管理職に課題感を持つ人は7割超え、最も期待される「育成」が最大の悩みに

 企業における経営・人事課題の解決および事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:山崎 淳、以下 当社)は、従業員100名以上の企業に勤める人事担当者500名と管理職層500名を対象に、「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2026」を実施しました。
【エグゼクティブサマリ】
人事担当者・管理職ともに7割超が管理職に課題感。管理職の負担増大や候補者不足、育成体制への課題も明らかに【図表1、2】
管理職に最も期待される役割は「メンバーの育成」。一方で、管理職自身も育成を最も難しい業務と認識【図表3、4】
プレイングマネジャー化が進む中、本来のマネジメント業務に十分な時間を確保できていないという課題も【図表5、6】
「マネジメント業務の負荷を軽減するための取り組み」の支援を必要としている管理職層が最も多い【図表7】
管理職候補の育成・選抜で最大の課題は「管理職志望者の減少」。約3社に1社は管理職候補を増やす施策を実施していない【図表8、9】
管理職の生成AI活用はまだ発展途上 活用者は効果を実感する一方、約半数は未活用【図表10~13】


1.調査担当のコメント
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
トレーニングマネジメント部 トレーニング開発グループ 主任研究員
木越 智彰(きこし・ともあき)






 本調査では、昨年度に引き続き、人事担当者・管理職層のいずれも7割超が管理職層に課題感を持っていることが分かりました。中でも、管理職の仕事の増加や期待の高まりに伴う負担感は人事担当者・管理職層の双方で高く、管理職の過重負荷が依然として課題であることが改めて示されました。
 その中で、管理職が考える自身に最も期待される役割は「メンバーの育成」だが、育成を最も難しい業務と認識する傾向は継続。一方で、「担当部署の目標達成/業務完遂」など、仕事マネジメントに関する項目の順位が上がっており、プレイングマネジャー化もさらに進んでいます。業務面での成果創出や改善への要請に対応するために、実際に管理職自身が手を動かす業務が増えていることがうかがえます。
 こうした中で期待されるのがAIの活用ですが、仕事面もピープルマネジメント面も両方で活用の可能性を感じている管理職は多いものの、実際に活用している人はまだ少ない状況にあります。
 特にピープルマネジメント上の活用については、一方的なツール提供ではなく、管理職の実際の困りごとに寄り添いながら、人事として共創的にAI活用の方法を探り、組織に最適な活用方法を確立していくことが求められていると言えるでしょう。

2.調査の結果
人事担当者・管理職ともに7割超が管理職に課題感。管理職の負担増大や候補者不足、育成体制への課題も明らかに
- 自社の管理職層に関する課題感について、人事担当者では合わせて71.0%、管理職層でも、合わせて78.0%が管理職に課題感を持っている結果となった。
- 具体的にどのようなことを課題に感じているかに関しては、人事担当者では「管理職としてのパフォーマンスが不十分」が53.2%で最も高く、管理職層では、「管理職の仕事の増加や期待の高まりにより、負担が大きくなっている」が44.9%で最も高い結果となった。

⇒ 管理職をめぐる課題は、個人の資質や能力だけではなく、組織としての育成体制や人材確保にも広がっています。管理職自身も高い課題意識を抱えていることから、負担軽減や育成支援など、組織として管理職を支える取り組みの重要性が示されました。

【図表1】管理職層に関する課題感【人事担当者】【管理職層】
Q.管理職に関する課題感を持っていますか。お勤めの会社の管理職について、最もあてはまるものを1つ選択してください。




【図表2】管理職に関して課題に感じていること【人事担当者】【管理職】
Q.管理職に関して「課題感を持っている」とのことですが、課題に感じていることを具体的にお教えください。(複数選択)



- 管理職に最も期待される役割は「メンバーの育成」。一方で、管理職自身も育成を最も難しい業務と認識
- - 人事担当者に、管理職にどのようなことを期待しているか聞いたところ、「1.メンバーの育成」が41.8%で最も高く、次いで、「2.部署内の人間関係の円滑化」が26.4%、「3.業務改善」が25.6%となった。
- - 管理職自身に、管理職として重要だと考えている役割を聞いたところ、「1.メンバーの育成」が46.0%で最も高く、次いで、「4.担当部署の目標達成/業務完遂」が34.8%、「3.業務改善」が33.4%となった。
- - 日々のマネジメント業務で難しいと思っていることを聞いたところ、「1.メンバーの育成・能力開発をすること」が54.0%で最も高く、次いで、「2.メンバーの仕事に向けたやる気を高めること」が41.0%、「3.効率化のために仕事の進め方などを改善すること」が37.4%となった。

⇒管理職には、業績目標の達成や業務遂行だけでなく、人材育成や職場の関係性づくり、業務改善など多様な役割が期待されています。中でも「メンバー育成」は、人事担当者・管理職双方が最も重要と捉える役割である一方、管理職自身はその実践に最も難しさを感じていることが明らかになりました。

