~メンタルヘルス対策全般については、成果を「十分」と感じる担当者は2割弱。休職者対応で難しいことの上位は「復職の判断」「再発の予防」~

医療法人社団明照殿が運営するリジェネレーションクリニック(所在地:愛知県名古屋市中区、理事長:小倉 行雄)は、従業員50名以上の企業で人事・労務に携わり、過去3年以内に休職者への対応を経験した300名を対象に、「企業の休職者対応と健康経営に関する意識調査」を実施しました。
調査の結果、勤務先がメンタルヘルス対策としてAIチャットやアプリなどのデジタルツール(以下、AI・アプリ)を導入していると答えた79名のうち、59.5%が「身体面の不調を見極めるとき」は人が直接関わる必要があると回答しました。導入していないと答えた221名(31.2%)の約2倍です。AI・アプリの活用が進むなかでも、人が直接関わる必要がある場面が「ある」と答えた人は、回答者全体の90.0%にのぼります。
一方、勤務先で何らかのメンタルヘルス対策や健康経営の取り組みを行っていると答えた268名のうち、休職の予防や職場復帰の成果に「十分につながっている」と感じている人は19.0%にとどまりました。休職者への対応で難しいと感じることは、「復職してよいかどうかの判断」(41.7%)、「復職後の再発を防げない」(38.3%)が上位です。
■ 調査結果サマリー
- メンタルヘルス対策としてAI・アプリを導入している企業の担当者(79名)では、59.5%が「身体面の不調の見極め」に、57.0%が「復職の判断」に、人が直接関わる必要があると回答。導入していない企業の担当者(221名)では31.2%、33.0%。- 回答者全体でも、人が直接関わる必要がある場面が「ある」と答えた人は90.0%。挙がった場面の上位は「復職の判断」(39.3%)、「身体面の不調の見極め」(38.7%)、「本人の本音や状態の把握」(38.3%)。
- 勤務先でメンタルヘルス対策や健康経営の取り組みを行っていると答えた人(268名)のうち、休職の予防や職場復帰の成果に「十分につながっている」と感じている人は19.0%。
- 休職者への対応や不調の予防が「十分にできている」と答えた人は15.3%。難しいと感じることの上位は「復職してよいかどうかの判断」(41.7%)、「復職後の再発を防げない」(38.3%)、「本人の状態や本音がつかみにくい」(35.7%)。
- 管理職や専門職など重要なポジションの従業員の休職で、対応に困った経験がある人は66.0%。休職の影響は「周囲の従業員の負担が増えた」(50.0%)が最多。
- メンタルヘルスの不調に、睡眠・栄養・生活習慣など身体面の要因が「関係している」と考える人は77.7%。医師による医学的な視点からのサポートを健康経営の施策として「検討したい」と答えた人は85.3%。
■ 調査の背景
厚生労働省の調査によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.8%で、前年の10.2%から上昇しました※1。精神障害による労災の支給決定件数も、令和7年度は1,082件と前年度を上回っています※2。企業の対策は進んでいます。労働者50人以上の事業所では93.7%がメンタルヘルス対策に取り組んでおり※1、2025年5月に公布された改正労働安全衛生法では、ストレスチェックの実施義務を労働者50人未満の事業場にも広げることが決まりました※3。メンタルヘルス対策の選択肢にはAIチャットやアプリといったデジタルツールも加わり、本調査でも回答者の26.3%が、勤務先で導入していると答えています。
対策の裾野が広がるなかで、実際に休職者と向き合ってきた担当者は何に難しさを感じ、どのような場面で人の関与が必要だと考えているのでしょうか。当院は、産業医・労働衛生コンサルタントとして約20年にわたり企業の健康管理に携わってきた理事長・小倉行雄の問題意識のもと、休職者への対応を経験した方に対象を絞って本調査を実施しました。休職の発生状況ではなく、対応にあたる側の実感に焦点を当てた調査です。
■ 調査結果の詳細
1. AI・アプリを導入している企業の担当者の6割が、「身体面の不調の見極め」に人の関与が必要と回答本調査では、従業員のメンタルヘルス対策のなかで、AIチャットやアプリなどのデジタルツールではなく、産業医や人事担当者などの「人」が直接関わる必要があると思う場面を尋ねました(複数回答)。
勤務先がメンタルヘルス対策としてAI・アプリを導入していると答えた人は26.3%(79名)でした。
この79名のうち59.5%が「睡眠・栄養・体質など、身体面の不調を見極めるとき」を挙げており、導入していないと答えた221名(31.2%)の約2倍です。「復職できるかどうかを判断するとき」は57.0%(導入していない回答者33.0%)、「一人ひとりの体質や生活に合わせて、個別に対応するとき」は43.0%(同29.0%)でした。「本人の本音や状態を把握するとき」は41.8%と37.1%で、大きな差は見られません。
AI・アプリを取り入れている企業の担当者ほど、身体面の見極めや復職の判断、個別の対応といった場面で、人が担う役割をはっきりと意識していることがうかがえます。

