
区主催では23区初となる「すみだ五彩の芸術祭」が2026年9月4日(金曜)に開幕し、区内50ヶ所以上で100を超えるプログラムを順次展開する予定です。※
中でも、土地の記憶を呼び起こすダンスの新作公演、福祉の現場と共鳴する演劇、まちなかを舞台とする没入型演劇ツアー、下町人情あふれる喜劇など、墨田区ならではの資源を活かし、ここでしか体験できない作品の数々をご案内します。
芸術祭のオープニングを飾るすみだパークシアター倉での2公演、ならびに没入型ツアーパフォーマンス「謎音-忘却の川-」は、各サイトにてチケット発売中です。
すみだパークシアター倉では、9月4日(金曜)~6日(日曜)は、日本の「舞踏(Butoh)」と西洋の「バレエ・コンテンポラリーダンス」を融合させた独自の世界観により国内外で高い評価を得ている振付家・ダンサーの山崎広太が、墨田区に古くから伝わる梅若伝説を下敷きに新たに創作する舞台「梅若はまだ帰らない。」<戯曲ダンス版>を上演。
9月11日(金曜)~13日(日曜)は、ハイドロブラスト/竹中香子が、父の死と「ケア」に向き合うことから、ケアと演技の重なりを見出して生まれた「ケアと演技」を上演します。
謎音研究所『謎音-忘却の川-』は10月16日(金曜)~11月1日(日曜)、劇団扉座 『「歓喜の歌」~すみだ特別編~』は12月19日(土曜)・20日(日曜)に上演。 この秋、墨田区内各所で立ち上がる街の彩りに、ぜひご注目ください。
※自治体が主催となり、数ヶ月に及び実施する総合的な芸術祭としては23区初。2025年9月現在、墨田区調べ。
* * *
隅田川沿いは古よりさまざまな物語が育まれ、江戸庶民が芝居や花見、花火に興じ、震災と戦災を経ながらも、土地に蓄積された文化が人々の心の糧となってきたまちです。地域資源を扱う本芸術祭では、すみだの地に語り継がれてきた伝承に斬新な観点と手法でアプローチするダンスや演劇を創作し、人生の営みに通底する表現の技術を問い、日常に溢れる人々の滑稽さや愛おしさを舞台上で描きます。一期一会の実演芸術、その醍醐味を存分にお楽しみください。
(すみだ五彩の芸術祭ディレクター・荻原康子)
【有料公演プログラムについて】
「すみだ五彩の芸術祭」では、9月4日(金曜)から12月20日(日曜)までの約4か月間、ギャラリーや劇場はもちろん、古民家やお寺、商店街、そして私たちが日々を営む街そのものが表現の場になります。ほとんどの企画を無料で楽しむことができますが、一部の公演プログラムはチケットの事前購入が必要です。各チケットページをご確認のうえ、お申込みください。
山崎広太『梅若はまだ帰らない。<戯曲ダンス版>』
―土地に眠る哀話から、現在に生成し続ける「不在」を探るダンスパフォーマンス

日米を拠点に第一線で活躍を続ける振付家・ダンサーの山崎広太が、墨田区堤通の木母寺に伝わる「梅若伝説」に着目した最新作です。幼くして人買にさらわれ、隅田川のほとりで命を落とした梅若丸と、その子を探し続けた母の哀話。生きては出会えなかった母と子の物語に触発され「現在に生成し続ける不在」を模索します。
山崎の戯曲に導かれたダンサーたちが、身体・言葉・音を裂け目としてすり抜け、交差し、同じ時空にとどまらない複数の存在を引き受けていきます。かつて湿地帯であり霧がすべてを曖昧にした瞬間に梅若が降臨するかのような、過去と現在、生と不在がゆるやかに重なり合う幽玄の時空が、すみだパークシアター倉に出現します。山崎が本格的な戯曲に取り組み、言葉と身体の新たな境地に挑む戯曲ダンスにご注目ください。
作・演出・振付: 山崎広太
音楽: 内橋和久
出演: SHIon、Sebastian Geilings、堀田千晶、藤村港平、西村未奈
2026年9月4日(金曜)19:30/9月5日(土曜)15:00*/9月6日(日曜)15:00*
*9月5・6日は終演後に山崎広太トークあり(5日ゲスト:羽鳥ヨダ嘉郎 6日ゲスト:郡司ぺギオ幸夫)
会場:すみだパークシアター倉(東京都墨田区横川1-1-10)
郡司ぺギオ幸夫 (天然知能研究者)コメント:
モノと肉体を融合させたかと思うや、それを打ち捨て、否定する。激しい動きが突然完結し、肩を組んで暗号を吐きながら、永遠に歩いていく二人を感じさせながら、崩れるように離れていく。着用しなければ危険な惑星に降り立つように、突如、トウシューズを履き、つま先立ちのまま他方の太ももを胸につけるように伸長し、ダンスにならないダンスをする。これぞ、ダサカッコワルイ・ダンス!
特設サイト:https://www.uhyr.info/scripted-dance
山崎広太 プロフィール:1990年代に、ダンスカンパニーrosy Co.,を主宰し、日本のコンテンポラリーダンスを牽引した振付家・ダンサー。2002年からN.Y.に拠点を移し、ベッシー賞、グッゲンハイム・フェロー、ドリスデューク財団助成他を多数受賞。現在、ボディアーツラボラトリーを主宰し、日本と米国で活動している。米国ベニントン大学ダンス学科客員教授。最近では、某TV番組で「キャマタおじさん」として話題に。
ハイドロブラスト/竹中香子『ケアと演技』
―ケアと演技の重なりを見出して生まれた、演劇と対話の社会的実践


