壱岐市とのエンゲージメントパートナー協定から世界11カ国へ。EXPO FUTURES AWARD「平和と人権」受賞へとつながった実践を報告。次世代の子どもたちが新たな国際協力教材の制作に挑戦
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(所在地:千葉県松戸市、代表:中村雄一)は、2026年10月18日・19日、長崎県壱岐市を訪問し、壱岐市立石田中学校および筒城小学校で「世界とつながる学び」講演会・フィードバック授業を実施しました。
今回の訪問では、壱岐市との協働によって生まれた「なかよしふりかけ」をはじめ、南スーダン、東ティモールなど世界各地で実践されてきた国際協力活動の成果を報告するとともに、2026年10月12日に受賞した「EXPO FUTURES AWARD 2026」の「平和と人権」部門テーマ特別賞(グランプリ)の栄誉を、プロジェクトに参加してきた壱岐の子どもたちへ届けました。

EXPO FUTURES AWARD 2026の受賞を報告するなかよし学園
さらに、壱岐市の篠原市長、山口教育長にも、これまでの児童生徒の取り組みと国際的な評価を報告し、感謝と表彰の機会を設けました。
今回の訪問で特に注目されたのは、過去の成果を喜ぶだけでなく、それを受け取った子どもたちが次の行動を始めていることです。石田中学校では1年生がグループごとの探究活動をもとに海外で役立つ教材やアイデアを考案。筒城小学校でも、3・4年生の積み木づくり、5・6年生の国語学習を生かした紙芝居制作など、新たな海外実装に向けた取り組みが動き出しました。
なかよし学園は、日本と世界の子どもたちが互いの学びを届け合う循環型平和教育モデル「CoRe Loop」を通じ、離島の学校で生まれた小さな一歩が、世界の誰かの希望につながり、その経験が再び子どもたちの自信と成長に還る教育の実現を目指しています。

EXPO FUTURES AWARD 2026の受賞を報告するなかよし学園
■壱岐島から世界へ。「なかよしふりかけ」が生んだ国際協力の新しいかたち
なかよし学園と壱岐市の協働は、2024年11月13日に締結されたエンゲージメントパートナー協定によって、自治体とNGOが継続的に取り組む国際協力へと発展しました。その象徴が、壱岐の食材を世界の子どもたちの笑顔につなげる「なかよしふりかけプロジェクト」です。
きっかけは、なかよし学園が壱岐で実施した「世界とつながる学び」講演会でした。世界には戦争や貧困の影響で十分な食事を取ることが難しい子どもたちがいる。その現実を知った壱岐の児童生徒、まちづくり協議会、地域事業者らが、自分たちの地域にある資源を生かして何かできないかと考え、規格外などで市場価値が低くなった食材を活用した「なかよしふりかけ」が誕生しました。
筒城小学校の児童たちは商品に添えるラベルやメッセージの制作にも参加。日本郵便をはじめとする地域の協力者とともに生まれたふりかけは、南スーダンや東ティモールの支援現場へ届けられ、現地の子どもたちや地域の人々との交流を生み出しました。
特に南スーダンでは、難民居住区での食糧支援や食育活動に活用され、壱岐の子どもたちの思いを込めた日本の食文化が、厳しい生活環境に置かれた人々のもとへ届きました。

南スーダンで活用されたなかよしふりかけ
南スーダンで活用されたなかよしふりかけ
また、壱岐市では東ティモールでの日本語図書室開設に向けた書籍寄贈にも協力し、94冊の本や教科書が集まりました。これらは単に物資を海外へ届ける支援ではなく、地域で学んだ子どもたちが、その学びを世界で役立てる実践として続いています。
コンゴ民主共和国をはじめ、なかよし学園が活動する世界各地の教育・平和構築現場との接点も、壱岐の子どもたちが「自分たちの学びを世界でどう生かせるか」を考える基盤となっています。

