片手で注げる800g。燕三条の鋳物メーカーが厚さ2mmの薄肉鋳造で実現。購入時の慣らし作業も不要に。


左:SSC鉄びん800(家庭用) 右:SSCamp!鉄びん800(アウトドア用)

株式会社三条特殊鋳工所(新潟県三条市/代表取締役社長 山森正人)は、重さ800gの鉄びん「鉄びん800」を開発し、2026年9月9日(火)11時よりクラウドファンディングサイト「Makuake」にて先行販売を開始します。鋳鉄は鉄と炭素が隣り合った組織を持ち、水が入ると両者の電位差によって微弱な電流が流れ、鉄分がお湯に溶け出します。本製品はこの鋳物ならではの構造を活かしつつ、鋳鉄の厚みを2mmまで薄くすることで片手で注げる軽さを実現。さらにシリコーン耐熱塗装により、購入時に必要とされてきた「慣らし」の作業をなくしました。

「世界一軽い鋳物ホーロー鍋」からの挑戦
同社は1961年創業、新潟県三条市の鋳造メーカーです。長く鋳鉄機械部品を中心に鋳物製品を製造してきましたが、2014年に自社ブランド「UNILLOY(ユニロイ)」を立ち上げ、鋳物ホーロー鍋の分野に参入しました。
強度はあるものの成型が難しいFCD鋳鉄の極薄化に約2年をかけて取り組み、厚さ2mmという極薄の鋳物ホーロー鍋を実現。他社製品のおよそ半分という重量で、「鋳物鍋はとにかく重い」が当たり前だった分野に一石を投じました。


ユニロイホーロー鍋16cm

この鍋は2014年にグッドデザイン賞を、2015年には世界三大デザイン賞のひとつ「レッド・ドット・デザイン賞」プロダクトデザイン部門で最高賞にあたる「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を受賞。2015年には新潟県技術賞、2017年にはDESIGN TOKYO大賞 優秀賞も受賞しています。

「鍋でできたことが、鉄びんでできないはずがない」。UNILLOYで確立した薄肉鋳造の技術を鉄びんへ転用する試みが、本製品の技術的な出発点です。

開発の原点は、一人の歯科医師からの問いかけ
技術面とは別に、本製品にはもうひとつの出発点があります。

3年前、同社のエンジニアである田口圭一のもとに、一人の歯科医師から問いかけが届きました。それをきっかけに田口が「鉄ミネラル」について学びを深める中で知ったのが、鉄分が身体にとって欠かせない栄養素であるという知見でした。

軽くて便利な調理器具が増えた一方で、鋳物の器具に触れる機会は減っています。「ものづくりに携わる者として、この事実を伝えたい」。その思いが、鉄びんという製品を選んだ理由になりました。

「少し手はおかけしますが、その先には毎日の暮らしに寄りそう仕組みが詰まっているんです」(田口)

重くて、手入れが面倒。だからこれまでの鉄びんは使われなくなってきた
鉄びんは日本の台所で長く使われてきた道具ですが、近年は使用者が減少しています。理由として挙げられるのが「重さ」と「手入れの手間」です。

一般的な鉄びんは肉厚が4~6mm程度あり、水を入れると2kgを超えることも少なくありません。また多くの製品は、使い始めに「湯あかづくり」と呼ばれる慣らし作業を必要とします。

どれほど良い道具でも、重く、手間がかかれば、食器棚の奥にしまわれてしまいます。「毎日使えなければ意味がない」。この考えが設計の前提になりました。

厚さ2mm。鉄びんの常識を変える軽さ
鋳鉄の厚みを2mmまで薄くすることで、重量は家庭用モデルで0.83kg、アウトドアモデルで0.86kgに抑えました。片手で持ち上げ、そのまま注ぐことができます。

薄さは重量だけでなく、熱の伝わりやすさにも寄与します。同社の従来品を含む一般的な鉄びんと比較して、湯が沸くまでの時間が短縮されています。

慣らし作業が不要。届いたその日から使える
内面にはフライパンなどに用いられるシリコーン耐熱塗装を採用しました。これにより、購入時の慣らし作業がいりません。軽く水洗いするだけで、届いたその日から使用できます。

鉄びんのお湯に鉄分が含まれる理由
鉄びんで沸かしたお湯に鉄分が含まれるのは、鋳物という材料の構造によるものです。

鋳鉄は、鉄と炭素(黒鉛)が隣り合った組織を持っています。ここに水が入ると、両者の電位差によって微弱な電流が流れ、鉄の側から鉄分が溶け出します。金属工学では「局部電池」と呼ばれる現象です。

同社の測定では、水500mlを沸騰後30分煮出した際の溶出量は約0.1mgでした(パックテストによる簡易測定/使用する水や火加減、使用状況により変動します)。

鉄びんで沸かしたお湯でお茶を淹れると、色が黒っぽく変わることがあります。タンニンと鉄分が反応した色です。

お茶の色比較(右が鉄びんで沸かしたルイボスティ)


毎日使うための設計
蒸気口:蓋に蒸気口を設けているため、中火以下であれば蓋をしたまま沸かすことができます

フタの隙間の蒸気抜き


蓋落下防止機構:つまみが90度横向きのときだけ着脱でき、それ以外の位置ではロックされます。注ぐ際に蓋が落ちません

水切れのよい注ぎ口:細く注げて水が垂れにくく、本体やテーブルを汚しません

オール熱源対応:ガス・IH・オーブン・シーズヒーター・ラジエントヒーター等に対応(電子レンジは使用不可)

2つのモデル
SSC 鉄びん800(家庭用モデル/0.83kg)

毎日の湯沸かしに。すっきりとした形状で、コンロにも食卓にもなじみます。

SSC鉄びん800(家庭用)


SSCamp! 鉄びん800(アウトドアモデル/0.86kg)

取っ手の穴にひっかけて焚き火に吊るせるほか、注ぎ口を覆う蓋の形状により灰やチリの混入を防ぎます。屋外でも湯を沸かし、コーヒーやお茶を淹れることができます。

SSCamp!鉄びん800(アウトドア用)


デザインは株式会社タンジェントデザインが担当しました。




Makuake プロジェクト概要




製品仕様

※本製品は湯沸かし専用です。落下や急冷により割れ・変形が生じる場合があります。


会社概要

本件に関するお問い合わせ
株式会社三条特殊鋳工所
TEL:0120-39-5261(平日 8:30~12:00/13:00~17:00)
Mail:shop-info@e-santoku.co.jp


片手で持ち上げ
軽さが特徴


SSC・SSCamp!2型
2ブランドから展開


ガスコンロで
家庭用


アウトドアで
フックがかけられる



技術のサントク
老舗鋳造工場


Made In 燕三条
純国産


鉄茶という提案
鉄分が溶けると色が濃くなる


こだわりの1杯がまろやかに
鉄分により角がとれて飲みやすく

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