フレイル・認知症予防声かけプロジェクト始動、AIによる健康課題の見える化と声かけで、官民一体で地域の健康づくりを推進

 一般社団法人ジャパンデザイン(東京都渋谷区:代表理事/社会起業家:山下太郎)が事務局を推進する、フレイル・認知症予防 声かけプロジェクトは、2026年10月22日(木)、衆議院第一議員会館 地下セミナールーム(東京都千代田区)において、「フレイル・認知症予防声かけシンポジウム2026」および「プロジェクト始動 声かけ出陣式」を開催しました。「健康が貢献に」を啓発ワードに、健診データのAI解析で把握した健康課題を、食事や運動、社会参加、健診受診などの身近な行動につなげる構想を紹介しました。

酒谷薫氏(東京大学 特任研究員・株式会社AI予防医学研究所 代表取締役)や葛谷雅文氏(名鉄病院 病院長・名古屋大学 名誉教授)らがフレイル、認知症予防につながる医学的な知見を伝える講演を行なったほか、岩崎恭子氏(プロジェクト実行委員・元競泳日本代表(バルセロナオリンピック200m平泳ぎ金メダリスト)、坂田耕平氏(テオリアテクノロジーズ(エーザイ子会社)代表取締役CEO)、海老根靖典氏(元藤沢市長・一般社団法人地域から日本を変える代表理事)、酒谷薫氏(前掲)によるスポーツ・企業・地域行政の経験を踏まえたパネルディスカッションを通じ、一人ひとりの健康づくりを地域全体で支える方法を考えました。

今後は、健康状態を見える化する「HEROレポート」、生活の場で予防を呼びかける「HEROアクション」、活動をともに進める「賛同会員募集」を柱に、自治体・企業・民間団体等との連携を進めます。

プロジェクト始動声かけ出陣式(左より海老根靖典、葛谷雅文、岩崎恭子、酒谷薫、坂田耕平)※敬称略


【開催概要】
名称:フレイル・認知症予防声かけシンポジウム2026/プロジェクト始動 声かけ出陣式
日時:2026年10月22日(木)10:00~12:30
会場:衆議院第一議員会館 地下セミナールーム
所在地:東京都千代田区永田町2-2-1
企画・運営事務局:フレイル・認知症予防 声かけプロジェクト事務局/一般社団法人ジャパンデザイン

【当日の進行について】

1.プロジェクトの趣旨と活動構想
山下太郎/プロジェクト事務局長・一般社団法人ジャパンデザイン代表理事
冒頭の趣旨説明では、フレイル・認知症予防の声かけを官民一体で全国に広げるという、本プロジェクトの活動構想を紹介しました。また、国民の健康と地域の健康を同時に実現し「人や街の“健康”が地域や社会の“貢献”に」なるという、本プロジェクトの啓発ワードである「健康が貢献に」の考え方を伝えました。

活動では、熱中症予防声かけプロジェクトで培った全国の自治体・企業等とのネットワークやWIN-WINな啓発活動のノウハウを活用します。行政の健康事業と、店舗や企業が日常的に持つ住民・顧客との接点を結び、暮らしの中で予防や対策を意識し、行動に移しやすい環境をつくることを目指します。


プロジェクトの趣旨と活動構想の様子





プロジェクト始動声かけ出陣式
2.プロジェクト始動声かけ出陣式プロジェクト始動の「声かけ出陣式」とフォトセッションを実施しました。酒谷薫実行委員長が登壇し、官民が連携してフレイル・認知症予防に取り組むプロジェクトの始動を宣言しました。





3.講演1「健診データのAI解析によるフレイル・認知症予防」
酒谷薫/プロジェクト実行委員長・東京大学 特任研究員・株式会社AI予防医学研究所 代表取締役
酒谷氏は、毎年の健診データを活用しAIで解析することで健康リスクを可視化。早期から日常の予防行動や適切な相談につなげることを提案しました。栄養状態や身体活動、社会的なつながりなど、認知症やフレイルに関わる要因に目を向け、生活全体を捉えて働きかける重要性を説明しました。

フレイル・認知症予防について語る酒谷氏

講演では、既存の健診の血液検査データなどを解析するAI「AICOG(R)」と、脳と身体の健康度を表す指標「BBHI」を解説。地区や年代ごとの傾向を把握し、予防活動の検討に役立てるモデルを提示しました。また、AICOG(R)によるリスク評価と、認知機能検査による実測を組み合わせ、予防や適切な相談につなげる考え方を紹介しました。
※AICOG(R)は、健診データから認知機能リスクを推定するものであり、現在の認知機能を直接測定するものではありません。

