秋のおしゃれネイルシーズンに急増する「ひょう疽」の実態と、自己処置の危険性を300名調査で明らかに
【結論】本調査のポイント
【結論】爪の横が腫れて痛い症状は「爪周囲炎」または「ひょう疽(ひょうそ)」の可能性が高く、自分で膿を出すのは感染拡大や骨髄炎のリスクがあるため絶対に避けてください。ジェルネイルで指が腫れた場合は、皮膚科または形成外科の受診が最適です。早期受診であれば抗生剤の内服のみで改善することが多いですが、膿が溜まっている場合は切開排膿が必要になります。
・ネイル愛好者の62.3%がジェルネイルや甘皮処理後に指先トラブルを経験
・指先が腫れた経験者のうち78.0%が「何科を受診すべきかわからなかった」と回答
・自己処置で膿を出そうとした人の41.7%が症状悪化を経験
用語解説
■ 爪周囲炎(そうしゅういえん)とは
爪周囲炎とは、爪の周囲の皮膚に細菌が感染して炎症を起こす疾患である。爪の横や根元が赤く腫れて痛みを伴い、進行すると膿が溜まることがある。ジェルネイルの装着や甘皮処理による微細な傷から細菌が侵入することで発症することが多い。
■ ひょう疽(ひょうそ)とは
ひょう疽とは、爪周囲炎がさらに進行し、爪の周囲に膿が溜まった状態である。黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌感染が原因で、強い痛みと腫れを伴う。放置すると骨髄炎や敗血症など重篤な合併症を引き起こす可能性がある。
■ 切開排膿(せっかいはいのう)とは
切開排膿とは、膿が溜まった部位にメスで小さな切開を加え、内部の膿を排出する外科的処置である。局所麻酔下で行われ、処置後は抗生剤の投与と創部の洗浄により治癒を促す。ひょう疽の根治的治療として皮膚科で広く行われている。
爪周囲炎・ひょう疽の治療法比較

※一般的な目安であり、個人差があります。
医療法人社団鉄結会アイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、皮膚腫瘍・皮膚外科治療を専門とするクリニックです。このたび、秋のネイルシーズンに増加する爪周囲炎・ひょう疽の実態を把握するため、ネイルを楽しむ20~50代の女性300名を対象にアンケート調査を実施しました。
調査背景
秋はファッションの衣替えとともに、深みのある色味やべっ甲柄など季節感のあるネイルデザインが人気を集める時期です。しかし、ジェルネイルの長期装着や甘皮処理の頻度が増えることで、爪周囲炎やひょう疽といった指先のトラブルも急増します。当院にも毎年この時期になると「爪の横が腫れて痛い」「膿が出てきた」といった相談が増加します。適切な治療につなげるため、ネイル愛好者の実態と受診行動について調査を実施しました。
調査概要
調査対象:全国の20~50代でジェルネイルまたはネイルサロンを利用したことがある女性
調査期間:2026年9月7日~9月16日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】ネイル愛好者の62.3%が指先トラブルを経験
設問:ジェルネイルの装着や甘皮処理の後に、指先(爪周囲)が赤く腫れたり痛んだりした経験はありますか?

6割以上のネイル愛好者が指先トラブルを経験しており、ジェルネイルや甘皮処理が爪周囲炎のリスク要因となっていることが示唆されます。特に「何度もある」と回答した人が約4人に1人という高い割合は、繰り返し発症するケースの多さを物語っています。
【調査結果】約半数が市販薬や自己処置で対応、早期受診は24.1%のみ
設問:指先が腫れた際、どのような対処をしましたか?(複数経験がある方は直近のケース)

自己処置や経過観察で済ませようとする人が多く、早期に医療機関を受診する人は4人に1人程度にとどまりました。特に「自分で膿を出そうとした」人が15.5%存在することは、感染拡大のリスクの観点から深刻な問題です。
【調査結果】78.0%が「何科を受診すべきかわからなかった」と回答
設問:指先が腫れた際、何科を受診すべきかすぐにわかりましたか?

爪周囲炎・ひょう疽が皮膚科で治療できることを即座に認識できた人は14.3%に過ぎず、約8割が受診先に迷ったり、わからないまま受診を見送っていることがわかりました。この認知不足が受診の遅れにつながっている可能性があります。
【調査結果】自己処置で膿を出した人の41.7%が症状悪化
設問:自分で膿を出そうとした経験がある方にお聞きします。その結果どうなりましたか?

自己処置で改善したのは約4人に1人程度で、4割以上が症状の悪化を経験しています。清潔でない器具の使用や不完全な排膿により、感染が拡大したり深部に膿が残ったりするリスクが高いことを示す結果です。
【調査結果】「予防法」と「正しい受診タイミング」への関心が高い
設問:爪周囲炎・ひょう疽について、今後知っておきたいことは何ですか?(最も知りたいもの)