実父の生活に10年余り寄り添った在宅介護チームの「ケアの技術」に感銘を受けた竹中香子が、高齢者福祉施設でのアーティスト・イン・レジデンスを経て創作した、福祉と表現が交差する演劇作品です。2024年の初演以来、全国各地で「ケア」を巡る対話を広げてきた本作が、今回は劇場版として生まれ変わります。
本作は演劇の上演にとどまらず、アートや福祉に関わる人々が問いを持ち寄りともに学ぶ、ワークショップ、トーク、鑑賞対話からなる、思考と実践の場「ラーニングルーム」を同時に開催します。
『ケアと演技』上演
作・演出: 竹中香子
出演: 太田信吾、竹中香子、島崎智子、 服部将典
公演日時:2026年9月11日(金曜)19:00/9月12日(土曜)13:00/9月13日(日曜)13:00
会場:すみだパークシアター倉(東京都墨田区横川1-1-10)
事前申込が必要なアクセシビリティ:
1.外に出やすい席、車椅子、ストレッチャーでの鑑賞スペース
2.日本語字幕を見ながら鑑賞する席
3.見えない・見えにくい方向けの「ふれる模型」を用いたミニ作品説明会
4.見えない・見えにくい方を対象に、同伴者が上演中の視覚情報をささやきながら鑑賞できる席
5.ほじょ犬同伴で鑑賞可エリア
ラーニングルーム(全4回/無料・要予約)
日時:8月26日(水曜)18:30/8月27日(木曜)18:30 会場:興望館(墨田区京島1-11-6)
日時:9月12日(土曜)14:30/9月13日(日曜)14:30 会場:すみだパークシアター倉
登壇者:竹中香子、青木彬(インディペンデント・キュレーター/社会福祉士)、武市雄介(アーティスト)、武田奈都子(デイサービス楽らく施設長/社会福祉士)、新妻葉子(東京藝術大学 芸術未来研究場 特任助教)、村瀬孝生(宅老所よりあい 代表)、田村かのこ(アートトランスレーター)
参加予約サイト(Peatix):https://sumida-artfest-hydroblast.peatix.com/
特設サイト:https://hydroblast.asia/free/careacting_2026
ハイドロブラスト プロフィール:
太田信吾(映画監督・俳優)と竹中香子(プロデューサー・俳優)による、映画と演劇作品を手掛ける団体。企画ごとに役割を規定し、複眼的な作品創作を目指す。代表作に、『サテライト・コール・シアター』(BUG)。映画『沼影市民プール』は、世界15以上の国際映画祭に招待され、本年9月5日より全国公開。2024年から「隅田川 森羅万象 墨に夢」に参加し、墨田区を舞台としたドキュメンタリー映画『煙突清掃人』を制作中。竹中香子による初の著籍『ケアと演技』が、本年12月医学書院「ケアをひらく」より出版予定。
謎音研究所 『謎音-忘却の川-』
―街の歴史と記憶を辿り、物語の当事者となる没入型ツアーパフォーマンス


