・メニュー選びをどうするべきか
「うん。もちろんアラカルトで頼んでもいいんです。でも、シェフはひとりしかいないし初めてだったら、おまかせにするという選択もいいんじゃないかな。大木さん、好きなものある?」
僕はビストロの定番、ウフ・マヨを!
「はい。じゃあウフと僕の好きな牛肉のクレピネットは入れて、あとはおまかせするのでシェフ、コースを作ってください」
さっそくパテ・ド・カンパーニュですね。美味しそう!
シェフ「ハムやベーコンも出来るだけ手作りにしようと思っているんです。まだ、味が決まらないので2週間に一度は配合を変えてみたりしてるんですよ」
本当だ。天井からハムが釣り下がってる。シェフ、フランスでもカウンタービストロはあるんですか?
シェフ「無いですよーそんなの。日本料理店くらいかな。フランスでは大きなテーブルというのはありますけどね」
フランスと日本は大前提がまったく違う
そうなんですか、小川さん。
「大前提として給仕人(サービスマン)がいるのが絶対という概念なんです。シェフは料理を作るだけ。サービスは給仕人がする。そういうシステムが出来あがっているから。フランスでひとりでお店に行ったことあります? もう、ずーっと給仕人が付きっ切りでサービスしてくれますよ。そういうものなんです。まあ、スペインはありますけどね」
そもそも日本のカウンターレストランの始まりはスペインバルですよね。
「そうです。2005年にオープンした恵比寿のティオ・ダンジョウ・バルあたりかな。スペインではああいう風に立ち飲みが多いですけどね」
シェフ「はい、次はキャロットラペです」
食感がきちんと残る、ぎりぎりの太さ。美味しいですねえ。で、小川さん。なんで最近カウンターレストランなんですかね。まあ、不況で大きなお店を維持できないというのはありますが。
「カウンターはスペース効率がとてもいいんです。席が少なくても格好がつく。しかも日本には昔から鮨にしろ、天ぷらにしろ、カウンター文化があるから。料理人が仕事をするのを見ながら食べると得した気分になったり。そういう下地と最近の経済情勢が相まって、カウンターのフレンチが流行しているんでしょうね」
みんな好きですもんね。シェフズテーブルとか。それを気軽に体験できるんですものね。やっぱりこういう店はふたりぐらいで行くのがいいんですか。
シェフ「おひとりでもいいですし、3人でも4人でもかまいませんよ!」
「うん。うまくカウンターの角を使えば4人でもいいんですよ。より親密感も出るしね」
シェフ「3品目はウフ・マスタード・マヨネーズです」
あれ! ウフってフランスでは、ただの茹で卵にマヨネーズとかマスタードをかけただけじゃないんですか。
シェフ「そうですよ。私が工夫しました。そぼろが入っているんです。玉子は奥久慈のを特別に仕入れています」
すごい白身の存在感ですねえ。とても気に入りました。
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