30日から始まるNHKの連続テレビ小説「まれ」に主演する土屋太鳳。小学生のころ夜逃げ同然に能登に移住した津村一家の長女希(まれ)が、いったんは公務員として堅実に働くものの、ケーキ職人になるというかつての夢を思い出し、横浜でパティシエ修業の道に入る。爽やかな笑顔が印象的な土屋が、頑張り屋で明るい希への思いを語る。
-撮影はいかがですか。
これまでは、こんなに毎日朝から晩まで撮影をすることはありませんでした。日常を演じる難しさもありますが、次のシーンはどう演じようと考えたり、共演者の方々と芝居の動きを確認したりして、試行錯誤していける状況がすごく楽しいし、やりがいを感じます。
-希の好きなところは?
真っすぐで真面目で不器用なところです(笑)。愛情が深くて正義感も強い一方で、意外と甘えん坊。へこみやすかったりして、女性がすごく共感しやすい女の子だと感じています。
-プレッシャーはありますか。
緊張はするのですが、どういうことがプレッシャーなのか、ストレスも含めてまだよく分からないんです(笑)。今はがむしゃらに走り続けて、人の心に寄り添っていけるような作品にしたいと思っています。
-ベテランの女優さんたちから学んだことはありますか。
田中裕子さんの演技中の目を見ていると、本当に目に感情が表れてくるんです。人の目はこんなにも力強かったり切なかったりするのかと感動しています。
-同級生役の若い俳優さんはどうですか。
能登でご飯を食べながらいろんなことを話したんですが、みんなお芝居のことをこんなにいろいろと考えているんだと思いましたし、スタジオでもこんな演技をしてくるのかといつも驚いています。みんなで切磋琢磨(せっさたくま)している感じがして、青春だなあって思います(笑)。
-お母さん役の常盤貴子さんやお父さん役の大泉洋さんはいかがですか。
常盤さんは少女みたいな方です。私が泡立て器をくるくる回していたら常盤さんが「魔法使いみたい。何か魔法かけて」っておっしゃったんです。私が「きれいになあれ」って言ったら、「わあ-、どう? きれいになった?」って。それがすごくかわいらしかったです。大泉さんはいつも面白いことを言って楽しませてくれます。
-製菓指導でパティシエの辻口博啓さんとはどんな話をしましたか。
より素材を生かす方法などいろんなことを教えていただきました。辻口さんはロックな感じの方で、作り方もリズムに乗っているんです。生地を混ぜるときも「手だけで回すと上半身が疲れてしまうから、リズムを取るんだよ」って教えてくださいました。「ダンスと一緒」ということなので、必死で練習しています(笑)。
-食べるのが好きなスイーツは?
全部好き(笑)、どうしよう。今はショートケーキかな。スポンジと生クリームのバランスがすごく好きですね。
-では作るのが好きなスイーツは?
チョコレートを使ったブラウニーですね。作るときは、食べさせてあげる人のことを考えて、ミントを入れたり、少しずつ変えて作っています。
-能登についての印象を。
能登はご飯がおいしくて、人が温かいんです。それに、光がとても柔らかいんです。能登でスタートを切ることができて良かったなと思っています。
-能登編の見どころは?
自然ももちろんですが、希の出会いですね。希は自分探しをしているんですけど、自分自身が本当の自分を一番分かっていなかったりします。自分一人だと見失ってしまうことも多いんですが、いろんな気持ちに気付かせてくれるのは結局出会いなんじゃないかなと実感しています。
-能登弁は苦労しましたか。
話すのはすごく楽しいです。何かのイベントで「ほーなんけ」とか自然に出てしまったことがありました(笑)。ちゃんと切り替えるようにはしていますが、方言で話した方が感情が入りやすいんです。
-土屋さん自身が今、やりたいことは?
いろんなところに行って、いろんな人と出会って、人を好きになる気持ちを大切にしていきたいと思っています。