東ティモールに届いた壱岐市からの絵本・教科書
■壱岐の取り組みも国際的な評価へ。JACE準グランプリから万博レガシーのグランプリへ
こうした壱岐市との協働を含む「世界とつながる学び」は、国内外で高い評価を受けています。
2026年6月には、一般社団法人日本イベント産業振興協会が主催する第12回JACEイベントアワードにおいて、「地域が世界平和の当事者になる『世界とつながる学び』講演会」が、学生・NPO・各種団体・個人部門のシルバー賞(準グランプリ相当)を受賞しました。
さらに2026年10月12日、大阪で開催された「EXPO FUTURES AWARD 2026」において、なかよし学園が展開する「世界の子どもが未来を共創する。いのち響き合う平和教育モデル」が、「平和と人権」部門のグランプリとなるテーマ特別賞を受賞しました。

JACEイベントアワード
EXPO FUTURES AWARD 2026
2025年度以降、なかよし学園は日本全国50校超と世界11カ国をつなぎ、学校の授業や探究学習から生まれた教材を海外の教育現場で活用し、その成果を日本の学校へ還す活動を展開してきました。
壱岐市との「なかよしふりかけ」、石田中学校の「英語カルタ」、筒城小学校の児童たちが参加した平和教育も、この国際的な評価を支える重要な実践です。
壱岐の子どもたちが授業で考え、地域と協力して形にした活動が、世界の現場で実際に役立ち、教育・平和構築の取り組みとして評価された。それは、地方や離島という地理的条件にかかわらず、子どもたちが世界の課題解決に参加できる可能性を示しています。
今回なかよし学園が壱岐を訪問した目的の一つは、この評価を活動の担い手である子どもたちと分かち合うことでした。
石田中学校の「英語カルタ」ニュースリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000137.000166170.html
■「世界からのありがとう」を子どもたちへ。石田中・筒城小で「なかよし授賞式」
今回、なかよし学園は石田中学校と筒城小学校で、児童生徒のこれまでの取り組みをたたえる表彰を実施しました。
中村雄一代表は、EXPO FUTURES AWARD 2026の賞状とトロフィーを紹介しながら、今回のグランプリがなかよし学園だけのものではなく、世界の誰かのために考え、行動してきた子どもたちや教職員、地域の協力者とともに得た成果であることを伝えました。
通常、賞を受けた団体は、その栄誉を団体自身の実績として発表します。しかし、なかよし学園が大切にしているのは、評価を受けること自体ではなく、活動に参加した一人ひとりが「自分の行動が社会の役に立った」と実感できることです。
自分たちが制作したふりかけや教材が海を越えて届けられ、世界の子どもたちに使われ、その活動が社会から評価される。こうした経験を幼少期から積み重ねることは、自分の行動に意味があるという自己効力感や、社会の一員としての責任感を育む機会になります。
世界の誰かから届いた感謝を、今度は日本の教室へ。子どもたちの活動を可視化し、社会的な承認を次の学びへつなげることも、「世界とつながる学び」が重視する教育の一つです。

自分たちの行動が社会から評価されたことを実感する生徒児童たち
■石田中学校1年生、「こんなアイデアは世界で役に立ちますか?」――探究が次の国際協力へ
壱岐市立石田中学校では、昨年度の1年生が英語の授業で学んだ単語を「英語カルタ」に変え、海外の子どもたちが遊びながら英語を学べる教材として制作しました。
この教材は、なかよし学園を通じてルワンダなどの教育現場で活用され、日本の中学校で学んだ英単語が、海外の子どもたちの学習を支える道具となりました。

