就労継続支援B型事業所で育まれた“働く力”を、アフリカの学びと笑顔へ。「支援される側から支援する側へ」を食文化で実現
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、2026年8月5日から12日まで実施したルワンダプロジェクトにおいて、一般社団法人happy choice(ハッピーチョイス)が運営する就労継続支援B型事業所「ハッピーワーク松戸」および「戸定そば幸」と連携したPeace Noodle Project「なかよし幸蕎麦」を、現地で計3回実施しました。

ルワンダ・ミヨベで「なかよし幸蕎麦」打ちを体験するお母さんたち
今回の活動では、完成したそばを届けるだけでなく、参加者がそば粉に触れ、生地をこね、麺棒で延ばし、切り、茹で、最後に一緒に味わうまでの工程を体験しました。
言語や文化、年齢の違いがあっても、同じ食卓を囲み、手を動かしながら協力することで、人と人は自然につながることができます。「なかよし幸蕎麦」は、日本文化を紹介するだけの催しではなく、食を通じて互いを知り、学び合い、平和な関係を育てる教育プログラムです。
ルワンダ滞在中に3回の蕎麦打ち交流
今回のルワンダプロジェクトでは、Kibagabagaの教員との交流、Miyoveでの地域教育活動を含む計3回、「なかよし幸蕎麦」を実施しました。

Kibagabaga小学校での日本文化ワークショップ
Gihara地区での子ども向けワークショップ
Miyoveでの地域教育活動
参加した教員や子どもたちは、そば粉から麺が生まれる工程を興味深く観察し、実際に麺棒を使って生地を延ばす作業などに挑戦しました。完成品を受け取るだけではなく、自分の手で作ることで、食材の変化、道具の役割、力の加え方、仲間との協力など、身近な科学や仕事の仕組みを体験的に学びました。
説明する人、挑戦する人、順番を待つ人、応援する人が自然に生まれ、「一緒につくる」ことそのものが国際交流の時間となりました。

初めて打った蕎麦を食べるお母さんたち
収穫感謝の記念日に、教員たちと蕎麦を打つ
8月7日には、約10年にわたり交流を続けてきたKibagabaga Primary Schoolで、現地教員との蕎麦打ち交流を行いました。
この日は、収穫や食に感謝するルワンダの文化行事「Umuganura」にあたります。なかよし学園は千葉県産のそば粉をルワンダへ持参し、戸定そば幸との交流を通じて学んだ技術をもとに、教員たちと生地をこね、延ばし、切り、茹で、食べるまでを体験しました。
普段は子どもたちに学びを伝える先生たち自身が、新しい文化に触れ、試行錯誤しながら学習者になることで、教える側と教えられる側を固定しない学びが生まれました。
完成した料理を食べるだけでは分からない、材料、技術、工夫、協力の大切さを共有する食文化交流となりました。

Kibagabagaの先生たちに蕎麦打ちを教える中村里英事務局長
Miyoveで「食・仕事・教育・平和」を一つのSYSTEMとして学ぶ
8月11日には、なかよし学園が継続的に活動してきたMiyoveで、蕎麦打ち実習を行いました。
この日の教育活動では、「SYSTEM」を中心テーマに、身の回りの道具や社会の仕組みについて考えました。教育によって力を身につけ、その力を仕事につなげ、所得を得て、自分や家族の生活を安定させ、さらに他者を支える。その循環が、地域と世界の平和につながることを伝えました。
そば作りにも、食材を育てる人、粉に加工する人、技術を習得する人、調理する人、届ける人、食べる人がいます。多くの人の仕事と役割がつながることで、一杯のそばが完成します。
「なかよし幸蕎麦」は、この目に見えないつながりを、子どもから大人まで体験的に理解できる教材にもなりました。

「食」を通じてお互いの文化を交換し、一緒に食べることで仲間になる。
松戸の福祉と仕事が、世界の教育教材になる
ハッピーワーク松戸は、障害のある方々が、そば店スタッフ、農業スタッフ、そば製品スタッフとして技術を習得しながら働く就労継続支援B型事業所です。運営する「戸定そば幸」では、店舗での接客や調理、そばに関わる製品づくりなどを通じ、一人ひとりに合わせた働き方と社会参加を支えています。
なかよし学園はこれまで同事業所を訪問し、利用者の皆さんが働く姿や、そば作りに関わる仕事を学んできました。

戸定そば幸で蕎麦作りを研修する
戸定そば幸で蕎麦作りを研修する
そこで育まれた技術や仕事が海を越え、ネパールに続いて、今回のルワンダでも子どもや教員の学びを生み出しました。
福祉の現場で「支援を受ける人」と見られることのある人々が、その仕事と技術によって世界の誰かを支える存在になる。これが、なかよし学園とhappy choiceが進める「支援される側から支援する側へ」というインクルーシブな社会モデルです。

