モデルと原画を見比べ

百町森の地図、『クマのプーさん』見返し用のスケッチ、E.H.シェパード、鉛筆画、 1926年、 V&A所蔵 © The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London

クリストファー・ロビンは著者A.A.ミルンの息子クリストファー・ロビン・ミルンがモデル。

百町森(100エーカーの森)はミルン親子の別荘があったアッシュダウンフォレストがモデルです。

そして、プーたちぬいぐるみは、クリストファーが持っていたぬいぐるみがモデルとなっています。

それぞれシェパードがモデルをスケッチして、挿絵に落とし込んでいます。

プーの舞台にはモデルがあり、シェパードはモデルをしっかり写生しましたが、そのまま挿絵に起こしたわけではありません。

モデルを生かしつつも、現実ではない魔法の場所を描き出す力こそシェパードの絵の魅力です。

そして、この現実と空想が入り混じる、次元の揺らぎこそプーの世界の特徴です。

クリストファー・ミルンやアッシュダウンフォレストの写真と挿絵を見比べながら、プーの世界観が生まれる様子を感じることができます。

テディ・ベア、マルガレーテ・シュタイフ社製造、1906-1910年頃、モヘアのぬいぐるみ、Z. N.ジーグラー氏より遺贈、V&A子ども博物館所蔵 © Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London

なお、ウィニー・ザ・プーはクリストファーが持っていたテディベアですが、挿絵ではシェパードの息子が持っていたグロウラーというテディベアをモデルに描いたと言われています。

当時のテディベアと似たモデルと見比べることで、その違いもよく分かります。

プー90年の歴史と広がり

クマのプーさん波佐見焼染付そば猪口、ウォルト・ディズニー社のために製造、 2014年頃、V&A所蔵 © Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London

1926年に「クマのプーさん」、28年に「プー横丁にたった家」が出版され、プーは世界一有名なクマになりました。

出版後も様々な商品になり、ディズニーアニメーション化されてからはさらに飛躍的な活躍を見せています。

そんな出版物以外のプーアイテムも多数展示。

プーがどのように展開され人気を広げていき今に至るのか、変遷を見ることができます。

「枝には、ハチミツのつぼが10ならんでいて、そのまんなかに、プーが…」、『クマのプーさん』第9章、E.H.シェパード、ラインブロックプリント・手彩色、1970年 英国エグモント社所蔵 © E H Shepard colouring 1970 and 1973 © Ernest H. Shepard and Egmont UK Limited

さらに、「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」も後年シェパードの手で彩色版が発行されました。

彩色の様子や新装版など貴重な資料も展示されます。

 

「クマのプーさん展」には、大人から子供まで楽しめる仕掛けが詰まっています。

本当に貴重な資料がいっぱいで、生の原画に感動するとともにプーの世界に引き込まれてしまいます。

絶対に見逃せない「クマのプーさん展」は2019年2月9日(土)より渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムにて開催です。

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クマのプーさん展
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(東京・渋谷)
会期:2019年2月9日(土)~4月14日(日)
※2月19日(火)、3月12日(火)のみ休館
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
入館料:一般1,500円(1,300円)、大高 900円(700円)、中小600円(400円)、親子券 1,600円(1,400円)※消費税込、( )内は前売、親子券を除く20名様以上の団体 ※親子券は一般1名+中学・小学生1名のセット券です。(一緒にご入館ください。)※未就学児は入館無料

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