ミラノ・トリエンナーレの工業的革新とデンマーク・キャビネットメーカーズ・ギルド展の手仕事の哲学。半世紀の時を超え、ロイズ・アンティークス 青山 / エゴイストにてマスターピースが対峙する。

企画展「PARALLELS ―並走する二つのモダニズム。南の工場と北の工房―」(ロイズ・アンティークス 青山 / エゴイスト)
家具には、その時代の思想と、ものづくりの哲学が刻まれています。
20世紀半ばの戦後ヨーロッパでは、暮らしのための家具を新しくつくろうとする二つのモダニズムが、異なる場所で異なる方法を選びながら、同時に走り始めました。
ヨーロッパのアンティーク・ヴィンテージ家具を展開する株式会社ロイズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:久保 洋平)は、2026年10月24日(土)から11月8日(日)までロイズ・アンティークス 青山にて、続く11月14日(土)から11月29日(日)までロイズ・アンティークス エゴイスト(目黒区碑文谷)にて、特別企画展「PARALLELS ―並走する二つのモダニズム。南の工場と北の工房―」を開催いたします。
ミラノ・トリエンナーレやコンパッソ・ドーロを舞台に花開いたイタリアの「工場」による工業的革新と、キャビネットメーカーズ・ギルド展を基盤にマイスターが磨き上げた北欧の「工房」による手仕事の哲学。半世紀以上の時を超え、対極のアプローチを選んだ名作ヴィンテージ家具が一つの空間で再び並走します。
◆展覧会公式ページ:
https://www.lloyds.co.jp/collections/parallels
■ ひとつは、イタリアの「工場」。
イタリアの家具は、戦後の高度経済成長と工業化を背景に、国際展「Triennale di Milano(ミラノ・トリエンナーレ)」を舞台として発展しました。1953年設立のTecno(テクノ)からは、翌1954年にOsvaldo Borsani(オズヴァルド・ボルサーニ)のD70が出品され金賞を受賞します。背と座がそれぞれ独立して倒れる機構を隠さず、見せることを選んだ家具でした。ボルサーニは続く1955年にも自在なリクライニング機構を備えたP40を発表し、可動家具の新たな領域を切り拓きます。また、1956年にはVittorio Nobili(ヴィットリオ・ノビリ)のMEDEA(メデア)がイタリアの工業デザイン賞Compasso d'Oro(コンパッソ・ドーロ)で高く評価されました。座から背までを、熱で三次元に成形した合板一枚のシェルでつくり、黒く塗装した金属脚で支えた椅子です。
工業化そのものが、新しい造形を生み出す力になりました。

Osvaldo Borsani | P40 イージーチェア for TECNO(Italy)― 可動機構を隠さず構造美へと昇華させた名作ラウンジチェア

Vittorio Nobili | MEDEA チェア for FRATELLI TAGLIABUE(Italy)― 三次元成形合板の一枚シェルを黒い金属脚で支えた名作チェア

Vittorio Dassi | シェルフ(Italy)― 豊かな木目と真鍮を工業的精度で融合させた収納家具
■ もうひとつは、北欧の「工房」。
1927年、デンマークのキャビネットメーカーズ・ギルド展が始まりました。安価な大量生産品との競争に直面していた1920年代のデンマークの家具産業が、この状況を打開するために始めた新作発表の展示会の場でした。建築家と熟練した家具職人=マイスターが協働し、木工や張り、ファブリックといった手仕事を基盤に、新しい家具の可能性を探りました。Mogens Koch(モーエンス・コッホ)が自邸のために設計したブックシェルフは、その考え方をよく表しています。同じ寸法の箱を組み合わせ、縦にも横にも積め、壁にも掛けられる。蔵書が増えれば、足していけばいい。1932年からは家具工房Rud. Rasmussen(ルド・ラスムッセン)がこれを製作しはじめました。設計者が寸法を決め、工房が組む。ギルド展を支えた関係が、そのまま形になった仕事です。新しい工業技術も、この枠組みの中で扱われました。Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)が1952年にFritz Hansen(フリッツ・ハンセン)のために手がけたHeart Chair(ハートチェア/FH4104)は、成形合板を主要な部材に使った、彼の仕事のなかでは例外的な椅子です。
素材に触れ、手で確かめ、つくりながら形を磨いていく。そこには、時間をかけて家具を完成させる思想がありました。

