~全国300名に聞いた傷の手当て実態調査~皮膚科医が教える「消毒しない・乾かさない」が正解の理由
【結論】本調査のポイント
【結論】すり傷は消毒したほうがいいかという質問への回答は『消毒しないほうがいい』です。消毒液は傷を治す細胞まで殺してしまい、傷の治りを遅くします。傷を早くきれいに治すには、流水で洗い流した後に湿潤環境を保つ『湿潤療法』が最も効果的で、傷跡も残りにくくなります。
・62.3%が「消毒して乾かす」という旧来の処置法を実践しており、正しい湿潤療法の認知度は28.7%にとどまる
・傷跡が残った経験者のうち73.4%が「消毒液を使用していた」と回答、消毒と傷跡の関連性が浮き彫りに
・湿潤療法を知っている人の87.2%が「傷の治りが早くなった」と効果を実感
用語解説
■ 湿潤療法(モイストヒーリング)とは
湿潤療法とは、傷口を乾燥させず、適度な湿り気を保つことで傷を治す治療法である。傷から出る浸出液には細胞の成長を促す成分が含まれており、これを活用することで傷の治りが早く、傷跡も残りにくい。消毒液を使わず、傷を乾かさないことが特徴で、現在の創傷治療の標準的な考え方となっている。
■ 消毒液(消毒薬)とは
消毒液とは、細菌やウイルスを殺菌・不活化するための薬剤である。イソジンやマキロンなどが代表的だが、傷口に使用すると細菌だけでなく傷を治すために必要な細胞(線維芽細胞など)も殺してしまうため、現在では傷口への使用は推奨されていない。
■ 創傷被覆材(ハイドロコロイドなど)とは
創傷被覆材とは、傷口を覆い、湿潤環境を維持するための医療用材料である。ハイドロコロイド素材の絆創膏(キズパワーパッドなど)が一般向けに市販されており、傷口からの浸出液を吸収しながら適度な湿り気を保つことで、傷の治癒を促進する。
従来の処置法と湿潤療法の比較

※一般的な目安であり、個人差があります。傷の状態によっては医療機関への受診が必要です。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、9月9日の「救急の日」に合わせて、全国の20~60代の男女300名を対象に「すり傷・切り傷の応急処置に関する実態調査」を実施しました。本調査では、日常的な怪我の手当てにおける認識と実態のギャップ、そして正しい傷の処置法である「湿潤療法」の認知度を明らかにしました。
調査背景
「傷は消毒して乾かす」という処置法は、かつては常識とされてきました。しかし、医学の進歩により、消毒液が傷を治す細胞まで殺してしまうこと、乾燥させることで傷の治りが遅くなり傷跡も残りやすくなることが判明しています。現在、医療現場では「湿潤療法」が標準的な創傷治療となっていますが、一般家庭にこの知識がどこまで浸透しているかは不明でした。救急の日を機に、正しい傷の手当て方法の啓発を目的として本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:全国の20~60代で、過去1年以内にすり傷または切り傷を負った経験のある男女
調査期間:2026年8月17日~8月26日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】62.3%が「消毒液で消毒する」と回答、旧来の処置法が依然として主流
設問:すり傷や切り傷を負った際、最初にどのような処置をしますか?

6割以上の人が消毒液を使用しており、現在推奨される「水道水で洗い流す」を選択した人は4人に1人程度にとどまりました。医学的には消毒液は不要であり、流水での洗浄が推奨されていることが十分に認知されていない現状が明らかになりました。
【調査結果】「ガーゼや通常の絆創膏で乾かす」が58.7%、湿潤環境を保つ処置は3割未満
設問:傷口の処置後、どのように保護していますか?

半数以上の人が傷口を乾燥させる従来の方法を選択しています。キズパワーパッドなどの湿潤療法用製品を使用している人は約2割にとどまり、「傷は乾かして治す」という旧来の認識が根強いことがわかりました。
【調査結果】湿潤療法を「知っている」はわずか28.7%、7割以上が認知していない
設問:「湿潤療法(モイストヒーリング)」という言葉を知っていますか?

湿潤療法の認知度は3割未満であり、実際に実践している人は15.3%にとどまりました。医療現場では標準治療となっている方法が、一般には十分に浸透していない現状が明確になりました。
【調査結果】傷跡が残った経験者の73.4%が「消毒液を使用していた」、消毒と傷跡の関連が浮き彫りに
設問:過去に傷跡が残ってしまった経験はありますか?また、その際の処置方法を教えてください。

傷跡が残った経験者のうち、約4分の3が消毒液を使用していました。消毒液が傷を治す細胞にダメージを与え、結果的に傷跡が残りやすくなるという医学的知見を裏付ける結果となりました。
【調査結果】消毒液の弊害を「知らなかった」が64.0%、従来の常識が見直されていない実態
設問:「消毒液は傷を治す細胞も殺してしまうため、傷口には使わないほうがよい」という情報を知っていましたか?