研修でできた蕎麦。戸定そば幸のプロデュースで「なかよし幸蕎麦」プロジェクトは生まれた。
Peace Noodle Project――麺を一緒につくり、平和をつくる
Peace Noodle Projectは、麺料理を完成品として提供するだけの食料支援ではありません。
一緒に材料に触れ、作り方を学び、失敗し、助け合い、同じ食卓を囲む。その過程を、文化交流、食育、科学教育、職業教育、インクルーシブ教育、平和教育へとつなげる取り組みです。
そばを作る人がいる。
技術を教える人がいる。
海を越えて届ける人がいる。
初めて生地に触れる子どもがいる。
そして、その笑顔が松戸へ還ってくる。
日本の地域で生まれた仕事が世界の学びを支え、海外から還ってきた反応が、日本で働く人たちの誇りと次の仕事につながる。この循環は、なかよし学園が展開する「世界とつながる学び(CoRe Loop)」の実践でもあります。

戸定そば幸の皆さんと
なかよし学園プロジェクト代表・中村雄一代表メッセージ
「今回のルワンダでは、先生、子ども、地域の方々と、計3回の『なかよし幸蕎麦』を実施しました。
そばは、言葉が十分に通じなくても、一緒に作ることができます。粉に水を加え、生地をこね、麺棒で延ばす。うまくいかなければ、隣の人が助ける。そして最後には、みんなで同じものを食べて笑顔になる。その一連の体験に、平和をつくるための大切な要素が詰まっています。
特に大切なのは、松戸の就労継続支援B型事業所で積み重ねられてきた仕事と技術が、ルワンダの子どもや先生たちの学びを生み出したことです。
私たちは、誰かを『支援されるだけの人』として固定したくありません。誰もが、自分の好きなこと、得意なこと、日々の仕事によって、世界の誰かを支えることができます。
一杯のそばを一緒に作ることから、人と人が出会い、理解し合い、助け合う関係が始まる。Peace Noodle Projectを通じて、そんな小さな平和の場を世界各地に増やしていきたいと思います」

できた蕎麦をルワンダの人々と食す中村雄一代表
なかよし学園プロジェクト事務局長・中村里英事務局長メッセージ
「今回のルワンダでは、私自身が蕎麦打ちの実演を担当しました。最初は遠慮がちに見ていた子どもたちも、そば粉に触れ、麺棒を手にすると、すぐに目を輝かせました。生地を上手に延ばせると周りから声が上がり、次の人にやり方を教えようとする姿も見られました。
そばを一緒に作る時間には、難しい言葉は必要ありません。手の動きを見て、まねをして、失敗したら助け合う。日本とルワンダの子どもたちが同じ台を囲み、自然に学び合っている光景から、食には人の心を開き、距離を縮める力があることを改めて感じました。
この活動の出発点には、happy choiceとハッピーワーク松戸の皆さんが、日々の仕事の中で積み重ねてきた技術と努力があります。松戸で大切に育てられてきた蕎麦作りが、海を越え、ルワンダの子どもやお母さん方、先生たちの新しい体験と笑顔につながりました。
私たちの役割は、そば粉や技術を海外へ届けて終わることではありません。ルワンダで生まれた笑顔や言葉、子どもたちが挑戦する姿を、今度は松戸で働く皆さんへしっかりと還すことです。自分たちの仕事が世界の誰かを笑顔にしたと実感してもらうところまでが、『なかよし幸蕎麦』であり、なかよし学園のCoRe Loopです。
一緒に作り、一緒に食べることから、お互いを知り、大切に思う気持ちが生まれます。これからもPeace Noodle Projectを通じて、誰もが自分の力で誰かを支えられること、そして日常の中から平和をつくれることを、世界の人々と一緒に伝えていきたいと思います」

ルワンダの人々に蕎麦打ちを教えるプロジェクトリーダー中村里英
ハッピーワーク松戸・戸定そば幸について
一般社団法人happy choiceが運営する「ハッピーワーク松戸」は、千葉県松戸市にある就労継続支援B型事業所です。障害のある方々が、そば店、農業、そば製品に関わる仕事を通じて技術や能力を身につけています。
「戸定そば幸」では、店舗経験を持つスタッフによる技術指導と、福祉スタッフによる個別支援を組み合わせ、一人ひとりに合った働き方を支えています。
戸定そば幸
〒271-0092 千葉県松戸市松戸1117
https://happy-choice.org/soba_sachi/

地元の素材にこだわった美味しい蕎麦を提供する戸定そば幸
なかよし学園プロジェクトについて
なかよし学園プロジェクトは、日本国内の学校、自治体、企業、福祉事業所などと連携し、日本で生まれた学び、仕事、技術、教材を海外の教育現場で実装する「世界とつながる学び(CoRe Loop)」を展開しています。
物資や教材を届けて終わるのではなく、現地での活用、子どもや教員の反応、手紙や作品などを日本へ還し、次の学びと行動につなげる循環を大切にしています。
団体概要
団体名:特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
事業内容:世界とつながる学び(CoRe Loop)を軸とした探究・平和・包摂教育プログラムの企画運営/国内外の教育・食・心のケア支援 等
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局)
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
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