Hans J. Wegner | Heart Chair Model.FH4104 for Fritz Hansen(Denmark)― 成形合板の座面と無垢材の造形を融合させた3本脚チェア

Svante Skogh | デスク(Sweden)― 良質なチーク材の木目と軽やかな浮遊構造に熟練の木工技術が息づくデスク

Mogens Koch | ウォールユニット for Rud. Rasmussen(Denmark)― 建築家のモジュール設計を名門工房の木工技術で形にした収納
■ 「工場」と「工房」。
一方は、工場の技術が新しい形を可能にしました。もう一方は、職人の手がひとつずつ形を決めていきました。方法は正反対です。けれど、目指していたものは同じでした。それは、過去の様式を繰り返すのではなく、自分たちの時代にふさわしい家具をつくること。
本展では、この二つを、ひとつの空間に並走させます。 異なる思想から生まれた家具が隣り合うことで、それぞれの個性はより鮮明になり、同時に両者に共通する「未来の暮らしをつくろうとした意志」が浮かび上がります。 二つのモダニズムは、半世紀以上の時を超えて、いまこの空間で再び並走します。
主なデザイナー・アイテムラインナップ
・Osvaldo Borsani(オズヴァルド・ボルサーニ):D70 3Pソファ for TECNO / P40 イージーチェア for TECNO
・Vittorio Nobili(ヴィットリオ・ノビリ):MEDEA チェア for FRATELLI TAGLIABUE
・Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー):ハートチェア Model.FH4104 / デイベッド Model.GE258 / ダイニングチェア Model.CH29 / イージーチェア Model.GE240
・Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム):PK22 イージーチェア for E. Kold Christensen
・Mogens Koch(モーエンス・コッホ):ウォールユニット for Rud. Rasmussen
・Bruno Mathsson(ブルーノ・マットソン):PERNILLA イージーチェア&オットマン
・Vittorio Dassi(ヴィットリオ・ダッシ):シェルフ
・Svante Skogh(スヴァンテ・スコグ):デスク
・Jorgen Kastholm & Preben Fabricius(ヨルゲン・カストホルム&プレベン・ファブリシャス):FK82 イージーチェア
・Luciano Frigerio(ルチアーノ・フリジェリオ):イージーチェア ほか
開催概要
展覧会名:
PARALLELS ―並走する二つのモダニズム。南の工場と北の工房―
【第1会期:青山】
・会期:2026年10月24日(土)~ 11月8日(日)
・会場:ロイズ・アンティークス 青山(東京都渋谷区神宮前3-1-30)
・開館時間:11:00 ~ 19:00(会期中無休)
・TEL:03-5413-3666
【第2会期:エゴイスト】
・会期:2026年11月14日(土)~ 11月29日(日)
・会場:ロイズ・アンティークス エゴイスト(東京都目黒区碑文谷2-5-15)
・開館時間:11:00 ~ 19:00(会期中無休)
・TEL:03-3716-3338
・入場料:無料
・主催:株式会社ロイズ
・展覧会公式ページ:https://www.lloyds.co.jp/collections/parallels
※出品作品は会場にてご購入いただけます。詳細・コンディション等は会場スタッフまでお問い合わせください。
■ 株式会社ロイズ(ロイズ・アンティークス)について
1988年創業。ヨーロッパ各地から買い付けたアンティーク・ヴィンテージ家具を英国および国内自社工房(ファクトリー)に所属する熟練職人の技術によって構造から修復・再生し、全国およびオンラインで展開。フラッグシップスペースであるロイズ・アンティークス 青山(2002年オープン)や、コンセプトスペースのロイズ・アンティークス エゴイスト(碑文谷)をはじめとする各拠点を展開。「Save the Antiques」の精神とともに、長い年月を経て受け継がれてきた家具の意匠や造形、修復過程が生み出すエシカルで豊かなライフスタイルを提案しています。
・本社所在地:東京都渋谷区神宮前3-1-30
・代表取締役:久保 洋平
・公式サイト:https://www.lloyds.co.jp/
・公式Instagram:@lloydsantiques
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