猛暑から家族を守るスマート見守り術を解説

連日、過去に前例のないような「危険な暑さ」が報じられる日本の夏。猛暑日の増加に伴い、熱中症への警戒感は年々高まっている。屋外での直射日光や運動中の水分不足に注意が向きがちだが、実は熱中症が最も多く発生している場所は「家の中」であることをご存知だろうか。(フリーライター・REV)

異常な室温上昇を検知!温湿度センサーを用いた「スマホ通知」の構築

総務省消防庁が発表した「令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」の確定値によると、全国の救急搬送人員の約4割に上る39.9%が「住居」で発症している。

締め切った室内は短時間でサウナ状態になりやすく、特に体温調節機能や温度に対する感覚が低下している高齢者、留守番中のペットなどは、自覚がないまま危険な状態に陥りやすい。

また、ゲリラ豪雨や落雷による一時的な停電でエアコンが停止した場合など、室内のリスクは「目に見えない密室」で急速に高まる。こうした危険から大切な家族を守るため、スマートホーム機器を活用したデジタル防衛策の構築が不可欠となっている。

見えない室内環境の危険を早期に察知する要となるのが、スマートハブとそれに連携する「温湿度センサー」を活用した監視システムだ。数千円程度から導入できる小型の温湿度センサーを各部屋に設置し、専用のアプリと連携させるだけで、現在の室温や湿度を遠隔からリアルタイムで確認できるようになる。

見守る対象が高齢の家族の場合、視認性の高いE-inkディスプレーを搭載した「Tapo T315」のようなセンサーを親の目の届く場所に置くのが効果的だ。親自身が直感的に室内の危険度に気づきやすくなるだけでなく、遠方にいる家族も同一アプリから客観的な数値を把握できるため、「今、部屋が30度を超えているから冷房を入れて」と客観的なデータをもとに注意を促せる。

しかし、単に数値を見られるようにするだけでは、見守る側が常にアプリを監視していなければならず、忙しい日中などは対応が遅れるリスクが残る。ここで真価を発揮するのが「プッシュ通知(熱中症アラート)」の設定である。

アプリ上で「室温が28℃以上になったらスマホへ通知する」という条件(トリガー)を事前に登録しておく。すると、設定した数値を超えた瞬間にスマートフォン(スマホ)へアラートが届く仕組みを構築できる。

テレビや天気予報で報じられる広域な熱中症警戒アラートだけでは、日当たりや風通しなどの条件が異なる「実際の室内の危険度」までは把握しきれない。部屋ごとのピンポイントな変化を捉え、家族がまさに過ごしている空間の危機を即座に知らせてくれるアラート機能こそが、熱中症対策における第一の防衛線となるのだ。

危険な温度をトリガーに冷房を稼働!エアコン「自動制御」の実践

スマホに室温上昇のアラートが届いた後、次に行うべきは室温を下げるための具体的なアクションだ。スマートリモコン機能を持つハブ機器や赤外線対応機器を併用すれば、あらかじめ備え付けの赤外線リモコンの信号を学習させておくことで、外出先からインターネット経由で自宅のエアコンを即座に遠隔操作できる。

通知を受けた際、Tapoアプリから手動でエアコンの電源を「オン」にすれば、ハブが代理で赤外線信号を発信し、冷房を稼働させることが可能だ。高齢者は「電気代がもったいない」「まだ我慢できる」と冷房の使用をためらいがちだが、この仕組みがあれば「親がエアコンを我慢している」という緊急事態に対し、外部から即座に介入して安全を確保できる。

さらにこのシステムを一歩進めると、人間の判断や操作すら介さない「自動制御(スマートアクション)」の構築に行き着く。

設定は非常にシンプルで、「トリガー(条件)」と「アクション(動作)」を組み合わせるだけだ。例えばTapoアプリ上で、「室温が28℃以上になったら(トリガー)、自動的に冷房を26℃で起動する(アクション)」というルールを作成する。併せて、冷房による冷えすぎを防止するため「室温が24℃以下まで下がったら自動で停止する」といった逆のルールを組み合わせれば、常に適温を維持できる。

また、専用アプリでは複数条件の設定も可能なため、「温度28℃以上、かつ湿度60%以上」といった、人が暑さを感じやすい環境条件で精緻に自動制御することもできる。

実際にこの自動化を見守りに導入した場合、その恩恵は絶大だ。仕事に集中していてスマホの通知に即座に対応できない時でも、システムが勝手に室温を監視し、危険な温度になれば安全な環境へと調整してくれる。

さらに、一時的な停電によるエアコン停止のトラブルに見舞われても、電力が復旧してWi-Fiとハブが再起動さえすれば、再びセンサーが室温の異常を検知して自動で冷房を再稼働してくれる(※利用するエアコンの仕様によっては再稼働できない場合がある)。これは遠隔見守りにおけるフェーズフリーな安全対策として、非常に有効な仕組みだ。

単なる便利家電から「命を守るインフラ」へ IoTが叶える猛暑対策

かつては「生活を便利にするもの」として語られることの多かったスマートホーム機器だが、過酷さを増す近年の猛暑においては、文字通り「命を守るインフラ」へと進化している。

例えば、Tapoシリーズのセンサー類であれば数千円からのスモールスタートが可能であり、環境の可視化から自動制御までを一貫して行えるコストパフォーマンスにも優れている。見守りカメラなどを組み合わせれば安心感はさらに高まる。大切な家族の安全を担保するデジタルな盾として、ぜひ今年の夏を乗り切るIoT機器の導入を検討してみてほしい。

※本記事の執筆および写真撮影にあたり、ティーピーリンクジャパン株式会社よりTapoシリーズのサンプル機材をご提供いただいています。