茶色や黒色の良性腫瘍のことである。首やうなじ、背中などに多発することがあり、老人性いぼとも呼ばれる。悪性ではないが、見た目が気になる場合は液体窒素療法や炭酸ガスレーザーで除去可能である。
背中・うなじの肌トラブル別対処法比較

※一般的な目安であり、個人差があります。
夏祭りや花火大会など、浴衣を着る機会が増える季節を迎えました。皮膚腫瘍外科・形成外科・美容皮膚科治療を提供するアイシークリニック(医療法人社団鉄結会、新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、浴衣着用時に気になる「うなじ・背中の肌ケア」に関する意識調査を実施しました。本調査では、浴衣で露出する部位の肌悩みと対処行動の実態を明らかにし、皮膚科医の視点から正しいケア方法をお伝えします。
調査背景
浴衣は襟を抜いて着付けるため、普段は隠れているうなじや背中上部が大きく露出します。この部位は自分では確認しにくく、ケアが行き届かないことが多い一方、周囲からは目につきやすい部分です。夏祭りや花火大会を控え、浴衣姿に自信を持ちたいというニーズが高まるこの時期に、うなじ・背中の肌トラブルに対する意識と対処行動の実態を把握し、適切な情報提供を行うことを目的として本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:過去3年以内に浴衣を着用した経験がある全国の20~50代の女性
調査期間:2026年7月6日~7月15日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】約8割の女性が浴衣着用時にうなじ・背中の肌を気にしている
設問:浴衣を着る際、うなじや背中の肌状態が気になりますか?

「とても気になる」「やや気になる」を合わせると78.3%に達し、大多数の女性が浴衣着用時に普段隠れている部位の肌状態を意識していることが分かりました。自分では見えにくい部位だからこそ、他者からの視線を気にする傾向が強いと考えられます。
【調査結果】背中ニキビ・ニキビ跡が最多で38.7%、できもの・イボも2割超
設問:うなじ・背中で最も気になる肌トラブルは何ですか?

背中ニキビやその跡が最大の悩みである一方、できもの・イボを気にする人も22.3%と少なくありません。できものには粉瘤や脂漏性角化症など、セルフケアでは改善しない疾患が含まれている可能性があり、適切な診断が必要です。
【調査結果】市販薬やボディケア製品での対処が過半数、皮膚科受診は15.0%
設問:うなじや背中の肌トラブルに対して、どのような対策をしていますか?(複数回答から最も行っているもの)

市販品や入浴時のケアなどセルフケアが主流で、皮膚科受診は15.0%にとどまっています。しかし、セルフケアで改善しない場合や、できものの正体が分からない場合は、早期の皮膚科受診が症状の長期化や悪化を防ぐ鍵となります。
【調査結果】うなじにできものができても67.0%が放置または様子見
設問:うなじや首筋にできもの(イボ・しこりなど)ができた経験はありますか?また、その際どうしましたか?

うなじにできものを経験した人のうち、実際に皮膚科を受診したのは約18%(全体の14.7%÷81.7%)に過ぎません。粉瘤などは放置すると増大や感染のリスクがあるため、しこりを感じたら早めの受診が推奨されます。
【調査結果】約6割が皮膚科受診に何らかの抵抗感あり、「見せるのが恥ずかしい」が最多理由
設問:背中やうなじの肌トラブルで皮膚科を受診することへの抵抗感はありますか?

