~都市の水上サウナから神話に着想を得たサウナ、湖畔での滞在まで。熱、水、自然、そして「立ち止まる時間」という本質はそのままに、新たな形へと進化を続けるフィンランドのサウナ文化~


クレジット:Lehmonkarki Resort/Visit Finland

フィンランド人にとって、サウナは単なるウェルネス習慣ではありません。サウナは、国民的なアイデンティティの一つであり、リラックスし、人々と交流し、火照った体を冷まし、自然の中で過ごすための場所であり、日常生活に欠かせない要素です。今日では、その本質や伝統を大切に受け継ぎながらも、現代のウェルビーイングや、デザイン、宿泊施設、文化、そしてアウトドアアクティビティと結びつき、ますます多様でクリエイティブな形へと進化を続けています。
今回は、そのようなフィンランドのサウナ文化が垣間見える、6つの新たなサウナ体験について、ご紹介します。

1.フィンランドの伝統的なサウナ文化と現代のウェルビーイングが融合された 「Kamp Spa」

クレジット:Hotel Kamp/Visit Finland 

クレジット:Hotel Kamp/Visit Finland

ヘルシンキの中心部にある、「Hotel Kamp」がフィンランドのサウナの伝統と、リカバリー(疲労回復)やウェルネスに対する現代的なアプローチを組み合わせた、1200平方メートルのウェルビーイング施設「Kamp Spa」をオープンしました。
伝統的なフィンランド式サウナや、スチームサウナ、赤外線サウナに加え、プールや水風呂、独自トリートメントを完備。さらに、クライオセラピー(冷却療法)、ニューロソニックベッド、着圧セラピーなどの施設独自のトリートメント設備によって、一人ひとりにあったウェルネス体験を提供しています。
また、自家製コラーゲンアイスクリームや、伝統的なサウナ桶(loylykiulu)にインスパイアされたカップで提供される特製カクテルなど、遊び心のあるディテールにもフィンランドの伝統が息づいています。
Kamp Spaは、サウナ、リカバリー、そして日常の儀式がエレガントな空間で融合する、フィンランドのウェルネスの現代的な解釈を提案しています。

2.オウルの中心部にある水上サウナ「Hehku Sauna」

クレジット:Hehku sauna/Visit Finland

クレジット:Hehku sauna/Visit Finland

オウルでは、サウナ文化が海へと広がっています。オウルマーケット広場のすぐそばに位置するHehkuはサウナで温まった後、そのまま海に入って泳いだり涼んだりできる水上の公共サウナです。
Bastusaunaのコンセプトによって創設され、今年7月にオープンしました。Hehkuは全てセルフサービスになっており、オンラインで予約をすると個別のアクセスコードが送られてくるため、予約時間に合わせて訪れる仕組みです。また、年中無休で営業しているため、夏には爽快な遊泳を、冬は冷たい水や氷の張った海での寒中水泳と、季節ごとに全く異なるフィンランドならではのコントラストを楽しめます。
サウナと水泳、そして街の中心部にある水辺という立地の組み合わせにより、Hehkuは、都市生活の一部として、フィンランドのサウナ文化を手軽に体験することができる場所となっています。

3.ピュハ湖を一望できる2つのサウナ「Lempee Sauna & Stay」

クレジット:Lempee Sauna & Stay/Visit Finland

レンパーラに位置する「Lempee Sauna & Stay」では、サウナと湖畔のモダンな宿泊施設が融合しています。
対照的なデザインの2つのサウナには大きなガラス窓があり、ピュハ湖を見渡し、周囲の自然を体験の中に取り込むことができます。
「Kajo」は、現代的なスカンジナビアン・サウナデザインを体現しており、明るくミニマルな雰囲気の中で優しく心地よいロウリュ(サウナストーンに水をかけて発生する蒸気)を楽しめます。一方「Korpi」はフィンランドのサウナの伝統を受け継ぎ、手斧で削られた丸太、温かみのある照明、そして温度を変えて楽しめる3段のベンチを備えています。
ゲストは、温水・冷水プール、湖での水泳、そして自然に囲まれた2名用のコテージ5棟も楽しむことができます。タンペレ中心部から30分弱の場所にあるLempeeは、日常の喧騒から離れて、サウナ、湖、コテージライフというフィンランドならではの良さを楽しむことができます。

