約1200年の茶づくりを受け継ぐ産地から、生産者も会場へ。日吉大社・森真吾宮司が伝える歴史的価値と、沢田羽照氏が煎茶道を通じて届ける香りと味わい。九条館で朝宮茶を知り、味わう二日間。
滋賀県甲賀市信楽町朝宮地域で約1200年にわたり受け継がれてきた、日本最古の銘茶「朝宮茶」。その歴史と魅力を全国へ発信する特別イベント「新しい朝宮茶」体験&ブランディングイベントを、2026年12月12日(土)・13日(日)の2日間、東京国立博物館の庭園内に位置する歴史的建築「九条館」(東京都台東区)にて開催します。
通常非公開の歴史的建築を舞台に、2100年続く日吉大社・森真吾宮司が語る朝宮茶の歴史と、黄檗売茶流初の西洋出身師範・沢田羽照氏によるお手前。12月12日・13日、二日間限りの特別な日本茶体験。

写真は朝宮の茶畑
朝宮茶は、平安時代初期に起源を持つと伝えられる、日本最古級の茶産地の一つで育まれてきました。山間の風土とともに、その豊かな香りを支えてきたのが、地域の生産者による茶づくりです。長い歴史や「香りの朝宮茶」という評価の背景には、茶畑を手入れし、茶葉に向き合い、技術を受け継いできた人々の仕事があります。
本イベントでは、そのつくり手であり生産者も会場で皆様をお迎え致します。 産地を遠い場所の名前として知るだけでなく、そこで茶をつくり続ける人々に触れ、一杯のお茶の背景に目を向けていただく機会を目指します。
生産者が育んだ茶を、歴史の面から理解し、実際に味わう。その両方を通じて朝宮茶を知っていただくことが、今回のイベントの中心です。
1200年の歴史を誇る朝宮茶。2100年の由緒を持つ日吉大社宮司が、その歴史をひもとく
滋賀県甲賀市信楽町の朝宮地域で生産される「朝宮茶」は、日本最古の歴史を持つ茶産地の一つとして知られています。その起源は平安時代初期にまでさかのぼると伝えられ、約1200年もの間、地域の人々によって茶づくりの技術と文化が受け継がれてきました。朝宮地域は山間地特有の気候と風土に恵まれ、古くから「香りの朝宮茶」と称される、芳醇な香りを持つ銘茶の産地として名を馳せてきました。しかし、こうした歴史的背景や産地の価値は、全国の消費者に十分に知られているとは限りません。
そこで今回、朝宮茶の歴史を語る特別講師としてお迎えするのが、日吉大社宮司・森真吾氏です。
日吉大社は、滋賀県大津市坂本、比叡山の麓に鎮座する約2100年の歴史を持つ古社です。全国の日吉・日枝・山王神社の総本宮として知られ、古くから近江の歴史や比叡山の信仰文化と深い関わりを持ってきました。

写真は日吉大社。語り手は森真吾宮司。
森宮司は、その歴史と伝統を現代に継承する立場から、朝宮茶の由緒や近江に根付く茶文化について講話を行います。単なるお茶の試飲にとどまらず、その背景にある日本の歴史や地域文化を学ぶことで、一杯の朝宮茶に込められた価値をより深く感じていただける機会を提供いたします。
黄檗売茶流初の西洋出身師範が伝統のお手前を披露
今回、朝宮茶の試飲体験を担うのは、煎茶道黄檗売茶流師範・沢田羽照(ウテ)氏です。ドイツ出身の沢田氏は、日本文化への深い関心から京都へ移住し、煎茶道の世界へ入門。2024年には、黄檗売茶流において西洋出身者として初めて師範免状を取得しました。
写真は黄檗山萬福寺で開催されたお茶会の様子。
日本人でさえ接する機会の少ない煎茶道の世界において、海外出身者がその伝統を継承する担い手となったことは、日本文化の国際的な広がりを象徴する取り組みの一つといえます。
沢田氏が師範を務める黄檗売茶流は、京都・宇治の黄檗山萬福寺に伝わる茶礼を源流とし、江戸時代に煎茶文化を広めた売茶翁の精神を受け継ぐ煎茶道の流派です。煎茶道は、抹茶を用いる茶の湯とは異なり、煎茶や玉露などの茶葉を急須で淹れて楽しむ日本の伝統文化です。お茶の味や香りはもちろん、茶器の美しさ、お茶を淹れる所作、空間のしつらえなどを通じて、日本の美意識や精神性を表現します。
当日は、沢田氏が黄檗売茶流の伝統的なお点前を披露し、朝宮茶を参加者に提供します。
茶葉の香りが立ち上がる瞬間や、丁寧な所作によって一杯のお茶が完成していく様子など、煎茶道ならではの文化的な魅力を体験していただきます。ドイツ出身の茶人が日本の伝統文化を伝え、1200年の歴史を持つ朝宮茶を振る舞う。国境や時代を越えて受け継がれる日本茶文化の魅力を、今回のイベントを通じて発信します。
「香りの朝宮茶」を未来へ。新たな高級煎茶の開発に向けた試飲・評価を実施
今回のイベントは、歴史や伝統を紹介するだけではありません。朝宮茶が持つ魅力を現代の消費者に届け、将来の茶産業へとつなげるための、新たな商品開発も重要な目的の一つです。朝宮茶は、古くからその豊かな香りによって高く評価されてきました。今回、この特徴に着目した「新しい朝宮茶」の開発を進めており、会場では試作段階の高級煎茶を参加者に提供します。
歴史ある茶産地の魅力を生かしながら、現代の市場に求められる高級日本茶ブランドの確立を目指します。歴史的な価値を守るだけでなく、次世代に受け継がれる産業として発展させるための、新たな挑戦です。