続いて山梨県内の自治体における健診データの解析事例を紹介し、地域差や年次変化を把握する可能性を示しました。さらに、「食べているか」「外出したか」「誰かと話したか」「健診を受けたか」といった身近な声かけから、健康教室や介護予防プログラム、必要な医療への相談につなげる考え方を提示。健診データの分析、声かけ・予防、評価という循環を自治体の健診サイクルに組み込む方向性を説明しました。

また、山梨県の担当者が、大学との協定に基づく健診データの分析や県民向けセミナーについて紹介しました。健診結果を予防に生かしたいという参加者の関心や前向きな声を報告し、地域での取り組みの状況を伝えました。(※AICOG(R)は医療機器ではなく、診断を行うものではありません。)

また、山梨県の担当者が、大学との協定に基づく健診データの分析や県民向けセミナーについて紹介しました。健診結果を予防に生かしたいという参加者の関心や前向きな声を報告し、地域での取り組みの状況を伝えました。
※AICOG(R)は医療機器ではなく、診断を行うものではありません。

山梨県の取り組みを語る渡邉氏


4.講演2「フレイルを知り、日常の予防と対策へ」
葛谷雅文/プロジェクト実行委員・名鉄病院 病院長・名古屋大学 名誉教授
葛谷氏は、フレイルの成り立ちと日常生活で気づける兆候、予防・改善に向けた取り組みを解説しました。フレイルは、加齢に伴って心身の予備能力が低下し、病気や生活機能の低下に対して弱くなった状態です。身体面だけでなく心理面や社会とのつながりも関わり、早い段階で適切に働きかけることで、改善を目指せることを説明しました。
意図しない体重減少、疲れやすさ、歩く速さや筋力の低下、活動量の減少など、暮らしの中の変化を紹介。加齢に伴う筋肉量・筋力の低下であるサルコペニアにも触れ、筋力の低下、活動不足、食欲の低下、低栄養が互いに影響する悪循環を取り上げました。

葛谷雅文氏によるフレイル予防の解説

栄養については、年齢や身体の状態に応じた対応の必要性を示しました。高齢期には、中年期の過栄養やメタボリックシンドロームの予防からギアチェンジし、むしろ低栄養や体重減少を防ぎ、必要なエネルギーやたんぱく質を確保する視点が重要になります。
そのうえで、「栄養」「身体活動」「社会参加」をフレイル予防の三本柱として紹介しました。食事や運動に加え、人との会話、地域活動、誰かと食事を共にする(共食)機会など、社会とのつながりを保つことにも目を向け、日常の小さな変化への気づきを継続的な行動につなげる大切さを伝えました。

5.官民連携パネルディスカッション「地域とあなたの健康が社会貢献に!」
・登壇者(50音順・敬称略)
- 岩崎恭子/元競泳日本代表(バルセロナオリンピック200m平泳ぎ金メダリスト)・「着衣泳を広めるプロジェクト」リーダー・日本オリンピック委員会評議員・日本水泳連盟理事・生涯スポーツ環境委員長)
- 海老根靖典/元藤沢市長・一般社団法人地域から日本を変える代表理事
- 坂田耕平/テオリアテクノロジーズ株式会社(エーザイ子会社)代表取締役CEO
- 酒谷薫/東京大学 特任研究員・株式会社AI予防医学研究所 代表取締役
- 進行:湯汲直人/プロジェクト事務局・一般社団法人ジャパンデザイン


パネルディスカッションでは、岩崎恭子氏、坂田耕平氏、海老根靖典氏、酒谷薫実行委員長が登壇しました。前半の医学的な講演を受け、日々の暮らしの中で健康づくりを始めるきっかけと、その取り組みを地域に広げる際の課題を取り上げました。終盤では、一人ひとりが自分の健康を大切にし、自分らしく暮らし続けることが、家族の安心や地域の活力にもつながるという、本プロジェクトの考え方を取り上げました。その一歩を声かけで周囲に広げ、自治体や企業も支えることで、個人の健康づくりを地域全体の健康へとつなげていく方向性を示しました。

運動を始めるきっかけについて語る岩崎氏

<各登壇者のコメント>
岩崎恭子氏:運動を始め、続けるきっかけ
岩崎氏は、水中では浮力を利用して歩くことから始められ、競技的な水泳だけが運動の選択肢ではないと説明しました。水着を選ぶ楽しみや自分に合った無理のない続け方、家族や地域との関わりにも言及。身近な人の変化をきっかけに予防を自分のこととして捉え、周囲と一緒に考える大切さを語りました。