4.パイエンネ湖の神秘 「Sisusauna」

クレジット:Lehmonkarki Resort/Visit Finland 

クレジット:Lehmonkarki Resort/Visit Finland 

パイエンネ湖の畔に位置する、「Sisusauna」は、古代の岩絵、地元の物語、そしてフィンランドの神話から着想を得ています。伝統的なフィンランドの木材と現代の職人技が、古代のエッセンスとモダンデザインが交差する空間を創り出しています。
3段のベンチで異なる強さのロウリュを楽しめるほか、目の前に広がる湖がこの体験の核となっています。
Sisusaunaは、大人専用のアウトドアスパ「AISTI Sauna Spa」に新しく加わった施設です。
このスパには5つのサウナ、温水インフィニティプール、屋外ジャグジーがあり、パイエンネ湖に直接アクセスして水泳や冬の氷中水泳を楽しむことができます。その中心にあるのが、2026年にフィンランドのベストサウナに選ばれた伝統的なスモークサウナです。
AISTIのこれらの体験は、サウナをフィンランドの自然、木、煙、冷水、そして静寂を通じた感覚的な旅へと昇華させています。

5.ヘルシンキのローカルのように楽しむサウナ「Loylykontti」

クレジット:Loylykontti/Visit Finland

クレジット:Loylykontti/Visit Finland

ヘルシンキの有名なサウナランドマーク以外の場所を探している旅行者にとって、「Loylykontti」は、日常の都市生活の一部としてのサウナを垣間見ることができる場所です。スヴィラハティウォーターフロントに位置する、ソルナイネンの最新施設では、バルト海を一望することができる、木張りのコンテナサウナが2棟設けられています。他の利用者と一緒に楽しむセッションのほか、サウナを貸し切ることも可能で、夏にはそのまま海へ、冬には整備された氷の穴から寒中水泳を楽しむことができます。
コンセプトは、意図的にシンプルに作られています。受付やメンバーシップ、決められた作法などもありません。ただサウナ、冷たい水、そして海辺で過ごす時間があるだけです。
スヴィラハティの文化施設や、カッリオ地区のレストランやバーにも近く、地元の住民が一年を通して通うような、「近所のサウナ」を体験する機会を旅行者に提供しています。
このコンセプトは現在拡大中で、エイラ、ヤトカサーリ、タパニンヴァイニオ、パレッティランピの4つのヘルシンキ市内の新拠点の計画が進められています。いずれも冬の寒中水泳を楽しめることを念頭に設計されています。

6.サウナ、文化そして最高のアウトドア体験「Lykynlampi Sauna World」

クレジット:Karoliina Gavrilov, Lykynlampi /Visit Finland

クレジット:Karoliina Gavrilov, Lykynlampi /Visit Finland

ヨエンスー郊外に位置する「Lykynlampi Sauna World」は、サウナ、カレリア地方の伝統、自然、そしてアウトドアアクティビティを融合させた施設です。
現在、「Kelo」と「Valo」という2つの体験型サウナを備え、夏には湖での水泳、冬には寒中水泳や冷水プールを楽しむことができます。周辺のレクリエーションエリアでは、フィンランド最大の景観ブランコをはじめ、「Lykyfest」などのイベントも開催され、サウナ以外にもさまざまな体験が楽しめます。
また、「Lykynlampi」は、グラベルサイクリングを楽しむ人々の立ち寄りスポットとしても注目されています。サウナでは自転車のレンタルも可能で、「Saimaa by Cycle」ネットワークの一部である、全長約65kmの「Pyhaselka Loop」をはじめとするサイクリングルートを楽しむことができます。「Lykynlampi Sauna World」は現在も拡大し続けており、3つ目となる体験型サウナを建設中です。
2027年のオープンを予定しており、カレリア地方のサウナ文化を体感できる新たな魅力が加わります。

水上に浮かぶ都市型サウナや現代的なスパから、湖畔の宿泊施設、自然の中で楽しめるアウトドアサウナまで、これらの体験は、フィンランドのサウナ文化がいかに新しい形を見出し続けているかを示しています。
それでも、その本質は変わりません。熱、水、自然、繋がり、そしてゆっくりと立ち止まる時間です。

Visit Finland (フィンランド政府観光局)について
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