松岡修造は、最先端のリーダー像?
藤本さんは、広告代理店・ADKで13年間、マーケティングの仕事をしてきました。今の若者の価値観に詳しいひとりです。そんな藤本さんは、最近の若者のことをこう説明。
「明確な『自分のものさし』を持ち、上からの押しつけを嫌う今時の若者たち。彼らを権威によって強制的に動かそうとするのは、もっとも上手くいかない方法です。どれだけ社会的立場が高い人からの命令であっても、彼らは、自分たちが納得できないことであれば、積極的に動こうとしません」(同書より)
最近の若者の分析に「ウンウン」と納得する人も多いのでは。もちろんすべての人が当てはまるわけではありませんが、確かに彼らと松岡さんの相性は良さそうですね。
「指導している若者たちの中に入って、対等な目線で『やろう!』と語りかけ、自分が誰よりも熱くあることで、みんなを引っ張っていこうとする。(中略)明確な目標を持って、そこに熱く突き進んでいる(また、今時の若者たちにとっては『実力があるのに、完璧ではなく、いじられそうなスキがある』ということも大事で、そこもネタとして受けている理由のひとつだと思います)」と、藤本さんは松岡さん人気の理由を語ります。
確かに松岡さんは孤高の指導者というよりも、チームの輪に溶け込み、そこから集団を牽引するリーダータイプ。自身の経験値からすべて判断するわけではなく、部下の言葉に耳を傾け、それを尊重しつつアドバイスしていく姿は、現在のリーダー論の最先端なのかもしれませんね。
【書籍情報】
『つくし世代 「新しい若者」の価値観を読む』藤本耕平著 光文社