ルワンダで実装された英語カルタ
そして今回、新たな1年生たちが先輩の活動を引き継ぎ、それぞれのグループで探究してきた内容を生かして「今、自分にできること」を考えました。
授業では、各グループが自分たちのアイデアを中村代表に紹介し、「こんなアイデアは世界で役に立ちますか?」と問いかけました。
世界の紛争や貧困について学ぶだけではなく、実際に現地で活動するNGOの代表に自分たちの考えをぶつけ、実現可能性を確かめる。そこには、教科書の知識を学ぶ段階から、自らの知識を使って社会に参加しようとする生徒たちの姿がありました。
中村代表は世界各地の教育環境や文化、現地の子どもたちのニーズを踏まえて、生徒たちと意見を交わしました。
今後は各グループが考案したアイデアを具体的な教材や制作物へと発展させ、なかよし学園が海外の教育・平和構築現場で活用する予定です。
その後、現地で実際に使われた様子や子どもたちの反応を石田中学校へ報告し、生徒たちが自分たちの探究の成果を検証できる学びへとつなげていきます。

1年生が考えた「今、自分にできること」探究活動
1年生が考えた「今、自分にできること」探究活動
1年生が考えた「今、自分にできること」探究活動
■筒城小学校では積み木と紙芝居。いつもの授業が世界の子どもたちの教材になる
壱岐市立筒城小学校でも、新たな「世界とつながる学び」が進んでいます。
3・4年生が取り組んでいるのは、積み木の制作です。児童たちが工夫して作った積み木を、海外の学校や教育支援の現場で活用することを目指しています。

筒城小学校児童が作成した積み木。今後世界の授業で実装される。
積み木は、言葉が異なる子ども同士でも一緒に遊び、形や数、空間認識、創造力を学ぶことができる教材です。日本の小学生が自分の手で作った積み木が、世界の子どもたちの授業に加わることで、一つの教材を通じて国境を越えた学び合いが生まれます。

世界各国で実装される積み木
世界各国で実装される積み木
一方、5・6年生は国語の授業で学んだ物語を紙芝居にするなど、学校での学びを海外の子どもたちへ届ける活動を計画しています。
文章を読み、登場人物の気持ちを考え、物語を自分たちの言葉や絵で表現する。国語の授業で育んだ読解力や表現力が、海外では日本の文化や物語に触れる教材となります。
これらの活動で大切なのは、国際協力のために特別な能力や高価な道具を用意する必要がないということです。小学校で習う国語や図工、日々の遊びや地域での経験にも、世界の誰かに届けられる価値があります。
筒城小学校では、かつて制作した「なかよしふりかけ」が世界へ届きました。そして今度は、積み木や紙芝居が新たな国際交流の架け橋となります。
一度きりの支援ではなく、子どもたちが学年を重ね、新しい児童が活動に加わりながら、学校の中に「世界とつながる学び」が育っていることも、今回の訪問で確認された重要な成果です。
■篠原市長、山口教育長にも報告。壱岐市との協働が育てた世界に誇れる教育モデル
なかよし学園は今回、壱岐市の篠原市長、山口教育長にも、壱岐の子どもたちの活動が世界で生み出してきた成果と、JACEイベントアワードおよびEXPO FUTURES AWARDでの受賞について報告し、これまでの協働に対する感謝と表彰を行いました。
壱岐市は、2024年11月のエンゲージメントパートナー協定締結以前から、まちづくり協議会、小学校、郵便局、地域事業者などが連携し、地域資源を使った国際協力に取り組んできました。
「なかよしふりかけ」は食糧支援と食品ロス削減を結びつけ、地域の食文化を海外へ届ける取り組みへと発展。さらに学校教育の中では、ふりかけ制作から英語カルタ、積み木、紙芝居へと、その実践が広がっています。
こうした活動は、行政が国際協力の場を支え、学校が日常の教育活動を通じて参加し、地域住民や企業がそれぞれの専門性を持ち寄り、NGOが世界の現場との接点を担うという、多様な主体による協働モデルです。
壱岐という一つの島から生まれた取り組みが、海外の教育現場で活用され、国内外で評価を受け、再び地域の子どもたちへ還っていく。今回の受賞報告と表彰は、壱岐市とともに築いてきた国際協力の成果を地域全体で共有する機会となりました。

