「私も元夫も結婚する前から趣味が多く、ひとりで過ごす時間も必要なので入籍を決めたときに子どもは作らないと約束していました。

多趣味な人間同士、結婚しても自由があって生活で揉めることはなかったのですが、元夫に私以外に好きな人ができてしまい、離婚を切り出されました。

離婚自体は、きちんと財産分与をしてくれたし未練もなく成立しましたが、『私は順調だと思っていたのに相手は水面下で別の女性と趣味以外の時間を楽しんでいた』事実が苦しくて、恋愛と趣味の両立に自信を失い、サーフィンなど外に出ることをやめてしまいました。

私はフリーランスのデザイナーで収入は安定しており、離婚後はひとり暮らしを始めたけれど、無気力というか仕事以外の趣味に以前のような情熱を持てなくなって。

仕事をする以外は配信サービスの映画を流してぼうっと見ている日々で、自由はあるのに何でこんなに虚しいのか、ひとりだと余計に思い詰めるというか、元夫が憎くなったりふたりの時間を大事にしなかった自分を責めたり、半年ほど苦しみました。

どうにか立ち直れたのはたまたま流していたTVアニメのおかげで、物語に引き込まれて笑っている自分に気が付いて、そこから作品を通して感情を取り戻していきました。

今までTVアニメにハマったことはなかったのですが、こんなに心を揺さぶられる世界があるのかと、目が開いた思いです。

いわゆる『推し』ができて、原作やグッズを買ったりコラボ商品を目当てに店舗を回ったり、以前のようなアクティブな自分が戻ってきました。

SNSで推し活用のアカウントを作り、同じような人たちと交流するのも刺激があって投稿を楽しんでいます。私と同じように、何かの作品を通して落ち込んでいたことから救われたという人もいて、心が動くきっかけになるのは不思議ではないのだと思いましたね。

離婚って、自分に非がなくても結婚生活がうまくいかなかったこと自体が大きな痛みになるとわかり、人との関係も趣味と同等に大切にするべきだと、今は思っています」(女性/32歳/セールス)

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こちらのケースでは、たまたま観ていた作品が心のアンテナに引っかかり、そこから物語に引き込まれて元気を取り戻した流れが印象的でした。

いわゆる「推し活」は、情熱を持てる作品やキャラクター、人物を応援する活動が前向きな気持ちを与えてくれるもの。ひとりになったからこそ時間やお金を費やせる自由は、自分を動かす新しい希望になるのですね。

一方で、熱を入れすぎると日常生活が疎かになったり出費がかさんだり、別の問題も推し活にはあります。生活を維持できる限度を守り、人とのつながりも大切にするバランスも忘れたくないですね。