坂田耕平氏:気づきを相談や支援につなぐサービス
テオリア・テクノロジーズ株式会社代表取締役CEOの坂田氏は、認知症に関する情報提供、認知機能のセルフチェック、オンライン相談、職域向け啓発などを紹介しました。薬だけでは届かない認知症へのそなえや早期の気づき、本人・家族の生活をサービスで支えるという考え方を説明。セルフチェックは日常的に自分の変化に気づくものであり、現役世代や企業で取り組む意義にも触れました。

サービスについて語る坂田氏


海老根靖典氏:自治体に広げ、継続していく際の課題
元藤沢市長の海老根氏は、本人や家族だけでは気づきや対応に限界があり、行政による制度・予算・枠組みと、地域住民の理解が必要だと説明しました。行政の縦割りや部署を越えた理解の不足、住民が「自分には関係ない」と感じることを課題に挙げ、啓発を広げながら地域ごとに工夫する必要性を述べました。

自治体の課題について語る海老根氏


酒谷薫氏:自治体との取り組みから補足
酒谷氏は、自治体の健診データの分析・提言と、住民向けの予防セミナーを組み合わせた取り組みを紹介しました。セミナーで理解を深めた希望者に健診データの分析結果を返す例や、食事写真等を使って栄養やカロリー、取り組みの継続性・効果を追う例にも触れました。

自治体との取り組みについて語る酒谷氏


6.参加・連携募集と今後の活動構想
湯汲直人/プロジェクト事務局・一般社団法人ジャパンデザイン
プロジェクトの今後の具体的な活動(HEROレポートやHEROアクション)と、今後の民間企業などとの連携例について紹介しました。

参加・連携募集と今後の活動構想の様子


HEROレポート:健康課題を見える化し、対策の検討を支援
既存の健診データとAICOG(R)の解析、BBHIスコアを活用し、自治体や企業の健康課題を見える化するHEROレポートについて開発中の画面も見せながら詳細を説明しました。個人を特定しない統計情報として、地区や年代、企業の拠点などの切り口で傾向を把握し、どの地域のどの層に働きかけるかを検討するためのデータを提供します。また対策を実施することで、スコアが今後どのように変化するかのシミュレーション機能についても触れました。

HEROアクション:暮らしの中に予防のきっかけを増やす
HEROレポートで把握した健康課題を踏まえ、自治体と賛同企業が協力して予防活動を行っていきます。店舗での健診受診の呼びかけ、スーパーでの食の提案や試食、飲食店の健康メニュー、運動施設の体験機会、カラオケやカフェなどへの外出・交流のきっかけづくりなど、具体的な連携例を伝えました。生命保険会社が顧客に個人向けのHEROレポートを提供し、自治体や他の賛同企業と予防活動を行う例も想定しています。住民・顧客の健康づくりと、参加企業の事業活動や地域貢献の両立を目指します。
賛同会員募集:自治体や企業等が活動をともに推進
自治体、企業、民間団体等の参加を募り、それぞれが持つサービスや住民・顧客との接点を生かして活動を広げる方針です。自治体が対策の対象や内容を検討し、企業が商品・サービスや店舗での活動を通じて協力するなど、各主体の強みを組み合わせて継続的な予防活動につなげます。2027年2月頃の賛同会員募集開始、同年3月初旬の本格活動開始について説明しました。

今後、フレイル・認知症予防声かけプロジェクトは、「健康が貢献に」を啓発ワードとして来年の本格始動を見据え、官民一体の活動を推進して参ります。

■フレイル・認知症予防 声かけプロジェクトとは
「健康が貢献に」を啓発ワードに掲げ、官民一体でフレイル・認知症予防の声かけを全国的に推進するプロジェクトです。 フレイル・認知症予防の声かけを通じて、国民や地域の健康に対する予防・対策意識を高め、健康意識の向上を図ります。さらに、共生社会の実現に向けた取り組みと一体化させることで、国民一人一人の健康と地域全体の健康を同時に実現します。 「人や街の"健康"が地域や社会の"貢献"に」なるこの啓発活動を、官民一体で連携し共創することで全国的な活動へと広げていきます。

■一般社団法人ジャパンデザインとは
官民一体での社会課題解決プロジェクトを企画・運営しております。
2011年から官民一体で推進している「熱中症予防声かけプロジェクト」では、企画・運営事務局を担い、各省庁や全国の自治体更には企業・民間団体と連携し、全国的な熱中症予防や対策の活動を推進しております。
また、2016年から温泉地や温泉観光の活性化を推進する「温泉総選挙」などを推進し、官民一体で温泉を軸とした観光促進活動を全国的に推進しております。
●熱中症予防声かけプロジェクト公式サイト:https://www.hitosuzumi.jp
●温泉総選挙2026公式サイト:https://kanko.onsen-ouen.jp/
●温泉宿・ホテル総選挙2026公式サイト:https://yado.onsen-ouen.jp/
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