【図表3】管理職に期待していること【人事担当者】
    管理職として重要だと考えている役割【管理職】
Q.管理職にどのようなことを期待していますか。お勤めの会社で、管理職に期待しているテーマを以下から3つまで選択してください。
Q.管理職としてあなたが重要だと考えている役割は何ですか。以下から3つまで選択してください。



【図表4】日々のマネジメント業務で難しいと思っていること【管理職】
Q.日々のマネジメント業務で難しいと思っていることはありますか。以下からあてはまるものをすべてお選びください。(複数選択)



- プレイングマネジャー化が進む中、本来のマネジメント業務に十分な時間を確保できていないという課題も
- - 日々の業務のうちマネジメント業務の比率を聞いたところ、最も多かったのは「50%」で20.6%、次いで「30%」が18.6%となった。
- - マネジメント業務比率が100%ではない管理職にプレイヤー業務を行う理由を聞いたところ、「1.メンバーに知識・スキルが不足しており仕事を一任できない」が35.5%で最も高く、次いで、「2.メンバーに時間的な余裕がなく仕事を一任できない」が32.4%、「3.メンバーに開示できない情報を含んでいる業務がある」が29.3%となった。

⇒多くの管理職は、「プレイングマネジャー」として働いており、その背景にはメンバーへの業務委任が難しいという組織的な課題が存在しています。本来注力すべきマネジメント業務に十分な時間を確保できないことは、管理職自身の負担を増やすだけでなく、メンバー育成や組織運営にも影響を及ぼしている可能性があります。また、メンバーに知識・スキルが不足しており業務を任せられず、管理職自身がプレイヤー業務を担うことでマネジメントに割ける時間が減少し、その結果として育成にも十分な時間をかけられないという負の循環に陥っている可能性もうかがえます。


【図表5】日々の業務のうちマネジメント業務が占める割合【管理職】
Q.あなたの日々の業務のうち、マネジメント業務が占める割合はどの程度ですか。最もあてはまるものを1つ選択してください。



【図表6】プレイヤー業務を行っている理由【管理職】
Q.マネジメント業務以外のプレイヤー業務を行っている理由として、あてはまるものをお選びください。(複数選択)



- 「マネジメント業務の負荷を軽減するための取り組み」の支援を必要としている管理職層が最も多い
- - 人事担当者に現在実施している管理職向け支援を聞いたところ、「A.評価者研修」(33.6%)が最も多く、次いで「B.マネジメントに関する研修・eラーニングの提供」(32.8%)、「C.昇格後のフォロー研修」「D.人事による個別サポート」(ともに27.4%)となった。
- - 一方、今後実施を検討している支援では、「L.マネジメントにおけるAI活用のサポート」(25.6%)が最も多く、「J.マネジメント業務の負荷を軽減するための取り組み」(24.6%)、「I.外部コーチによる個別コーチング」(21.8%)が続いた。
- - また、管理職自身が「あってよかった」と感じた支援では、「B.マネジメントに関する研修・eラーニングの提供」(17.8%)、「F.管理職同士の意見交換の場の設定」(17.4%)、「A.評価者研修」(16.0%)が上位となった。
- - 一方で、「今はないが必要としている支援」としては、「J.マネジメント業務の負荷を軽減するための取り組み」(15.0%)、「I.外部コーチによる個別コーチング」(12.0%)、「L.マネジメントにおけるAI活用のサポート」(11.4%)が上位となった。

⇒現在の管理職支援は研修や評価者教育を中心とした従来型の施策が主流であり、それらは管理職からも一定の評価を得ています。一方で、今後はAIを活用したマネジメント支援や業務負荷の軽減、個別コーチングといった、管理職一人ひとりの状況に寄り添う支援への期待が高まっています。

【図表7】
- すでに実施している管理職向けサポート【人事担当者】
以下から、すでに実施している管理職向けのサポートをお選びください。(複数選択)
- これから実施を検討している管理職向けサポート【人事担当者】
以下から、これから実施を検討している管理職向けのサポートをお選びください。(複数選択)
- あってよかった管理職向けサポート【管理職】
管理職として、あってよかったサポートをお選びください。(複数選択)
- 今はないが必要としている管理職向けサポート【管理職】
今はないが必要としているサポートをお選びください。(複数選択)




- 管理職候補の育成・選抜で最大の課題は「管理職志望者の減少」。約3社に1社は管理職候補を増やす施策を実施していない
- - 人事担当者に課長・マネジャー候補の育成や選抜における課題を聞いたところ、「1.課長・マネジャーになりたいという社員が減っている」(34.0%)が最も多く、次いで「2.課長・マネジャー候補に向けた育成の進め方」(31.6%)、「3.課長・マネジャーになる前に必要な経験を積ませること」(31.6%)が続いた。
- - 管理職候補者を増やすために実施している取り組みを聞いたところ、「1.キャリア面談などを通じた管理職志向の確認と支援」(23.0%)が最も多く、次いで「2.管理職のやりがいや成長イメージの情報提供」(18.6%)、「3.若手・中堅社員を対象とした管理職候補の早期選抜・タレントプール化」(18.4%)、が続いた。一方で、「10.実施していることはない」が32.8%と最も高く、約3社に1社が管理職候補者を増やすための取り組みを特に実施していないことが明らかになった。

