10月23日「霜降」に合わせ、秋冬の唇荒れ・口角炎の実態を300名に調査|皮膚科医が解説する正しいケアと受診の目安

【結論】本調査のポイント
【結論】唇の皮むけが治らない主な原因は、乾燥に加えて「唇をなめる癖」による悪循環です。口角が切れる原因としては、乾燥・ビタミン不足・カンジダ感染などが考えられます。唇の荒れは皮膚科で診てもらえ、2週間以上治らない場合や口角炎を繰り返す場合は受診をお勧めします。

・唇の荒れが「リップクリームを塗っても治らない」と感じている人が73.7%
・唇を「つい舐めてしまう癖がある」人が62.0%、そのうち荒れが長引く人は84.3%
・唇の荒れで皮膚科を受診したことがある人はわずか18.3%にとどまる
用語解説
■ 口唇炎(こうしんえん)とは
口唇炎とは、唇に起こる炎症性疾患の総称である。乾燥・刺激・アレルギー・感染などが原因で発症し、唇の乾燥・皮むけ・ひび割れ・腫れ・かゆみなどの症状が現れる。慢性化すると色素沈着を起こすこともある。
■ 口角炎(こうかくえん)とは
口角炎とは、口角(唇の両端)に生じる炎症である。乾燥・細菌感染・カンジダ(真菌)感染・ビタミンB群欠乏などが原因となり、口角の亀裂・発赤・痛み・かさぶたなどの症状を呈する。
■ 舌なめ皮膚炎とは
舌なめ皮膚炎とは、唇やその周囲を繰り返し舐めることで生じる接触性皮膚炎である。唾液に含まれる消化酵素が皮膚バリアを破壊し、乾燥と炎症の悪循環を引き起こす。小児に多いが成人でも発症する。

唇の荒れ:セルフケアと皮膚科治療の比較

※一般的な目安であり、個人差があります。

医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、二十四節気の「霜降(そうこう)」にあたる10月23日に合わせ、秋冬に増加する唇の荒れ・口角炎に関する実態調査を実施しました。霜降は露が霜に変わり始める頃とされ、空気の乾燥が本格化する季節の節目です。この時期から急増する唇トラブルについて、300名へのアンケート調査と皮膚科医による解説をお届けします。
調査背景
秋から冬にかけて、唇の乾燥や皮むけ、口角の切れに悩む方が増加します。多くの方がリップクリームでケアを行いますが、「塗っても治らない」「すぐにまた荒れる」という声が後を絶ちません。当院の外来でも、この時期に唇の症状で来院される患者様が増える傾向にあります。そこで今回、唇の荒れに悩む方々の実態と、無意識の習慣が症状を悪化させている可能性について調査を実施しました。
調査概要
調査対象:過去1年以内に唇の荒れ(乾燥・皮むけ・ひび割れ・口角炎など)を経験したことがある全国の20~60代の男女
調査期間:2026年10月5日~10月14日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】7割以上がリップクリームを塗っても治らないと実感
設問:唇が荒れたとき、リップクリームを塗っても「なかなか治らない」と感じたことはありますか?



「よくある」「ときどきある」を合わせると73.7%に達し、多くの方がセルフケアの限界を感じていることがわかります。リップクリームだけでは改善しない場合、原因が乾燥以外にある可能性を考慮する必要があります。
【調査結果】6割以上が「つい唇を舐めてしまう」癖を自覚
設問:唇が乾燥したとき、つい舐めてしまう癖がありますか?



「よく舐めてしまう」「ときどき舐めてしまう」を合わせると62.0%となりました。唇を舐める行為は一時的に潤った感覚を得られますが、唾液の蒸発時にさらに乾燥を招き、悪循環を引き起こします。
【調査結果】舐める癖がある人の84.3%が荒れの長期化を経験
設問:唇を舐める癖がある方にお聞きします。唇の荒れが1週間以上長引いた経験はありますか?



唇を舐める癖がある人のうち、「2週間以上長引いた」「1~2週間程度長引いた」を合わせると84.3%に達しました。舌なめ皮膚炎の可能性も含め、この癖が症状を悪化・長期化させている実態が浮き彫りになりました。
【調査結果】約半数が口角炎を経験、うち3割は繰り返し発症
設問:口角(唇の端)が切れたり、ただれたりした経験はありますか?



口角炎を経験した人は55.3%と過半数を占め、そのうち「何度も経験がある」と回答した人が31.0%でした。繰り返す口角炎は、カンジダ感染やビタミン不足など根本原因の特定が必要なケースがあります。
【調査結果】皮膚科受診経験者はわずか18.3%、8割以上がセルフケアのみ
設問:唇の荒れや口角炎で皮膚科を受診したことはありますか?



唇のトラブルで皮膚科を受診した経験がある人は18.3%にとどまり、「唇の荒れくらいで病院に行くものではない」という認識が広がっていることがうかがえます。しかし、2週間以上治らない場合は感染症や他の疾患の可能性もあり、受診が推奨されます。
調査まとめ
本調査により、唇の荒れに悩む方の7割以上がリップクリームでは改善を実感できていないこと、そして6割以上が無意識に唇を舐める癖を持ち、それが症状の長期化につながっている可能性が示されました。また、口角炎を繰り返す人も3割に上る一方、皮膚科を受診したことがある人はわずか18.3%でした。セルフケアで改善しない唇の荒れには、乾燥以外の原因が潜んでいる可能性があり、適切な診断と治療を受けることの重要性が浮き彫りになりました。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、リップクリームを塗っても治らない唇の荒れの多くは、「乾燥」だけが原因ではありません。唇を舐める癖、口呼吸、接触性皮膚炎、カンジダ感染など、複合的な要因が関与していることが少なくありません。