予防法と受診タイミングを知りたいという回答が6割を占め、ネイルを続けながらもトラブルを防ぎたいというニーズが明確になりました。正しい情報提供により、重症化を防ぐ早期受診につなげることが重要です。
調査まとめ
本調査により、ネイル愛好者の6割以上が指先トラブルを経験している一方で、約8割が受診先を把握しておらず、早期受診率は24.1%にとどまることが明らかになりました。さらに、自己処置で膿を出そうとした人の4割以上が症状悪化を経験しており、自己判断による対処の危険性が浮き彫りになりました。爪周囲炎・ひょう疽は皮膚科で適切な治療を受ければ比較的短期間で治癒する疾患ですが、放置や不適切な自己処置により重症化するリスクがあります。秋のネイルシーズンを安全に楽しむためにも、正しい知識と早期受診の重要性を啓発していく必要があります。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、爪周囲炎・ひょう疽は早期に適切な治療を受ければ1~2週間で治癒する疾患ですが、自己処置による膿の排出は絶対に避けてください。
爪周囲炎は、爪の周囲の皮膚に小さな傷から細菌が侵入することで発症します。ジェルネイルの装着時のプッシャーによる甘皮処理や、オフ時のファイリング、ささくれを無理に引っ張る行為などが原因となることが多いです。初期症状は爪の横や根元の発赤・腫れ・痛みですが、進行すると膿が溜まりひょう疽となります。
自分で針や爪切りを使って膿を出そうとする方がいらっしゃいますが、これは非常に危険な行為です。不完全な排膿により深部に膿が残ったり、清潔でない器具の使用で新たな細菌が侵入したりすることで、症状が悪化するケースが少なくありません。重症化すると骨髄炎(骨への感染)や、まれに敗血症といった命に関わる合併症を引き起こすこともあります。
日本皮膚科学会でも、膿が溜まった状態での自己処置は推奨されておらず、医療機関での切開排膿が標準的な治療法とされています。皮膚科では局所麻酔下で安全に排膿を行い、適切な抗生剤を処方することで、確実な治癒へと導きます。
「爪の横が少し赤い」「触ると痛い」という段階で受診していただければ、抗生剤の内服のみで改善することがほとんどです。症状に気づいたら、様子を見ずに早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
【エビデンス】日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、膿瘍形成を伴う爪周囲炎(ひょう疽)に対しては切開排膿が推奨されており、抗生剤単独での治療は限界があるとされています。皮膚科医としての臨床経験からも、膿が溜まった状態を放置すると治療期間が長引き、瘢痕(傷跡)が残りやすくなる傾向があります。
受診すべきサイン
・爪の周囲が赤く腫れて熱感がある
・触ると痛い、またはズキズキする持続的な痛みがある
・白っぽい膿が透けて見える、または膿が出てきた
ネイル時の予防ポイント
・甘皮処理は無理に押し込まず、やさしく行う
・ささくれは引っ張らず、清潔なニッパーで根元から切る
・ジェルネイル装着中も爪周囲の保湿を心がける
・異変を感じたらネイルをオフして患部を清潔に保つ
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 爪の横が腫れて痛いのですが、これは何ですか?
A. 爪周囲炎の可能性が高く、進行すると膿が溜まるひょう疽になります。
爪の周囲が赤く腫れて痛む症状は「爪周囲炎」と呼ばれ、細菌感染によって起こります。本調査ではネイル愛好者の62.3%がこうした症状を経験していました。膿が溜まると「ひょう疽」となり、より強い痛みを伴います。早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
Q2. ひょう疽は自分で膿を出してもいいですか?
A. 自己処置は感染拡大や重症化のリスクがあるため、絶対に避けてください。
本調査では自己処置で膿を出そうとした人の41.7%が症状悪化を経験しています。清潔でない器具の使用や不完全な排膿により、感染が深部に広がる危険性があります。皮膚科では局所麻酔下で安全に切開排膿を行い、適切な抗生剤で治療します。
Q3. ジェルネイルで指が腫れたら何科に行けばいいですか?
A. 皮膚科または形成外科への受診が最適です。
調査では78.0%の方が「何科を受診すべきかわからなかった」と回答しています。爪周囲炎・ひょう疽は皮膚科の専門領域であり、診断から治療まで一貫して対応可能です。「まず皮膚科へ」と覚えておくと、いざという時にスムーズに受診できます。
Q4. 爪周囲炎を放置するとどうなりますか?
A. 骨への感染(骨髄炎)や、まれに敗血症など重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
爪周囲炎を放置すると感染が深部に広がり、指の骨に達する骨髄炎を起こすことがあります。また、細菌が血液中に入り全身に広がる敗血症は、命に関わる重篤な状態です。12.3%の方が「放置した場合のリスクを知りたい」と回答しており、正しい知識の普及が求められます。
Q5. ひょう疽の治療にはどのくらいの費用と期間がかかりますか?
A. 保険適用で2,000~4,000円程度、治療期間は1~2週間が目安です。
軽症で抗生剤のみの場合は1,000~2,000円程度、切開排膿を行う場合でも3割負担で2,000~4,000円程度です。調査では21.7%の方が「治療の流れと費用」を知りたいと回答しており、費用面の不安から受診を躊躇するケースも少なくないようですが、早期受診の方が治療期間も費用も抑えられます。
放置のリスク
・感染が深部に広がり、骨髄炎(骨への感染)を引き起こす可能性
・爪の変形や脱落が起こることがある
・まれに敗血症など全身感染に発展するリスク
・治療が遅れると傷跡が残りやすくなる
こんな方はご相談ください|受診の目安
・爪の周囲が赤く腫れて熱感がある
・触ると痛い、またはズキズキする痛みが続く
・白っぽい膿が見える、または膿が出てきた
・腫れが広がっている、または2~3日経っても改善しない
・発熱やだるさなど全身症状がある場合は緊急受診
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科・形成外科の両面からアプローチ可能 ※皮膚科一般外来は新宿院のみでの対応となります。
・切開排膿は局所麻酔下で痛みに配慮した処置を実施 ※新宿院皮膚科一般外来のみでの対応となります。
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で土日も診療
・当日予約・当日処置にも対応(症状による)
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 One-葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
診療予約は以下より承っております。お気軽にご利用ください。
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