2. 回答者全体でも、9割が「人が直接関わる必要がある場面がある」と回答
300名全体で見ると、「人が直接関わる必要がある場面は特にない」は6.3%、「わからない」は3.7%で、90.0%の人が何らかの場面を挙げました。AI・アプリを導入していると答えた79名は、全員がいずれかの場面を挙げています。
最も多かったのは「復職できるかどうかを判断するとき」(39.3%)で、「睡眠・栄養・体質など、身体面の不調を見極めるとき」(38.7%)、「本人の本音や状態を把握するとき」(38.3%)、「一人ひとりの体質や生活に合わせて、個別に対応するとき」(32.7%)が続きました。

3. メンタルヘルス対策全般については、成果を「十分」と感じる担当者は2割弱
産業医との連携、ストレスチェック、社外の相談窓口、AI・アプリの導入、管理職向けの研修など、勤務先で何らかのメンタルヘルス対策や健康経営の取り組みを行っていると答えた人は89.3%(268名)でした。
この268名に、取り組みが休職の予防や職場復帰のうえで期待した成果につながっているかを尋ねたところ、「十分につながっている」は19.0%、「ある程度つながっている」は48.1%でした。「あまりつながっていない」(27.2%)と「まったくつながっていない」(4.1%)は合わせて31.3%です。取り組みに一定の手応えを感じている人が多数を占める一方で、「十分」と言い切れる人は5人に1人に届きませんでした。
現在の勤務先で、休職した方への対応やメンタルヘルス不調の予防が「十分にできている」と答えた人も、300名のうち15.3%です。最も多かったのは「ある程度できている」(48.3%)で、「あまりできていない」(27.0%)と「まったくできていない」(4.7%)は合わせて31.7%でした。

4. 難しいことの上位は「復職の判断」と「再発の予防」
休職した方への対応で難しいと感じること(複数回答)は、「復職してよいかどうかの判断が難しい」が41.7%、「復職した後、再び不調になることを防げない」が38.3%、「本人の状態や本音がつかみにくい」が35.7%でした。何らかの難しさを挙げた人は89.0%にのぼります。復職の判断と本音の把握は、人が直接関わる必要がある場面の上位にも挙がった項目です。担当者が難しさを感じている場面で、人の関与が求められていることがうかがえます。
また、「睡眠や食事など、生活面・身体面のことまでは踏み込めない」を挙げた人は20.3%でした。メンタルヘルス対策にAI・アプリを導入している企業の担当者(79名)では34.2%にのぼります。身体面の見極めに人の関与が求められる一方で、人事・労務の立場からは踏み込みにくい面があることがうかがえます。
一方、「気軽に相談できる専門家が身近にいない」は8.3%にとどまりました。専門家との接点はあっても、復職の判断や再発の予防といった一人ひとり事情の異なる場面で、担当者が難しさを抱えている状況がうかがえます。

5. 3人に2人が、重要なポジションの休職で対応に困った経験あり
管理職や専門職など、業務上重要なポジションの従業員が休職し、対応に困った経験を尋ねたところ、「何度もある」が34.3%、「1~2回ある」が31.7%で、合わせて66.0%でした。
従業員が休職したときに大きかった影響(複数回答)は、「周囲の従業員の負担が増えた」が50.0%で最も多く、「休職した方が担当していた業務が滞った」(32.7%)、「代わりの人材の採用や育成にコストがかかった」(26.7%)、「いつ復職できるか、見通しが立たなかった」(24.7%)が続きます。一人の休職が、職場全体の負荷につながっている様子がうかがえます。

6. 8割近くが「不調には身体面の要因も関係している」
メンタルヘルスの不調に、睡眠・栄養・生活習慣といった身体面の要因も関係していると思うかを尋ねたところ、「大いに関係していると思う」が28.0%、「ある程度関係していると思う」が49.7%で、合わせて77.7%でした。
また、従業員の休職を防いだり復職を支えたりするために、医師による医学的な視点からのサポート(面談や検査など)を健康経営の施策として利用できるとしたら検討したいかを尋ねたところ、「ぜひ検討したい」が30.7%、「内容によっては検討したい」が54.7%で、合わせて85.3%でした。休職者への対応を自分が中心となって担った人(130名)では「ぜひ検討したい」が43.8%で、チームの一員として関わった人(170名)の20.6%を上回っています。


