~「知らないから、選べなかった」をなくす。沖縄の若者が、自分らしい未来を選択するための金融教育 ~
沖縄県事業「沖縄県こどもの居場所ネットワーク事業(企業等連携)」を受託運営する特定非営利活動法人困窮者支援ネットワーク(沖縄県那覇市)は、県内企業とこどもの居場所の連携をコーディネートし、令和8年8月、沖縄初のユースセンターを運営する「NPO法人沖縄青少年自立支援センターちゅらゆい/ユースセンター・アシタネ」(沖縄県那覇市)にて、10~20代の若者を対象とした資産運用講座実施をサポート。本記事では、7月の共創マッチング会にてマッチングした連携事例をお伝えします。
はじまりは、若者からの「こんな講座があったらいい」
沖縄のNPO法人ちゅらゆい様は、貧困や不登校、引きこもりといった困難を抱える子どもや若者のために多様な支援を展開し、中高生向けの居場所「kukulu」や、若者の活動拠点「ユースセンター・アシタネ」など、孤立を防ぎ安心して過ごせる環境を提供しています。

そして、今回の企画実施を実現した「ユースセンター・アシタネ」は、NPO法人ちゅらゆい様の事業の中でも「若者の主体性」を大切にするユニークな事業。
2023年に沖縄初のユースセンターとして那覇市に開所し、中高生から20代の若者(ユース)が安心して過ごせる場がまだ少ない沖縄において、平日夜間や土日にも開かれた「若者の活動拠点所」としてスタートしました。

孤独感や不安感が高まりがちな夜間(18時~21時時)に利用できることが最大の特徴。
若者自身が主体的に過ごしたり活動に参加することを尊重し、彼らが自分のやりたいことを見つけたり、発信できる場をサポートし、社会との接点づくりを大切にしています。
今回の企画も、若者の「こんなことを学びたい、こんな講座があったらいいのに」の声から開催実現に至りました。
7月の共創マッチング会に参加して、“ この人なら ” と思える人を見つけた。

「企画を実施してくれる企業であれば誰でもよかったわけではないんです。
共創マッチング会に参加して中島さんと話し、 “ この人ならユースと一緒に企画をつくることを楽し
んでくれそう ” と感じた。」
ユースセンター事業統括の室伏さんはそう言います。
今回の企画講師を勤めた中島逸実さん(ソニー生命保険株式会社 那覇LPC第1支社/那覇市)は、公立学校などで金融教育の講話実績を持ち、こどもの居場所での金融教育は、本事業をきっかけに開始。今回が2回目の実施となります。

今回の企画テーマは資産運用講座。
10代20代の若者にとっては、「難しそう」「自分にはまだ関係ない」と感じる層も少なくありません。しかし、就職、進学、一人暮らし、働き方など、10代後半から20代にかけては、人生の選択肢が大きく広がる時期。
今回の講座では、運用方法の3つポイントや、リスクなしの運用はあり得ないこと、ドルコスト平均法等について伝えられ、株価が下がることも楽しみになるという内容には会場に感嘆の声が上がりました。

質疑応答で終始和気藹々の講座。
資産運用に関心を持ったきっかけとして、若者からは「資産運用については以前から興味があった」「学校の先生がきっかけでもっと知りたいと思っていた」「YouTubeを見て自分なりに学んでいる」という声も。
講座では、運用で大切なポイントは何だったかを振り返りながら、「経験には寿命がある。この時期だからこそできる経験があり、その時にお金が使えるよう計画的に目標を立てることが大切」と伝えられました。
決め手は、「これなら、共存できるじゃん?」
「利用者は、ここで自由にして良いけれど、お客様ではない。
自分の声から、ちょっとしたことで社会が変わっていくということを伝えたい。」
センター事業統括の室伏さん曰く、初めてユースセンター・アシタネに来所した若者は、「自由にしてよい」と言われて戸惑うとのこと。
その中で、役割のない自分を容認し、安心できることが主体性につながる第一歩と言います。

