大阪府泉大津市は、2026年10月24日(土)、避難所のレイアウトや資機材の使い方などを確認する防災訓練を開催します。狙いは、避難所の“質”を高めること。全国の被災地では、避難生活中に体調が悪化し命を落とす「災害関連死」が課題となっています。それは、南海トラフ地震や洪水のリスクを抱える泉大津市にとっても他人事ではありません。訓練では、市と地域住民が協力し、ストレスの少ない避難所を模索します。

【左上】避難所に設置された間仕切りテント(令和5年6月 泉大津市にて)
【中央上】市が保有する、充電式で持ち運び可能な「自動ラップ式トイレ」
【右上】避難所となる学校体育館に整備された非常用自家発電機
【左下】マンホールトイレの使い方を説明する自主防災組織のメンバー
【中央下】被災地で有効活用され、市も保有する「水循環型シャワーセット」
【右下】避難所内の支援物資置き場(令和6年2月 能登半島地震の被災地にて)
なぜ、訓練をするのか?
1. 「プライバシーがない」、「女性視点が欠けている」・・・課題山積の避難所避難生活中の肉体的・精神的負担などが原因で命を落とす「災害関連死」。能登半島地震では犠牲者の6割以上が災害関連死で亡くなるなど、全国の被災地で問題となっています。原因は、避難所の“質”の低さ。避難所では、「プライバシーがない」、「女性への配慮が欠けている」など、避難者が安心して過ごすことができない環境が課題となっています。
2.“備える”と“使える”は違う
災害関連死を防ぐには、無論、物資や資機材の整備が欠かせません。そのため、泉大津市では、避難者のプライバシーを確保するための「間仕切りテント」、排せつ物を清潔に処理して臭い漏れも防ぐ「自動ラップ式トイレ」など、避難所備品を充実させてきました。
しかし、整備するだけでは不十分です。そうしたモノは「どう使いこなすか」が鍵になります。例えば災害用トイレの場合、男性が出入りする場所に女性用トイレを設置するなど、場所を誤ると性被害のリスクが高まります。また、過去には、避難所に備蓄品があったにも関わらず、誰も使い方を知らなかったために有効活用されなかったケースもありました。泉大津市でも、避難スペースとなる小学校の体育館には、停電に備えて非常用発電機が整備されていますが、使い方を知る人はほとんどいません。
備えるだけでなく、使える備蓄に-。避難所の質を高めるため、今回の訓練では、こうしたモノの活かし方を検証します。
“5つ”の見どころ
【その1】フルスペックの「避難所モデルルーム」を展示!泉大津市ではこれまで、「いかに素早く避難所を開設できるか」という発災初期に焦点を当てた訓練を積み重ねてきました。一方で中長期的な避難所運営については、訓練はおろか災害時の実践経験もほとんどなく、避難スペースのレイアウトも整理されていません。そこで、学校体育館のスペースを最大限活用した避難所を再現。間仕切りテント等を敷き詰めた「避難所モデルルーム」を、まずはつくってみることで避難所の在り方を検証します。
【その2】ガイド役は地域住民。住民の「リーダーシップ」を磨く
避難所運営については、膨大な作業量に対応し、また、多様な意見を取り入れるため、市職員はもちろん、住民も主体的に参加する必要があります。そのため今回は、小学校区にある自主防災組織が中心となって避難所を設営します。さらに、設営した避難スペースや更衣室など各エリアのポイントについて、自主防災組織メンバーが来場者に説明します。もしもの時、地域住民がリーダーとなり、避難所を運営するための実践力を高めます。
【その3】掘り出せ!避難所に眠る「未知の設備」
小学校の体育館には、停電を想定して非常用発電機が備わっているほか、避難者が家族等と連絡を取れるように災害用特設公衆電話の回線が敷かれています。しかし、せっかく整えた設備も時間が経つと、操作方法はおろか、存在さえ忘れ去られてしまうケースがよくあります。きっかけは職員の「こんな設備あったんや」。訓練当日は、職員も住民も、非常用発電機などを見て・触れることで「宝の持ち腐れ」を無くします。
【その4】浸水は身近な災害?今こそ知るべき「車両脱出法」
近年、全国各地で豪雨が発生しています。特に都市部での浸水被害が頻発した今年は、車の水没や、運転中に浸水し車内に閉じ込められる事故が大きく報道されました。国交省によると、実は平成26年から令和5年までの10年間で、97%の市町村で水害(土砂災害含む)が発生。下水道の処理能力を超えることで発生する都市型水害は、泉大津市でも起こりえます。こうした水害から命を守るためには、いざという時に適切な判断と行動ができるよう、日頃から正しい知識を身につけておくことが重要です。そこで当日は、消防署員が市民向けの「浸水車両からの脱出講座」を開催します。本講座では、エートス協同組合との「訓練車両貸し出し等に関する協定」に基づき、同組合から提供を受けた訓練車両を活用します。消防署員が実際に窓ガラスを破る脱出方法を実演し、浸水車両に閉じ込められた際の脱出方法や緊急時に取るべき行動など浸水の脅威から命を守る方法を分かりやすく伝えます。
【その5】初心者大歓迎!学ぶ×楽しめるブースを多数出展
泉大津市において、災害に備えている市民の割合は48%。日頃、育児や仕事などで多忙な市民にとって、防災に関心を持つことは簡単ではありません。そうした市民に防災に親しみを持ってもらえるよう、体験型で気軽に備え方を学べるブースを出展します。何に興味を持つかは人それぞれ。防災になじみのない人も興味を持てるよう、炊出し、外国料理の非常食、災害用トイレ、自衛隊車両など、様々な切り口からアプローチします。
開催概要
【日時】令和8年10月24日(土)午前9時から正午頃まで
※一般来場の方は、10時20分から見学・参加可能
【場所】
泉大津市立条南小学校(泉大津市宮町9-1)
【対象者】
どなたでも来場可(泉大津市民以外も可)
【参加団体】
泉大津市(危機管理課・消防署)、市内の自主防災組織、陸上自衛隊第37普通科連隊第4中隊、泉大津市消防団、泉大津国際交流協会、社会福祉法人泉大津市社会福祉協議会、泉大津ライオンズクラブ、いずみそれいゆライオンズクラブ、NPO法人泉大津自主防災会、社会福祉法人泉大津市社会福祉協議会災害ボランティアセンター「防災女子部」
【連携協力企業】
エートス協同組合、(株)川上自動車鈑金塗装、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社
当日のタイムテーブル
※一般来場の方は、10時20分から見学・参加可能です。
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