■ 理事長・小倉 行雄 コメント
産業医として約20年、企業の現場で休職と復職に向き合ってきました。今回の結果で印象に残ったのは、AIやアプリを導入している企業の方ほど、人が関わるべき場面を具体的に挙げていたことです。AIやアプリは、不調の兆しに気づくきっかけや、相談の入口として役立ちます。
一方で、復職できるかどうかの判断や、睡眠・栄養といった体の状態の見極めは一人ひとり事情が異なり、人が向き合うことが欠かせません。
ツールを使っているからこそ、その先で人が担う役割が見えてくるのだと思います。なかでも睡眠や食事といった身体面は、人事の方からは踏み込みにくい領域であり、医師が関わることのできる部分だと考えています。健康経営は福利厚生ではなく、人材への投資です。
担当者の皆さんが難しさを感じている場面に、産業医や主治医、そして私たち医療機関がどう関わっていけるかを、これからも考えてまいります。
■ 調査概要
- 調査名:企業の休職者対応と健康経営に関する意識調査- 調査対象:全国の従業員50名以上の企業に勤務し、人事・労務に関する業務に関わっている会社員・経営者・役員のうち、過去3年以内に、メンタルヘルスの不調などにより1か月以上休職した従業員への対応を経験した方
- 有効回答数:300名
- 回答者の内訳:経営者・役員14.0%、人事・労務部門の管理職47.0%、人事・労務部門の担当者22.3%、他部門で人事・労務の業務に関与16.7%
- 調査期間:2026年9月28日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査主体:医療法人社団明照殿
※本調査は、休職者への対応を経験した方を対象とした意識調査であり、休職の発生率を示すものではありません。
※勤務先の取り組み状況は、回答者の認識に基づくものです。
※構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※本調査の結果を引用される際は、「医療法人社団明照殿調べ」と明記をお願いいたします。
■ 復職支援プログラム「リブート(Reboot)」について
当院は2026年8月、企業を対象とした復職支援プログラム「リブート(Reboot)」の提供を開始しました。検査と栄養学に基づく個別カウンセリングを組み合わせ、休職中または体調に不安を抱える従業員の回復を企業単位で支援するプログラムです。医師による月1回・30分の個別診察を6ヶ月間継続し、人事・労務ご担当者からのご相談に対応する法人窓口を設けています。※本プログラムは、ストレスチェック・産業医面談・リワークプログラムなど、既存の職場復帰支援の枠組みを代替するものではなく、体の状態という側面からこれらを補完するものです。実施にあたっては従業員本人の同意を前提とし、主治医・産業医との連携に配慮して進めます。疾患が疑われる場合には、適切な医療機関・診療科をご案内します。
※本プログラムは自由診療(保険適用外)であり、検査は疾患の診断・治療を代替するものではありません。
※費用:498,000円(税込)/6ヶ月間(検査・医師による診察・栄養カウンセリングを含む)。企業単位でのご契約となります。
※主なリスク・副作用:検査は採血を伴うため、まれに採血部位の内出血や痛みが生じることがあります。食事内容の変更や栄養補助食品の摂取により、体質によっては一時的な体調の変化が生じることがあります。検査結果は体の状態を把握するための参考情報であり、効果には個人差があります。
- サービスサイト:https://fukujin.jp/Reboot
- 関連リリース:リジェネレーションクリニック、休職者の復職を支える法人向けプログラムの提供を開始(2026年8月6日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000187109.html
■ 理事長・小倉 行雄について
医師・医療法人理事長。1998年名古屋大学医学部卒業。小児外科医を経て2005年より在宅医療に取り組み、愛知・岐阜・三重・静岡・山梨で24時間365日体制の訪問診療を行う「医療法人社団明照会」理事長を務める。日本医師会認定産業医・労働衛生コンサルタントとして約20年にわたり企業の健康管理に携わる。著書に『ビジネスエリートのための 医学的に脳のパフォーマンスをMAXにする方法』(青春出版社)。■ 法人概要:医療法人社団明照殿/リジェネレーションクリニック
リジェネレーションクリニックは、再生医療、機能性医学、栄養療法などを横断的に活用し、健康寿命の延伸と人生をより豊かにする医療を提供しています。検査データやライフスタイル、体質などを総合的に評価し、一人ひとりに合わせた医療をご提案。慢性疲労や原因不明の体調不良に悩む方から、経営者・アスリート・受験生など高いコンディションやパフォーマンスを求める方まで、幅広いニーズに対応しています。- 法人名:医療法人社団明照殿
- 理事長:小倉 行雄
- 設立:2023年8月
- クリニック所在地:〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目16-8 3F
- 診療内容:再生医療/機能性医学・栄養療法に基づくオーダーメイドの外来診療
- TEL:052-211-7885(受付:月~金 9:00~13:00/14:00~18:00)
- サービスサイト:https://fukujin.jp/Reboot
【プログラムに関するお問い合わせ】
リジェネレーションクリニック TEL 052-211-7885
(受付:月~金 9:00~13:00/14:00~18:00)
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■ 出典一覧
※1 厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」(2026年8月7日公表)
※2 厚生労働省「令和7年度 過労死等の労災補償状況」(2026年7月15日公表)
※3 「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」(2025年5月14日公布。ストレスチェックに関する規定は公布後3年以内に施行)
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