アクロニス、海外で注目が高まる「フロンティアAI」のサイバーセキュリティへの影響について解説

アクロニス・ジャパンは8月6日に、「『フロンティアAI』時代に企業が備えるべきこと」と題した記事を、公式ブログにて公開した。

IT管理者・サービスプロバイダーが確認すべきポイント

「フロンティアAI(Frontier AI)」は、現在のAI技術の最前線を担う高性能なAIモデルであり、海外ではフロンティアAIがサイバーセキュリティに与える影響について、メディアで取り上げられることが増えていることから、企業にとっても見過ごせないテーマといえる。

今回、公開した記事では、アクロニス脅威リサーチユニット(Acronis Threat Research Unit:TRU)のリサーチリーダーであるサンティアゴ・ポンティロリ(Santiago Pontiroli)氏が、フロンティアAIについて自身の見解も交えて解説している。

アクロニスTRUでは、フロンティアAIを「新しい種類のサイバー攻撃を生み出す技術というより、攻撃と防御の両方を加速させる技術」と捉えており、重要なのは「AIそのもの」を脅威として捉えるのではなく、AIによって攻撃者の行動や攻撃手法がどのように変化するのかを理解することである、と述べる。

フロンティアAIによって、より短時間での実行が可能になる攻撃活動としては、以下のようなものが挙げられる。

○マルウェア開発の高速化

○脆弱性調査の効率化

○フィッシングメールの品質向上

○ソーシャルエンジニアリング攻撃の高度化

○エクスプロイト開発の自動化

これらの攻撃は、いずれも新しい手法ではないものの、AIの活用によって攻撃のスピードや規模が大幅に拡大し、従来以上に迅速かつ広範囲な攻撃が行われる可能性を指摘した。

このように、攻撃への活用が懸念されるフロンティアAIは、防御側にとっても強力な武器となり得る。アクロニスTRUでは、AIをセキュリティ運用の効率化や高度化を支える重要な技術と位置づけており、セキュリティ運用における以下のような場面で、AI活用を進めている。

○未知の脅威の検知

○振る舞い分析による攻撃の早期発見

○脅威分析の迅速化

○インシデント調査の効率化

アクロニスは、アクロニスTRUが継続的に脅威インテリジェンスやマルウェア分析を実施するとともに、AIを活用した検知技術や振る舞い分析、EDR/XDRを組み合わせた多層防御(Defense in Depth)のアプローチを通じて、AIを悪用した新たな攻撃への対応を進めているという。

一方で同記事では、フロンティアAIの進化でサイバー攻撃は加速すると考えられるものの、サイバーセキュリティの基本原則そのものは変わらない、とも訴える。AIを導入する企業でも、引き続き以下のような基本対策を求めている。

○強固なID・アクセス管理

○継続的な脆弱性管理

○EDR/XDRによるエンドポイント監視

○従業員へのセキュリティ教育

○データガバナンスの強化

○AI利用に関する社内ポリシーの整備

あわせて今後は、生成AIサービスへの情報入力や管理、業務におけるAI利用ルールの明確化が、ますます重要になる、との考えを示した。

さらに同記事では、IT管理者・サービスプロバイダーが今すぐ確認すべきチェックポイントとして、以下の5つを挙げている。

(1)AI利用に関するルールは整備されているか

(2)ID・アクセス管理は適切か

(3)エンドポイントの振る舞いを継続的に監視できているか

(4)社員へのセキュリティ教育を継続しているか

(5)インシデント発生時に備えた復旧体制は整っているか