「CEATEC 2026」のエディオンのブース
エディオンは10月13~16日に千葉・幕張メッセで開催されたデジタルイノベーション総合展「CEATEC 2026」に出展した。上席執行役員 営業本部の兵頭剛商品統括部長にその狙いと、新たにタイガー魔法瓶と共創して展開する「親孝行見守りパック」について聞いた。(BCN・細田 立圭志)
家電量販店のエディオンだからできる
(以下、敬称略) 家電は売って終わりではなく、買っていただいてからが本当のお付き合いになります。(異なる家電メーカーの製品をコントロールできる)エディオンスマートアプリを通じて、私たちの姿勢を業界関係者や多くの方々に直接お伝えしたいという思いがありました。
ネットにつながるIoT家電はとても便利ですが、家庭での初期設定や使いこなしに不安を感じるお客さまがまだ多いのが現状です。エディオンには全国約1200店舗と専門スタッフがいる強みがあります。販売した後も、商品を届けて、設定してつなぐことができます。ずっと支えていく現場力があるからこそ築ける、豊かな暮らしや見守り、防災などの安心の形を、多くの企業や自治体の皆さまと一緒につくっていきたいという考えのもと、2年連続で出展しました。
非常に高い評価と期待の声をいただいています。実際に参加しているメーカーさまからは、各社のアプリを一つにまとめるのはメーカーではできず、家電量販店であるエディオンだからできると評価いただいています。
またメーカーとしても、自社製品のネット接続を増やしたいという思いがある中で、直接お客さまと接点を持つエディオンがその入口となって設定してくれるのは、メーカーにとってもありがたいという声をいただいています。
家にある家電を丸ごとコントロールしたり、見守ったりするなど、メーカーとしても展開したいことを、エディオンが先駆けてチャレンジしている姿がすばらしいといった、大変励みになる声もいただいています。
さらに、アプリにつなげるだけでなく、データを使った見守りや防災への活用など、将来性も含めて期待されています。もちろん、ユーザー目線でもお客さまからも、本当に便利という声をいただいています。
そっと見守る、温かさを追求
タイガー魔法瓶とエディオンによる「親孝行見守りパック」で一番お伝えしたいのは、カメラによる監視感の強い見守りではないことです。毎日炊くおいしいごはんを通じて、離れて暮らす親御さんをそっと見守れる温かさを、タイガー魔法瓶さんと一緒になって手掛けていけないかということが発端で始まりました。
難しい操作は一切なく、炊いた時間や合数がわかるので、離れて暮らす家族の食事状況を緩やかに確認できるサービスになっています。
また、何よりも大きいのがIoT家電の一番の壁であるネットへの接続・設定です。ここをどう解消するかということで、今回、炊飯器に専用のモバイルルーター(Wi-Fiなどネット環境がある場合は不要)と設定サービスをセットにして、エディオンの専門スタッフがお客さまのところに訪問し、ネット接続から使い方までサポートする仕組みにしました。
エディオンスマートアプリが「スマートロック」にも対応
エディオンスマートアプリに参画するメーカーは、PBであるe angleのほかシャープ、ダイキン、東芝、三菱、パナソニック、日立、ハイセンス、ゼネラル、タイガー魔法瓶と増えている。
製品ジャンルもエアコン、洗濯機、冷蔵庫、エコキュート、空気清浄機、炊飯器、シーリングライト、HEMSなど拡大している。特定メーカーに依存しないマルチベンダー対応であるのが強みだ。
今回、エディオンスマートアプリに新しい見守り機能が加わった。e angleの「スマートロック ANG-SDL20A-BK」だ。今冬の発売予定。鍵を取り出さなくても、指紋認証やカード認証、スマホ開錠、暗証番号入力のマルチ認証に対応する。
また、エディオンスマートアプリと連携すれば、玄関ドアの開閉の履歴により、離れて暮らす家族の見守りになる。
デモでは、スマートロックで玄関ドアを施錠すると、エアコンと空気清浄機が自動でオフになる様子も確認できた。エアコンをつけっぱなしで出かけたといううっかりミスが防げる。もちろん、スマートロックの設置からアプリの設定まで、エディオンが一括で対応してくれるから安心だ。
タイガー魔法瓶にとっても社会課題の解決につながる
今回のCEATEC 2026では、エディオンブースの隣にタイガー魔法瓶もブースを構えて「親孝行見守りパック」をアピールしていた。タイガー魔法瓶にとっても、エディオンとのコラボは社会課題の解決につながるとみている。
タイガー魔法瓶の調べでは、親と連絡する理想は「月に1回以上」が72.2%だったのに対し、現実は「月に1回以下」の56.3%だった。現実では親に会えるのは「年1回以下」だという。また、食事の心配など見えない不安も約5人に1人が抱えている。
さらに、見守りができるIoT機器の導入率では、未導入が9割以上と高い。親だけで初期設定しなければいけないのと、子供の帰省は「年1回以下」で困難であるという課題が立ちはだかる。
そこで、エディオンが訪問サポートしてネットへの接続と設定を行う。毎日の生活状況をアプリで共有できる。親は炊飯器をいつも通り使うだけだから、ストレスもない。何か変化があれば、連絡するきっかけにもなる。
対象となるIoT炊飯器は「圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPA-S100」。もちろん、エディオンスマートアプリとTIGER HOMEアプリを連携させることで、炊飯器以外のエアコンや冷蔵庫、空気清浄機なども、一つのアプリで操作できるようになる。
今回、家族からのギフトらしさを演出するパッケージにもこだわった。家電量販店らしからぬピンクとホワイトのやさしいカラーを採用。パッケージの上には「いつもありがとう。毎日のごはんを楽しんでね。」というメッセージが印字してある。
タイガー魔法瓶のアカウント情報や見守りの通知先メールアドレスなども、あらかじめ記載しているカードを同梱しているので、エディオンのスタッフは届けた先の家族からヒアリングすることなく、設定作業がスムーズに行える。家族からのメッセージカードも入っている。
また、細かな配慮では、炊飯器のネット接続設定でエディオンのスタッフが本体を直接触れなくても操作できるように、本体に透明な袋をかけたままボタン操作ができるようにしているという。贈り物として受け取った側が驚くような、気の利いたきめ細かな対応といえるだろう。
なお、タイガー魔法瓶のブースでは、IoT電気ポットも参考出品した。給湯量と、本体内蔵のセンサーによる室温を自動計測。IoT電気ポットを通じて、遠く離れた家族の様子をそっと見守ることができる。
エディオンとタイガー魔法瓶の取り組みは、IoT家電による見守りの新しい形を示している。柔軟にシステム連携できるECHONET Web APIに対応しているので、将来的には自治体などと組んだ防災活動などへの拡張性や可能性も秘めている。IoT家電の普及では、ネットへの接続がラストワンマイルの課題としていつも議論になるが、家電量販店とメーカーの共創が、それを解決するための大きな一歩となりそうだ。







