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横浜流星が主演する金曜ドラマ「LOST10」が、16日22時からTBS系でスタートする。大河ドラマ以来の民放連続ドラマ出演となる横浜が、映画『国宝』の脚本家・奥寺佐渡子と再タッグ。「Nのために」「最愛」などを手掛けた塚原あゆ子監督、新井順子プロデューサーとともに、完全オリジナルのヒューマンサスペンス・エンタテインメントを届ける。
舞台は、北海道の壮大で過酷な大自然。登山ツアー中の遭難事故をきっかけに、横浜が演じる刑事・小駒と、小栗旬が演じるフリーの保険調査員・直が、食い違う証言や裏切り、巨大な権力に向き合い、真実に迫る。脚本の奥寺氏と監督の塚原氏に、作品への思いや制作の舞台裏を聞いた。
-お二人と新井プロデューサーが再び組んだ心境と、企画の経緯を教えてください。
塚原 前回ご一緒したドラマ「下克上球児」が終わったときに、次は何をやろうか、という話がありました。一つの事件を10話で追うのではなく、二転三転するサスペンスの企画書を作って「奥寺さんに相談してみよう」と。奥寺さんは即答で引き受けてくださいました。
-「LOST10」というタイトルに込めた意味を教えてください。
奥寺 脚本を書いていく中で、物語の中で誰かが何かを失っていることが多いなと気が付いたんです。失うだけでなく、道に迷ったり、自分の心を見誤ったり、勝負に負けたり。全10話でいろいろな「ロスト」が描かれるので「LOST10」に落ち着きました。
-北海道の山を舞台にした着想は、どこから生まれたのでしょうか。
塚原 まずは自然の中で撮ろうという企画がありました。街中に防犯カメラがある今の時代に、証言に頼らざるを得ない状況を作るのは難しく、目撃者の少ない山にしました。携帯電話が圏外になることも大きかったです。
-保険調査員という職業を描く上で、難しかったことや面白かったことはありますか。
塚原 以前、NHKの連続ドラマを制作したときに保険調査員という職業に触れました。お金の動機を追う人たちなので、行動原理で追う警察とは違う考え方で調査します。劇中に「預金通帳を見れば、その人の人となりが分かる」というせりふがあるのですが、残高や借金の有無、いつ増額したかなどから人を想像していく。警察とは違う発想で、事故・事件を両側から見られれば面白いと思いました。
-第1話に込めた思いや、撮影エピソードを教えてください。
奥寺 1話は人物紹介だけにならないように気を付けました。台本では状況説明に気を取られていたのですが、映像で見るとすっきりしていて、きちんと伝わってくる。そこが一番うれしかったです。
塚原 山は標高が高いので天気が変わりやすくて、撮影時はすごい霧でほとんど物が見えない状態でした。1話の最後の方に、横浜さんと小栗さんが電話をするシーンがありますが、小栗さんのシーンだけが晴れてしまって(笑)。最後にようやく山の全景が見えて終わったという思い出があります。
-横浜さんと小栗さんが演じたことで、キャラクターの印象は変わりましたか。
塚原 小駒は田舎の刑事で出世したいという設定があって、うだつが上がらない感じに近いのかなと思っていたのですが、横浜さんは身体能力に長けていて山をぐんぐん登るので、その姿を見るとうだつが上がらないというより、優秀な部分はあるのに力を発揮しきれていない、惜しいなという人物になったと思います。
奥寺 小駒も直も、2人が演じたからこその柔らかさや人間味がありました。そして、私も2人の身体性に驚きました。小駒も直もあくまで普通の人として書いていたので、「こいつ、やればできるのに」と、そこは見ていて楽しかったです(笑)。
-横浜さんのひげなど、外見にご本人のアイデアは反映されていますか。
塚原 横浜さんご本人が普段よりワイルドな感じに振っていきました。小駒は彼女がいなくて、北海道の地方に住んでいる設定なので、「自分だったら毎日ひげをそらない」という発想から来ていると思います。
-小栗さん、横浜さんとの会話で、印象に残っていることはありますか。
塚原 「このシーンの直は、最終的に明るいのか暗いのか」など、脚本の読み方で「奥寺さんはどう思っているのかな」とよく聞かれます。余白や行間が豊かな脚本なので、奥寺さんの意図を3人で想像して話すのが楽しいです。
-奥寺さんは、脚本と映像の違いをどう感じていますか。
奥寺 どのシーンがというのは言えないのですが、このチームは本当に素晴らしくて、撮影も音も編集も、私は大ファンなんです。玄関先しか映らなくても部屋の奥まで作り込んでくれたり、衣装も借りてきてすぐに着せるのではなく、何度も洗濯してくたっとさせたり。人が生きている細かいところを作ってくださるチームなので、ファンとして楽しみに見ています。
-2026年の今、この作品を送り出す意義やメッセージについて、どう考えていますか。
奥寺 今の時代の不安のようなものを画面に映して残せたらと思っています。社会に対する不安、人間関係の不安、何を怖いと思っているのか、何を信じたらいいのか分からないとか、そういう気持ちを残したいと思いました。
-最後に、放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
奥寺 1話では遭難救助の話と思われるかもしれませんが、2話から登場人物の印象が変わっていきます。小駒と直がどこにたどり着くのか、最後まで見届けていただきたいです。
塚原 金曜の夜にぴったりなワクワクする作品です。土日に考察したい方はしてもいいし、月曜日のランチでお友達と「見た?」と話せるように作っているので、それぞれの楽しみ方で見てくださったら光栄です。人間ドラマとしても重厚な作品になっているので、受け取ってもらえるものがあればうれしいです。
(取材・文/小宮山あきの)
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