18時半から開始。講座が進むにつれ外も暗くなる。
今回の企画も、当日のセンター利用者の中で希望者のみが受講。卓上にはパンやジュースが並べられ、講座中も自由に食しながらのスタイル。
しかし、それが奔放なだけの雰囲気かというとまた別で、受講者の若者は、むしろ、誰に言われずとも紙やパソコンに真剣にメモを取る様子があり、集中して講座に参加する姿が印象的でした。

見守るスタッフの後ろには、講座に少し興味がある若者達の席も。
聞くと、当日の会場レイアウトも若者達が試行錯誤し配置してくれたとのこと。
講座を受講したい人、少し気になるくらいの人、他のことをしたい人、登壇する講師。
それぞれのことを想像しながら考えたレイアウトの決め手は、
「これなら、共存できるじゃん?」

集中してメモをとる。この日用意された軽食も、受講しやすいように若者が提案し準備。
この日の企画には、大人が専門スキルをつなぐ・提供するだけとは違う面白さがあり、「自由だけれど、好き勝手していいわけではない。」「その先に、自分で選択する責任と自立がつながっていく。」ことをサポートするユースセンター・アシタネの活動の一端を垣間見れたと感じています。
このように、居場所での企業連携では、子ども・若者、そして各団体の活動の在り方から気付かされることが多いのも醍醐味です。
話をする毎に目から鱗の若者達との空間は、センター事業統括室伏さんのいう「若者は、保護する対象でもあれば、未来をつくる主体でもある。」という言葉の持つ可能性を体感できる時間。彼らがこの日のために蒔いてきたちょっとずつの声・対話・行動で、今回の企画が生まれたことが感じられるものでした。
「知らないから、選べなかった。」を、少しでも減らす
若者の自立を考えるとき、「働くこと」だけでなく、「生活を自分で設計する力」も重要です。そして同時に、ありのままの自分を容認し、気持ちや知識を相談できる大人の存在も大きなもの。今回の企画は、スタッフ様が若者と築いた信頼関係が、企業の専門的なスキルに繋がった一つの事例と感じています。
しかし、企業にコンテンツや専門性があり、居場所ではスタッフと利用者の関係性が築かれていても、今回のような結果にたどり着くことは容易ではないのも事実。
伴走支援の立場で見ると双方の団体に親和性を感じても、「出会うきっかけや同じ目的について話し合える場がなければ始まらない」というのが本事業で感じることの一つです。

「知らなかった。だから選べなかった。」という未来を、少しでも減らすこと。それは、子ども・若者だけでなく、大人自身も意識していきたいこと。
先のマッチング会でも、「まずは自団体が、課題や目指したいことをより具体的に整理する必要がある」と振り返る声が聞かれたように、方向性が明確な団体同士であれば、建設的な連携関係がより築きやすいのではないかと感じています。
今回の出会いをきっかけに、両者は、今後も引き続き連携を継続されるとのこと。若者たちの声やアイディアを取り入れながら、次はどのような学びや企画が生まれていくのか楽しみです。
改めまして、今回ご講話いただきましたソニー生命保険株式会社中島様、開催の場をご準備いただきましたNPO法人沖縄青少年自立支援センターちゅらゆい/ユースセンター・アシタネ様に深く御礼申し上げます。
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こどもの居場所では、日々の食事提供や学習支援、見守り支援などが活動の中心となるため、専門分野を学ぶ機会を得ることは容易ではありません。
また、企業側も、日頃の業務で培った専門知識や経験を地域へ還元したいという思いがある一方、「何を提供できるのか、提供してよいのか」「どのようにつながればよいのか」が分からず、サポート・連携に至らないケースも少なくありません。
このようなチャンスロスを防ぐため、当団体は中間支援として 企業・居場所双方の想いやニーズを汲み取り、企画内容の調整から実施サポートまで伴走しています。引き続き、企業様からのご相談をお待ちしております。
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◆ 団体概要
名称: 特定非営利活動法人 困窮者支援ネットワーク
代表者: 代表理事 細田 光雄
所在地: 〒900-0004 沖縄県那覇市銘苅2-3-1
団体HP: https://www.konkyusyashien.com/
◆ 活動概要
当団体の活動は、困難を抱える子育て世帯への支援から始まりました。
その原点を法人名に込め、現在は、子育て支援・居場所運営・自立支援・企業/地域連携支援など、
さまざまな取り組みを行っています。
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