消毒液の弊害を知らない人が6割以上を占めました。「消毒=清潔=良いこと」という認識が根強く、消毒液が傷の治りを遅くするという事実が一般に浸透していないことが判明しました。
調査まとめ
本調査により、すり傷・切り傷の応急処置において、医学的に推奨される「湿潤療法」の認知度がわずか28.7%であり、62.3%の人が「消毒して乾かす」という旧来の処置法を続けている実態が明らかになりました。傷跡が残った経験者の73.4%が消毒液を使用していたという結果からも、誤った処置法が傷跡を残す原因となっている可能性が示唆されます。救急の日を機に、「消毒しない・乾かさない」という正しい傷の手当て方法の啓発が急務であることが浮き彫りになりました。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、すり傷や切り傷の処置において最も重要なのは『消毒しない・乾かさない』ことです。かつての常識は完全に覆されており、消毒液は傷口に使うべきではありません。
今回の調査結果を見て、まだまだ正しい傷の処置法が浸透していないことを痛感しました。「傷は消毒して乾かす」という方法は、私たちの親世代から受け継がれてきた知識ですが、現在の医学では明確に否定されています。
消毒液(イソジンやマキロンなど)は、確かに細菌を殺す効果がありますが、同時に傷を治すために必要な線維芽細胞や上皮細胞も殺してしまいます。また、傷口を乾燥させると「かさぶた」ができますが、このかさぶたは細胞の移動を妨げ、傷の治りを遅くする原因となります。かさぶたの下で無理に治ろうとするため、結果的に傷跡が残りやすくなるのです。
正しい処置法は非常にシンプルです。まず、流水(水道水で十分)で傷口を5分以上しっかり洗い流し、砂や汚れを除去します。その後、湿潤療法用の創傷被覆材(キズパワーパッドなど)で傷口を覆い、湿潤環境を維持します。傷から出る浸出液には成長因子が含まれており、この環境を保つことで細胞が活発に増殖し、傷が早く、きれいに治ります。
ただし、すべての傷を自己判断で処置してよいわけではありません。傷が深い場合、出血が止まらない場合、異物が残っている場合、動物に咬まれた場合、糖尿病などの持病がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
【エビデンス】日本皮膚科学会の創傷・褥瘡・熱傷ガイドラインでは、創傷の洗浄には水道水を用いることが推奨されており、消毒薬の使用は推奨されていません。また、湿潤環境を維持する創傷被覆材の使用が、傷の治癒促進と瘢痕(傷跡)予防に有効であるとされています。
正しい傷の応急処置の手順
・流水(水道水)で5分以上しっかり洗い流す
・消毒液は使用しない
・湿潤療法用の絆創膏(創傷被覆材)で覆う
・乾燥させない・かさぶたを作らない
医療機関を受診すべきケース
・傷が深い、長い(2cm以上)場合
・出血が10分以上止まらない場合
・傷口に砂や異物が残っている場合
・動物に咬まれた・錆びた金属で切った場合
・赤み・腫れ・膿など感染の兆候がある場合
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. すり傷は消毒したほうがいい?
A. いいえ、すり傷に消毒液は使わないほうがよいです。
消毒液は細菌だけでなく、傷を治すために必要な細胞まで殺してしまいます。今回の調査でも、傷跡が残った経験者の73.4%が消毒液を使用していたことが判明しました。正しい処置は、流水で傷口をしっかり洗い流すことです。水道水で5分以上洗浄すれば、ほとんどの細菌は除去できます。
Q2. 傷を早くきれいに治す方法は?
A. 傷を早くきれいに治すには、湿潤療法が最も効果的です。
湿潤療法とは、傷口を乾燥させず、適度な湿り気を保つ治療法です。今回の調査で湿潤療法を実践している人の87.2%が「傷の治りが早くなった」と効果を実感しています。流水で洗浄後、キズパワーパッドなどの湿潤療法用絆創膏を使用することで、傷の治りが早く、傷跡も残りにくくなります。
Q3. 傷跡を残さないためにはどうすればいい?
A. 傷跡を残さないためには、消毒せず・乾かさず・湿潤環境を保つことが重要です。
調査結果から、消毒液を使用した人ほど傷跡が残りやすいことが明らかになりました。かさぶたを作らず、傷口を湿潤環境に保つことで、細胞がスムーズに移動・増殖し、傷がきれいに治ります。また、傷が治った後も紫外線対策を行うことで、色素沈着を防ぐことができます。
Q4. かさぶたは剥がしたほうがいい?
A. かさぶたは無理に剥がさないでください。ただし、そもそもかさぶたを作らない処置が理想的です。
かさぶたを無理に剥がすと出血や感染のリスクがあります。しかし、かさぶた自体が傷の治りを遅くする原因となるため、最初から湿潤療法でかさぶたを作らない処置をすることが最善です。今回の調査でも、58.7%の人がガーゼなどで傷を乾かしており、かさぶたを作る処置をしている人が多いことがわかりました。
Q5. 湿潤療法用の絆創膏がない場合はどうすればいい?
A. 市販の湿潤療法用絆創膏がない場合は、白色ワセリンとラップで代用できます。
流水で傷口を洗浄した後、白色ワセリンを塗り、食品用ラップで覆うことで湿潤環境を保てます。ただし、これは応急処置であり、できるだけ早く湿潤療法用の創傷被覆材を使用するか、医療機関を受診することをお勧めします。傷が深い場合や感染の兆候がある場合は、自己判断せず必ず受診してください。
放置のリスク
・誤った処置を続けると傷跡が残りやすくなる
・傷口の洗浄が不十分だと感染症(蜂窩織炎など)を引き起こす可能性がある
・深い傷を放置すると破傷風などの重篤な感染症のリスクがある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・傷が深い・長い(2cm以上)・出血が止まらない場合
・傷口に砂や異物が入り込んで取れない場合
・動物に咬まれた・錆びた金属で切った場合
・傷口周辺が赤く腫れている・膿が出ている・熱を持っている場合
・糖尿病などの持病があり、傷の治りが悪い場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・傷跡修正・瘢痕治療に対応する形成外科専門の診療体制
・創傷処置から傷跡のレーザー治療まで一貫した治療が可能
・土日祝日も診療、仕事や学校帰りにも通いやすい
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で診療中
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 One-葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
診療予約は以下より承っております。お気軽にご利用ください。
ご予約はこちら
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック新宿院 皮膚科・形成外科
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック渋谷院
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック上野院
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック池袋院
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック東京院
埼玉の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック大宮院
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
関連記事