写真は朝宮の茶畑。
舞台は名門公家・九条家ゆかりの歴史的建築。東京国立博物館「九条館」での特別な二日間
今回の会場となるのは、日本で最も長い歴史を持つ博物館である東京国立博物館の庭園内に位置する「九条館」です。九条館は、かつて京都御所内にあった九条家の邸宅に由来する歴史的建築です。九条家は、摂政・関白を輩出した名門公家「五摂家」の一つであり、日本の宮廷文化を支えてきた家柄として知られています。九条館は1934年に東京国立博物館へ寄贈・移築され、現在も歴史的建築として大切に保存されています。内部には、狩野派による山水画が描かれた床張付や、藤花菱の透かし彫りが施された欄間など、伝統的な日本建築の意匠が残されています。

画像は生成AIによるイメージです。
通常は一般公開されていないこの特別な空間で、朝宮茶の歴史を学び、伝統的な煎茶道のお点前を鑑賞し、香り豊かな銘茶を味わう。公家文化の面影を残す歴史的建築と、長い歴史を持つ日本茶文化が融合する、今回限りの特別な体験です。
東京国立博物館という日本文化を象徴する場所から、滋賀県が誇る朝宮茶の新たな価値を発信します。
伝統を守るだけでなく、次の1200年へ。朝宮茶の新たなブランドづくり
日本茶を取り巻く環境は、消費者の嗜好やライフスタイルの変化などにより、大きな転換期を迎えています。こうしたなか、長い歴史を持つ茶産地がその価値を守り続けるためには、伝統を継承するだけでなく、歴史や品質にふさわしい新たな需要を生み出していくことも重要です。朝宮茶には、約1,200年の歴史、独自の風土、優れた品質、そして茶づくりを守り続けてきた人々の技術があります。
本イベントでは、こうした価値を歴史講話や煎茶道による体験を通じて伝えるとともに、新たな高級煎茶の商品開発や販路開拓へとつなげていきます。朝宮茶を地域の特産品としてだけではなく、日本が世界に誇る高級日本茶ブランドへ。
その第一歩として、東京国立博物館の歴史的茶室から、朝宮茶の新たな可能性を発信します。

写真は、日本最古の茶園「日吉茶園」にて摘まれた奉納茶。
【開催概要】
イベント名: 東京国立博物館茶室における「新しい朝宮茶」体験&ブランディングイベント
開催日: 2026年12月12日(土)・13日(日)
開催時間:
午前の部 10:00~10:30 受付
10:30~10:35 始めの言葉
10:35~11:30 歴史の講話
11:35~12:10 朝宮茶体験(煎茶道お手前)
12:10~12:30 生産者と交流
午後の部 13:00~13:30 受付
13:30~13:35 始めの言葉
13:35~14:30 歴史の講話
14:35~15:10 朝宮茶体験(煎茶道お手前)
15:10~15:30 生産者と交流
会場: 東京国立博物館 庭園内「九条館」
住所: 東京都台東区上野公園13-9
定員: 各回25名、2日間合計100名
対象: 一般消費者、茶類バイヤー、飲食店関係者、茶商、報道関係者等
主なプログラム:
主催者挨拶・朝宮茶プロジェクトの紹介
日吉大社宮司・森真吾氏による朝宮茶の歴史講話
黄檗売茶流師範・沢田羽照氏によるお手前と朝宮茶の試飲
新しい朝宮茶の商品評価・アンケート調査
※プログラムおよび開催時間は変更となる場合があります。
料金:【早割】11月末まで 5,000円
【通常】12/1~12/10 24:00まで 6,000円
登壇者紹介

日吉大社宮司・森真吾氏
森真吾氏(山王総本宮 日吉大社 宮司・全国山王会 会長)日吉大社、八坂神社を経て、伊勢神宮に31年間奉職し、禰宜を務める。その後、日吉大社禰宜を経て宮司に就任。現在は、全国約3,800社の日吉・日枝・山王神社の総本宮において、受け継がれてきた祭祀と信仰の継承を担い、近江の茶文化の継承にも関わっている。

黄檗売茶流師範・沢田羽照氏
沢田羽照氏(煎茶道黄檗売茶流 師範)ドイツ出身の茶人。2024年、同流派で西欧人初となる師範免状を取得。同年、師範会役員に任命される。黄檗山萬福寺や上賀茂神社、日吉大社などでお手前を披露。煎茶道体験や教室を通じて、日本語・英語・ドイツ語で日本茶文化の魅力を伝えている。TVをはじめとしたメディアでも紹介されるなど、その活動は国内外で取り上げられている。
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