⇒管理職育成の課題は、育成方法だけでなく、管理職志望者の減少や候補者不足にも広がっています。一方で、約3社に1社は候補者を増やすための施策を実施しておらず、将来的な管理職不足に備えるためには、管理職の魅力発信や早期育成など、計画的な人材育成を進めていくことの重要性が示されました。

【図表8】課長・マネジャー候補の育成や選抜における難しさ【人事担当者】
Q.課長・マネジャー候補の育成や選抜において、難しいと感じていることをお選びください。(複数選択)




【図表9】管理職候補者を増やすために実施していること【人事担当者】
Q.管理職候補者を増やすために実施していることをお選びください。(複数選択)



- 活用者は効果を実感する一方、約半数は未活用。管理職の生成AI活用はまだ発展途上 
- - 管理職にマネジメント業務での生成AI活用状況を聞いたところ、「7.計画・企画立案」(14.8%)、「11.業務の改善」(14.0%)、「4.人材育成」(12.6%)などで活用が見られた一方、「12.あてはまるものはない」は49.4%と約半数が未活用だった。
- - また、生成AIによるマネジメント業務の削減効果や将来の変化については、「5.わからない・判断できない」が約4割を占める一方で、「2.業務がよりスムーズになる」「3.業務の進め方を見直せる」といった期待も一定数見られた。
- - 実際に生成AIを活用している管理職からは、評価コメントの作成、面談記録や議事録の要約、育成方針の壁打ちなど、幅広い業務で活用されていることが分かった。また、活用によって期待していたことでは「1.評価の公平性・正確性の向上」「2.業務の効率化・時間短縮」「3.心理的負荷の軽減」が上位となった。
- - 一方で、生成AIを活用していない管理職にその理由を聞いたところ、「特に理由はない」(46.4%)が最多となり、「人材マネジメントはAIに適さないと感じる」「どのように活用すればよいか分からない」「メリットをイメージできない」といった声があがった。

⇒ 管理職における生成AI活用はまだ発展途上である一方で、実際に活用している管理職からは、マネジメントの質向上や業務効率化などの効果が実感されており、生成AIには管理職の負担軽減や意思決定支援を後押しする可能性が期待されています。今後は、人材マネジメントにおける適切な活用方法やAIと人それぞれが担う役割を明確にし、安心して活用できる環境や支援体制を整備していくことが重要であると考えられます。

【図表10】マネジャーの役割・業務における生成AI活用状況【管理職】
Q.マネジャーの役割・業務のうち、生成AIを活用しているものをお選びください。(複数選択)



【図表11】生成AIによる人材マネジメント業務の削減可能性【管理職】
Q.生成AIによって、人材マネジメント業務をどの程度削減できると思いますか。最もあてはまるものを1つ選択してください。



【図表12】生成AI活用によるマネジメント業務の変化見通し【管理職】
Q.生成AIを活用することで、マネジメント業務はどのように変わると思いますか。あてはまるものをお選びください。(複数選択)



【図表13】
- 人材マネジメントへの生成AI活用に期待していたこと【管理職】
Q.人材マネジメントに生成AIを活用することで、どのようなことを期待していましたか。あてはまるものをお選びください。(複数選択)
- 人材マネジメントへの生成AI活用によって起こった変化【管理職】
Q.人材マネジメントに生成AIを活用したことで、どのような変化が起こりましたか。あてはまるものをお選びください。(複数選択)




3.調査概要
マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2026
調査日: 2026年6月
対象者:企業の人事担当者。管理職層
調査方法:インターネット調査
人数:1,000名(内訳:人事担当者500名、管理職層500名)
リクルートマネジメントソリューションズについて
ブランドスローガンに「個と組織を生かす」を掲げ、クライアントの経営・人事課題の解決と、事業・ 戦略推進する、リクルートグループのプロフェッショナルファームです。日本における業界のリーディングカンパニーとして、1963年の創業以来、領域の広さと知見の深さを強みに、人と組織のさまざまな課題に向き合い続けています。
●事業領域:人材採用、人材開発、組織開発、制度構築
●ソリューション手法:アセスメント、トレーニング、コンサルティング、HRアナリティクス
また、社内に専門機関である「組織行動研究所」「測定技術研究所」を有し、理論と実践を元にした研究・開発・情報発信を行っております。
※WEBサイト:https://www.recruit-ms.co.jp
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