演出・照明デザインの植村真と作曲・サウンドデザインの増田義基を中心に活動する「謎音研究所」による、参加者自身のスマートフォンを用いて街を歩く没入型パフォーマンスです。
墨田区鐘ヶ淵の地名の由来とされる「沈鐘伝承」を手がかりに、鐘が担う“災害を知らせる存在”という象徴性をベースに据え、関東大震災や戦禍、水害など土地に刻まれた記憶を「原因不明の音(=謎音)」が引き起こす現象として再考します。夕暮れ時、参加者は研究所の調査員として音声ガイドに従い、東向島から鐘ヶ淵までの地域に散在する痕跡を辿るうちに、いつしか重層的な物語の只中へと巻き込まれていきます。
企画: 謎音研究所
構成・演出: 植村真
サウンド: 増田義基
出演: 矢野昌幸、中野志保実、山本大介、前田菜々美ほか
声の出演: 石原朋香、黒川武彦、波多野伶奈、西田夏奈子、佐藤滋 ほか
地域ドラマトゥルク: 柳スルキ
テクニカルサポート: 永田風薫
冊子デザイン: 石原朋香
制作統括: 佐藤瞳
日時:2026年10月16日(金曜)~10月18日(日曜)/10月23日(金曜)~10月25日(日曜)
/10月30日(金曜)~11月1日(日曜) 受付各日16:00~19:00
会場:東向島~鐘ヶ淵エリア(受付場所は追ってご案内いたします)
特設サイト:https://nazooto-lab.com/lethe
謎音研究所 プロフィール:
演出・照明デザインなどで活動する植村真と作曲・サウンドデザインなどで活動する増田義基を中心に2024 年から活動を行っている架空の研究所。土地の記憶や歴史フィールドレコーディングに基づき、没入型のツアーパフォーマンスやARGなどメディアを横断した作品を制作する。これまで北千住編(2024年4月)、墨田区での「謎音-水底から鳴る鐘-」(2024年10 月)、 松戸編(2025 年/PARADISEAIR)などを発表。
劇団扉座 『「歓喜の歌」~すみだ特別編~』
―立川志の輔の傑作落語が、地元の歌声と共に響き渡る下町人情喜劇

年の瀬のとある会館で起きた、別々のママさんコーラスグループによるダブルブッキングの大混乱と、下町人情キラキラ橘商店街の年末くじ引きのドタバタを描く極上のエンターテインメント作品です。立川志の輔による創作落語をベースにした本作を、墨田区を拠点に活動する劇団扉座主宰の横内謙介が、すみだならではの「特別編」として脚色・舞台化します。
コーラス隊には公募によって集まった墨田区民が実際に登場し、2016年の初演でダメ職員を好演した六角精児が久々に出演します。地域の人情味あふれるエネルギーと劇団の劇的なバイタリティが共鳴し、芸術祭のフィナーレにふさわしい祝祭感豊かな笑いと涙をお届けします。
原作:立川志の輔
脚本・演出: 横内謙介
出演: 劇団扉座
公演日時:2026年12月19日(土曜)18:00/12月20日(日曜)14:00
会場:曳舟文化センター・ホール(東京都墨田区京島1-38-11)
https://sumida-artfest.jp/programs/169/
劇団扉座 プロフィール:
横内謙介、岡森諦、六角精児を中心に「善人会議」という名称で1982年に旗揚げ、93年「扉座」に改名。紀伊國屋ホール、座・高円寺など中劇場での公演および地方ツアーを行うほか、幅広い世代に向けた演劇ワークショップを展開する。1995年より墨田区を活動拠点とし、97年に扉座俳優研究所、2019年に50才以上が対象の「すみだパーク扉座おとな演劇部」を開校。地域からの創造発信、人材育成等に取組む。2025年、第60回紀伊国屋演劇賞団体賞受賞。
開催概要
名称: すみだ五彩の芸術祭
テーマ: すみだの五彩
コンセプト: 発気揚々(はっきようよう)
エクゼクティブディレクタ―:神野真吾
ディレクター:青木彬、荻原康子、清宮陵一、三田大介
会期:2026年9月4日(金曜)~2026年12月20日(日曜)
定休日:原則 月曜・火曜(定休日が祝日の場合は開催)
会場:
鐘ヶ淵全域、旧隅田小学校体育館、錦糸町周辺、コミューンX、白鬚東アパート周辺、隅田川テラス、墨田区社会福祉会館、墨田区曳舟文化センター、すみだ生涯学習センター(ユートリヤ)、すみだトリフォニーホール、すみだパークギャラリーささや、すみだパークシアター倉、立花大正民家園 旧小山家住宅、タロハチ、地域活動支援センター Connect Base すみだ、千葉大学墨田サテライトキャンパス、東武博物館、ノウドひきふね、曳舟~東向島の街なか、北條工務店となり、両国周辺ほか(五十音順)
参加費:無料(一部施設・イベントを除く)
WEB:https://sumida-artfest.jp
SNS:
X | @sumida_artfest
Instagram | @sumida_artfest
Facebook | すみだ五彩の芸術祭
主催:「すみだ五彩の芸術祭」実行委員会、墨田区
共催:「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会〈公募プロジェクト〉
令和8年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業

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