企業の採用形態と求める人材像アンケート

株式会社帝国データバンクは、全国1,333社を対象に、企業が求める人材像についてアンケートを行った。
SUMMARY
主な採用形態を企業に尋ねたところ、「新卒採用がメイン」は18.9%、「中途採用がメイン」は81.1%だった。さらに、 どのような人材像を求めているか尋ねたところ、「コミュニケーション能力が高い」が30.6%でトップとなった。採用形態別で「新卒採用がメイン」と「中途採用がメイン」の差が大きかった項目では、新卒採用は「素直である」、中途採用は「行動力がある」と「責任感がある」だった。AIが普及しても企業が求める人材像は大きく変化していないとみられる。
調査期間:2026年10月9日~10月14日(インターネット調査)
有効回答企業:1,333社
「新卒採用がメイン」は大企業55.2%に対し、中小企業は13.6% 求める人材像、「コミュニケーション能力」がトップ
少子高齢化と慢性的な人手不足を背景に、空前の売り手市場といわれる令和の就活。新卒と中途のどちらを主に採用しているか尋ねたところ、「新卒採用がメイン」は18.9%で、「中途採用がメイン」は81.1%となった。企業規模別でみると、「大企業」は「新卒採用がメイン」(55.2%)が「中途採用がメイン」(44.8%)を上回った一方で、「中小企業」は「中途採用がメイン」が8割を超え、「小規模企業」は9割を超えた。規模が小さくなるほど、新卒採用の難しさや即戦力の確保、欠員補充のしやすさ、教育コストの削減といった観点から、中途人材を求めている様子がうかがえる。
続いて、企業にどのような人材像を求めているか尋ねたところ、「コミュニケーション能力が高い」(30.6%)がトップとなり、「真面目、または誠実な人柄である」(29.2%)、「意欲的である」(28.4%)が続いた(3つまでの複数回答)。コミュニケーション能力や真面目さなど協力して働く際に大事な要素が上位にあがった。他方、「専門的なスキルを持っている」や「AIやデジタル技術を活用できる」は低位にとどまった。採用時においては性格や素質を重視し、スキルや技術は入社後に習得できると判断している企業が多いとみられる。

新卒採用は「素直」、中途採用は「行動力」と「責任感」
求める人材像を採用形態別に比較すると、「新卒採用がメイン」と「中途採用がメイン」の差が大きかった項目は、新卒採用では「素直である」(31.8%)の差が特に大きかった。新卒採用においては、スキルよりも周囲からの助言を受け入れ、新しい知識や仕事の進め方を吸収できるかが重視されている可能性がある。「素直さ」は性格面の評価だけでなく、成長可能性を判断する材料の一つになっていると考えられる。
他方、中途採用では、「行動力がある」(20.2%)、「責任感がある」(28.4%)の差が特に大きかった。即戦力として業務を遂行するだけでなく、企業の成長を担う人材を求めている様子がうかがえる。
企業からは、「素直な性格が成長する第一の資質と考えている」(新卒採用がメイン、長崎県)という声があったほか、「長く働いて仕事を覚えてくれるように、積極性とコミュニケーションスキルを特に重視している。資格や知識、経験は入社後に身につけることが可能だが、資質を変えることはなかなか難しい」(中途採用がメイン、神奈川県)という声があった。
また、規模別にみると、「大企業」と「中小企業」の割合で最も差が生じたのは、「中小企業」で「責任感がある」(27.4%)の差が特に大きく、規模によって求める人材像の違いが表れた。企業からは、「中小企業の場合、個人によるスキルでは限界があり、チームによる総合力が不可欠。そのためにも真面目で誠実な人材でないと長く続かないと考える」(その他サービス、広島県)といった声が聞かれた。

欠かせないコミュニケーション能力や誠実さ
企業に採用形態を尋ねたところ、「新卒採用がメイン」は18.9%で、「中途採用がメイン」は81.1%となった。規模別でみると、大企業は新卒採用が半数を超えたものの、中小企業は1割程度で、新卒採用の難しさや即戦力を求める様子などがうかがえた。
また、採用活動でどのような人材像を求めているか尋ねたところ、「コミュニケーション能力が高い」がトップとなった。企業は専門能力だけでなく、周囲と協力しながら、継続的に仕事に取り組める人材を求めている。
2022年9月に帝国データバンクが行った同様の調査においても、「コミュニケーション能力が高い」がトップとなった。この間、4年が経過し、AIなどデジタル技術が普及してきている現在においても、企業が求める人材像は大きく変わらず、スキルや技術よりも、性格や素質を重視している。
技術や経験のある従業員の高齢化・退職が進み、企業の人手不足が加速する中で、専門的なスキルの有無を問わず、人材の取り合いが今後激しくなってくる。従業員の退職が進み、採用が限られた少人数の職場においては、コミュニケーションをとって、真面目に意欲を持って取り組む従業員は、企業に欠かせない存在だろう。今後もコミュニケーション能力や誠実さを持つ人材は重宝され、企業はいかにそのような人材を見抜き、採用につなげるかが重要となるだろう。
企業からの声
- 経験は後からついてくるが、元々の能力を補うのは難しい(飲食料品・飼料製造)
- 経験に基づいた仕事・技術・知識の伝承も含め健康であれば活躍してほしい(化学品製造)
- スキルがあろうと、好奇心旺盛・行動力があろうと、考え方や性格がポジティブな方を優先します
(飲食料品卸売)
- 自分で考えて積極的に動いてくれる人がほしい(飲食料品小売)
- 会社の雰囲気作りも仕事をする上で大事な要素だと考えている。新しい取り組みについても意欲的だと、共に成長していけるのではないかと思う(情報サービス)
- 中途採用が主であり、即戦力となる人材を希望。 長期的な意味で若い人の採用も必要だが、人材不足を補うのが主となる(飲食料品・飼料製造)
- 興味ある仕事であることが大事だと思う(娯楽サービス)
- 地方の小さい企業では、高度なスキルは求めてはいない(リース・賃貸)
- 学校で学んだ知識では戦力にならない。それよりも好奇心旺盛で、成長志向の強い人材の方が期待できる(機械製造)
- 知識やスキルは、入社後に身に付けてもらえれば良いので、それを受け入れる土壌がある人がほしい。ビジネスマナー等の教育コストは最小化したいため、中途採用が基本(広告関連)
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