「見せるのが恥ずかしい」という心理的障壁が最も高く、受診をためらう要因となっています。しかし皮膚科では日常的に背中やうなじの診察を行っており、プライバシーに配慮した診療体制が整っているクリニックも多いため、過度な心配は不要です。
調査まとめ
本調査により、浴衣を着用する女性の約8割がうなじ・背中の肌状態を気にしており、背中ニキビやできものに悩んでいる実態が明らかになりました。しかし、対策としては市販品によるセルフケアが主流で、皮膚科受診は15.0%にとどまっています。特にうなじのできものは67.0%が放置または様子見という状況であり、粉瘤など医療介入が必要な疾患を見逃している可能性があります。夏祭りや花火大会で自信を持って浴衣を着るためにも、改善しない肌トラブルや原因不明のできものは皮膚科での適切な診断・治療を受けることが重要です。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、背中やうなじの肌トラブルは「見えにくい」「恥ずかしい」という理由で放置されがちですが、早期に適切な対処をすれば比較的短期間で改善できるものがほとんどです。
背中ニキビについては、顔のニキビと同様に保険診療で治療が可能です。日本皮膚科学会のざ瘡治療ガイドラインでは、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの外用薬が推奨されており、症状に応じて抗菌薬の内服を組み合わせることもあります。背中は顔に比べて皮膚が厚く、外用薬の浸透に時間がかかることがあるため、2~3ヶ月は継続して治療することが大切です。
うなじや背中のできものについては、その正体を正確に診断することが最も重要です。よく見られるものとしては、粉瘤(アテローム)、脂漏性角化症(老人性いぼ)、軟性線維腫(スキンタッグ)などがあります。粉瘤は自然に消えることはなく、感染すると痛みや腫れを生じるため、症状がないうちに摘出手術を受けることをお勧めします。
浴衣シーズンに向けた準備としては、イベントの1~2ヶ月前から対策を始めることが理想的です。背中ニキビは治療開始から効果を実感するまで数週間かかることがあり、粉瘤の手術後も抜糸や傷の落ち着きまで2週間程度を要します。直前に慌てるのではなく、余裕を持って皮膚科に相談されることをお勧めします。
【エビデンス】日本皮膚科学会のざ瘡治療ガイドラインでは、体幹のざ瘡に対しても顔面と同様の治療が推奨されています。皮膚科医としての臨床経験では、背中ニキビの場合、外用薬だけでなく生活習慣の改善(汗をかいた後のシャワー、通気性の良い衣類の着用など)を組み合わせることで治療効果が高まります。
背中ニキビを改善するためのポイント
・汗をかいたらこまめにシャワーを浴びる、または着替える
・ボディソープは低刺激なものを選び、ナイロンタオルでゴシゴシ洗わない
・シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しに注意する
・通気性の良い素材の下着・衣類を選ぶ
・2週間以上改善しない場合は皮膚科を受診する
うなじ・背中のできものに関する注意点
・触ると動くしこりは粉瘤の可能性が高い
・茶色く盛り上がったものは脂漏性角化症の可能性がある
・短期間で急に大きくなるものは早急に受診すべき
・自分で潰したり、針で刺したりしないこと
・感染を起こす前の摘出が傷跡も小さく済む
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 浴衣で見える背中のケア、いつから始めればいい?
A. イベントの1~2ヶ月前からのケア開始が理想的です。
背中ニキビの治療は効果を実感するまで2~4週間かかることがあり、ニキビ跡の色素沈着が落ち着くにはさらに数週間を要します。調査では78.3%の女性が浴衣着用時に肌状態を気にしていましたが、直前になって対策を始めても間に合わない場合があります。夏祭りや花火大会の1~2ヶ月前から皮膚科に相談されることをお勧めします。
Q2. うなじにできたしこり、自分で取れる?
A. 自分で取ることは絶対に避けてください。感染や傷跡のリスクがあります。
調査では41.0%がうなじのできものを放置していましたが、粉瘤などの場合は自然に消えることはありません。自分で潰したり針で刺したりすると、細菌感染を起こして膿瘍になったり、不完全な処置で再発を繰り返したりする原因となります。皮膚科での手術は保険適用で、15~30分程度の日帰り手術で摘出可能です。
Q3. 背中ニキビは皮膚科で保険適用で治せる?
A. はい、背中ニキビは保険適用で治療できます。
背中ニキビ(体幹ざ瘡)は、顔のニキビと同様に保険診療の対象です。調査では皮膚科受診は15.0%にとどまっていましたが、市販薬で改善しない場合は保険適用の医療用外用薬や内服薬の方が効果的なことが多いです。3割負担の場合、1ヶ月の治療費は1,000~3,000円程度が目安です。
Q4. 背中を見せるのが恥ずかしい。皮膚科ではどう診察される?
A. プライバシーに配慮した診察体制が整っているクリニックがほとんどです。
調査では28.7%が「見せるのが恥ずかしい」と回答していましたが、皮膚科では背中やうなじの診察は日常的に行われています。個室の診察室やカーテンで仕切られた空間で、必要な部分だけを露出して診察します。女性医師による診察を希望される場合は、予約時に確認することをお勧めします。
Q5. できものが脂漏性角化症か粉瘤か、見分け方は?
A. 触感と外観で傾向はありますが、確定診断は皮膚科医による視診・触診が必要です。
一般的に、粉瘤は皮膚の下にしこりを感じ、皮膚表面を押すと動きます。脂漏性角化症は皮膚表面に茶色~黒色で盛り上がった病変として現れます。ただし、自己判断は危険です。調査では67.0%がうなじのできものを放置・様子見していましたが、稀に悪性腫瘍が隠れている場合もあるため、気になるできものは皮膚科で診断を受けることが重要です。
放置のリスク
・背中ニキビの放置により、色素沈着やニキビ跡(瘢痕)が残る可能性がある
・粉瘤を放置すると徐々に増大し、感染して膿瘍を形成するリスクがある
・自己処置による感染症の発症や傷跡の悪化
こんな方はご相談ください|受診の目安
・市販薬で2週間以上ケアしても改善しない背中ニキビ
・触ると動くしこりや、徐々に大きくなるできもの
・赤み・痛み・熱感を伴うできもの
・過去に潰れたり腫れたりしたことがあるできもの
・原因不明のイボや色素沈着が気になる場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・土日祝日も診療しており、仕事帰りや休日にも受診可能
・都内5院・大宮1院を展開し、通いやすい立地
・皮膚腫瘍や粉瘤の日帰り手術に対応
・保険診療と自由診療の両方に対応し、症状に合わせた最適な治療を提案
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
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