北海道文化放送株式会社(UHB)が制作・放送したドキュメンタリー番組『板ばさみ 違法動物園と、人間たち』が、2026年7月度ギャラクシー賞テレビ部門 月間賞を受賞しました。
本番組は、札幌市南区の動物園「ノースサファリサッポロ」の違法開発問題をめぐり、行政、事業者など各関係者を取材。法律や立場に葛藤する人間たちを通して、問題が長年解決されなかった構造を浮き彫りにしました。さらに、思惑に翻弄された動物たちの行き先探しにも密着しています。
講評では「札幌市の民間動物園『ノースサファリサッポロ』は 20 年間にわたる“違法営業”の末、昨年閉園した。市街化調整区域内に無許可で施設を建築、市による指導にもかかわらず営業を続けてきた運営会社。本作では、メディアがそれに気づかず好意的に取り上げてきたことも自省する。違法動物園を通して行政、地域開発の問題が見える力作だ」と高い評価を受けました。
ギャラクシー賞は、放送批評懇談会が、日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀な番組や個人、団体を顕彰するために1963年に創設した賞です。テレビ、ラジオ、CM、報道活動の4部門を対象としており、テレビ部門では毎月、委員の推薦によって「月間賞」が選定されます。毎月の「月間賞」は年間ギャラクシー賞の入賞候補作品となります。

”日本一危険な動物園”として人気だった「ノースサファリサッポロ」(撮影:視聴者)
番組内容
2005年7月、札幌市南区で開園した民間動物園「ノースサファリサッポロ」。”日本一危険な動物園”をキャッチフレーズに全国的な人気を集めていきますが…実は、都市計画法で原則、開発が禁止される市街化調整区域に獣舎などを無許可で建てていたことが明らかになります。札幌市は開園前から20回近く、撤去を求めてきましたが、無許可建築物は増え続けていきました。2025年9月の閉園後も、獣舎などの撤去に不可欠な動物たちの移動は難航しています。なぜ、ノースサファリ問題は20年以上も放置されたのか。そして、動物たちに安住の地は見つかるのか。人間たちが責任を全うできるのかを見つめるドキュメンタリー番組です。
183棟まで拡大した獣舎などの“無許可建築物” (C)UHB

動物たちは人間たちが責任を全うする日を、おりの中で待っている (C)UHB
制作担当者コメント
ディレクター・水上孝一郎(北海道文化放送 報道情報部)2025年2月、突如表面化したノースサファリサッポロの違法開発問題。「なぜ、こうなったのか」を解き明かしたいと思うようになっていきました。行政のさがや運営会社の認識、私たちメディアの取材姿勢…問題が複雑化した背景に目を向ける必要があると感じました。今も園内に残る動物はどこへ行くのか―。新たな動物園の予定地探しに奔走する投資会社の社長など、関わった人間たちがどんな答えにたどり着くのか、取材を続けたいと思います。
プロデューサー・関根弘貴(北海道文化放送 報道情報部)
なぜ、私たちメディアは「違法動物園」に気づけなかったのか―。”ノースサファリ問題”を追いかける中で浮き彫りになった現実に、自分たち自身が向き合うことは、今回の番組に不可欠なものでした。動物園の事業拡大に、結果的に加担した責任に触れることで「私たちメディアの姿勢」に一石を投じることになったのではと思っています。
ゼネラルプロデューサー・篠原巨樹(北海道文化放送 報道情報部)
動物園という命の大切さや輝きを伝える場所で起きていた違法建築物の問題の発覚は衝撃でした…。事情を知らず取り上げて来た、われわれメディアの姿勢も見つめ直すことになりました。日々事態が動く中で取材・構成の苦労はありましたが、背景の本質に何があるのか、皆さんと考えるきっかけになればと思います。
番組概要
番組名:『板ばさみ 違法動物園と、人間たち』北海道内の放送日時:5月31日(日)ごご1時40分~
制作:北海道文化放送株式会社(UHB)
HP:https://www.uhb.jp/program/itabasami/
≪スタッフ≫
ナレーター:田辺桃菜(北海道文化放送アナウンサー)
撮影:川上 敬(オーテック)
編集:伊藤麗菜(オーテック)
ディレクター:水上孝一郎(北海道文化放送報道情報部)
プロデューサー:関根弘貴(北海道文化放送報道情報部)
ゼネラルプロデューサー:篠原巨樹(北海道文化放送報道情報部)
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