唇は他の皮膚と異なり、角層が非常に薄く、皮脂腺や汗腺がないため、自ら潤いを保つ力が弱い部位です。そのため外的刺激を受けやすく、一度荒れると治りにくい特徴があります。

特に注意していただきたいのが「唇を舐める癖」です。乾燥を感じて舐めると一時的に潤いますが、唾液が蒸発する際に角層の水分も一緒に奪われ、さらに乾燥が進みます。また、唾液に含まれるアミラーゼなどの消化酵素が唇の薄い皮膚を刺激し、炎症を引き起こすこともあります。これが「舌なめ皮膚炎」と呼ばれる状態です。

口角炎については、単なる乾燥だけでなく、カンジダ(真菌)感染が原因となっているケースがあります。この場合、保湿剤やステロイド外用薬だけでは改善せず、抗真菌薬が必要です。また、ビタミンB2・B6・鉄分の不足も口角炎の原因となるため、繰り返す場合は血液検査を行うこともあります。

2週間以上セルフケアを続けても改善しない場合や、口角炎を何度も繰り返す場合は、ぜひ皮膚科を受診してください。原因を特定し、適切な治療を行うことで、多くの方が短期間で改善されています。


【エビデンス】日本皮膚科学会の診療指針においても、慢性的な口唇炎・口角炎については原因検索の重要性が示されています。皮膚科医としての臨床経験では、セルフケアで改善しない唇の荒れの約3割にカンジダ感染や接触性皮膚炎などの特定原因が見つかっています。
唇の荒れを悪化させるNG習慣
・唇を舐める(唾液の消化酵素が炎症を引き起こす)
・皮をむく(傷から細菌感染のリスク)
・刺激の強いリップ製品の使用(メントール・香料など)
正しい唇ケアのポイント
・ワセリンや低刺激のリップクリームでこまめに保護
・室内の加湿(湿度50~60%を目安に)
・口呼吸の改善(就寝時のマスク着用も有効)
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当


専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医


臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上


略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者


監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 唇の皮むけがリップクリームを塗っても治らないのはなぜ?
A. 乾燥以外の原因(舐める癖・接触性皮膚炎・感染症など)が隠れている可能性があります。
今回の調査では、73.7%の方が「リップクリームを塗っても治らない」と感じていました。これは、単純な乾燥ではなく、唇を舐める癖による悪循環(62.0%が該当)、リップ製品に含まれる成分へのアレルギー、カンジダなどの感染症が原因となっているケースがあるためです。2週間以上改善しない場合は皮膚科での診察をお勧めします。

Q2. 口角が切れるのは何が原因?
A. 乾燥・カンジダ感染・ビタミン不足・唾液の刺激などが主な原因です。
調査では55.3%が口角炎を経験し、うち31.0%が繰り返し発症していました。口角は唾液がたまりやすく、カンジダ(真菌)が繁殖しやすい部位です。また、ビタミンB2・B6・鉄分の不足も原因となります。繰り返す場合は、保湿だけでなく抗真菌薬や栄養状態の改善が必要なことがあります。

Q3. 唇の荒れは皮膚科で診てもらえる?
A. はい、唇の荒れや口角炎は皮膚科の診療対象です。
調査では皮膚科受診経験者はわずか18.3%でしたが、唇のトラブルは皮膚科で適切に診断・治療が可能です。必要に応じて真菌検査や血液検査を行い、原因に応じた外用薬(ステロイド・抗真菌薬など)やビタミン剤を処方します。「唇くらいで」と思わず、2週間以上治らない場合は受診をご検討ください。

Q4. 唇を舐める癖はどうすれば治せる?
A. こまめな保湿で乾燥を感じにくくし、意識的に癖を認識することが第一歩です。
調査では62.0%が唇を舐める癖を自覚していました。まずは乾燥を感じる前にワセリンなどで保護し、「舐めたくなる状況」を減らすことが有効です。また、自分が舐めていることを意識するだけでも頻度は減少します。就寝中の口呼吸対策としてマスクを着用することも効果的です。

Q5. 冬場の唇荒れを予防するには?
A. 保湿・加湿・刺激の回避を基本に、内側からのケアも意識しましょう。
霜降から冬にかけて空気が乾燥し、唇トラブルが増加します。予防のポイントは、1.外出前・食後・就寝前のこまめな保湿、2.室内の加湿(湿度50~60%)、3.刺激の強い食べ物や香料入りリップの回避、4.ビタミンB群を含む食品の摂取です。調査で84.3%が荒れの長期化を経験していた「舐める癖」を避けることも重要です。
放置のリスク
・唇を舐める癖を放置すると、舌なめ皮膚炎として慢性化し、色素沈着を起こす可能性がある
・カンジダ感染による口角炎を放置すると、口腔内への感染拡大や慢性化につながる
・ビタミン不足が原因の場合、貧血など全身の健康問題のサインである可能性がある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・リップクリームなどのセルフケアを2週間以上続けても改善しない場合
・口角炎を年に3回以上繰り返す場合
・唇の荒れに加えて、痛み・腫れ・水疱・出血などの症状がある場合
・唇以外にも口内炎や肌荒れが続いている場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・土日祝日も診療、当日予約・当日受診が可能
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院展開でアクセス良好
・皮膚科・形成外科の医師が在籍し、唇のトラブルから皮膚腫瘍まで幅広く対応(新宿院一般皮膚科のみの対応)
・保険診療を基本とし、患者様の負担に配慮した診療体制

アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 One-葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画

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