壱岐市篠原市長に壱岐の子どもたちの活躍を報告
壱岐市山口教育長に壱岐の子どもたちの活躍を報告
■なかよし学園代表 中村雄一代表コメント
僕たちが壱岐の子どもたちと出会ったとき、最初から世界を変えようと思っていた子は、決して多くなかったと思います。でも、世界の現実を知って、自分たちにできることを考えて、ふりかけを作ったり、英語カルタを作ったりしてくれました。その一つひとつが本当に世界へ届き、誰かの笑顔や学びにつながっています。
今回、JACEイベントアワードの準グランプリ、そしてEXPO FUTURES AWARDの『平和と人権』グランプリという大きな評価をいただきました。でも、この賞は僕たちだけのものではありません。壱岐の子どもたちも、先生方も、地域の皆さんも、一緒にいただいた賞なんです。
だからこそ、その喜びを子どもたちに直接届けたかった。自分が一生懸命考えたことが世界で誰かの役に立ち、社会から認められる。子どもの頃にそんな経験ができたら、きっと自分の可能性をもっと信じられると思います。
そして何より嬉しかったのは、今年の子どもたちが『こんなアイデアは世界で役に立ちますか?』と聞いてくれたことです。もう世界の問題を遠い国の話として見ていない。自分が関わることのできる問題として考え始めているんです。
壱岐の子どもたちが作ったものを、今度は僕たちが世界へ届けます。そして、世界の子どもたちの笑顔や『ありがとう』を必ず壱岐に持って帰ってきたい。僕たちが目指している平和教育は、こうした小さな成功体験が積み重なって、子どもたちの未来を変えていく教育です」

壱岐の小学校中学校での学びが世界の誰かの学びを応援する。ネパールからの贈り物に喜ぶ筒城小学校月川校長。
■今後の展開――壱岐の教室から、次の世界の教室へ
なかよし学園は、今回石田中学校で生まれた探究活動のアイデアや、筒城小学校で制作が進められている積み木・紙芝居を、今後の海外教育支援活動に活用する予定です。
海外での授業では、現地の教員や子どもたちの意見を取り入れながら教材を活用し、その反応や新たに生まれた学びを日本の学校へフィードバックします。日本の子どもたちが考えたものを海外へ届けて終わるのではなく、海外の子どもたちから新しい発見や感謝が還り、次の教材づくりや探究へと発展する循環を継続していきます。
また、壱岐市とのエンゲージメントパートナー協定を基盤として、教育、地域資源、食、文化など、離島の魅力を生かした国際協力をさらに推進していきます。
「世界平和」という言葉は、子どもたちにとって大きすぎる目標に感じられるかもしれません。しかし、授業で習った英単語も、自分で作った積み木も、読んだ物語も、誰かの役に立つ力を持っています。
壱岐の子どもたちがその可能性を知り、実際に世界で行動し、その成果が再び壱岐へ還ってくる。なかよし学園はこれからも、子どもたちの「自分にもできる」を、世界の誰かの「ありがとう」へとつなぎ続けます。

壱岐の人面石を見学する中村雄一代表
■関連情報
壱岐市とのエンゲージメントパートナー協定
https://www.city.iki.nagasaki.jp/soshiki/eng/pressrelease_sdgs/13798.html
石田中学校「英語カルタ」の海外実装
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000137.000166170.html
石田中学校「世界とつながる学び」フィードバック講演会
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000086.000166170.html
第12回JACEイベントアワード
https://award.jace.or.jp
EXPO FUTURES AWARD 2026「平和と人権」部門グランプリ受賞
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000164.000166170.html
なかよし学園プロジェクト公式サイト
https://nakayoshigakuen.org
■本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
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掲載時の写真クレジット:(C)なかよし学園プロジェクト
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