海外旅行会社を招請し、商品化・販売に向けた取り組みを推進






 一般社団法人とこなめ観光協会は、観光庁の「観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業」に採択され、名古屋を拠点に旅行商品の企画・販売を手がける「ツーリズムデザイナーズ」と連携し、常滑市内の伝統産業や食文化などを生かした15本の体験型観光ツアーを造成しました。
 盆栽鉢工房や急須工房の見学、地域の食やつくり手との交流を楽しむガストロノミーツアーなど、普段の観光では触れる機会の少ない「本物の日本文化体験」を旅行商品として提案しています。
 ツーリズムデザイナーズとの連携により、海外の旅行会社からの予約や手配に対応できるほか、外国人旅行者向けに通訳ガイド付きのツアーとして提供できることも特徴です。言葉の壁を越えて職人や生産者の技術、こだわり、思いを直接伝えることで、より深い文化体験を提供します。また、造成したツアーは、ツーリズムデザイナーズと連携して国内外の旅行会社等への営業・販売を進めています。
 そして、10月5日から7日には、海外に顧客を持つ旅行会社の関係者を常滑へ招き、実際に体験してもらう招請ツアーを実施しました。参加者の視点を今後の商品改善や販路開拓に生かし、造成した体験を継続的に販売できる仕組みづくりにつなげていきます。

■ 取り組みの背景
 常滑市は、日本六古窯の一つである常滑焼の産地として、長い歴史と多様なものづくりの文化を育んできました。しかし、その魅力の中には、従来の観光では十分に紹介されてこなかった工場の製造現場や職人の仕事、地域に根づく食文化などもあります。
 本事業では、地域の事業者と連携し、こうした資源を「見る」だけではなく、背景にある技術や人の思いに触れられる体験として磨き上げました。観光需要の地域的・時間的な分散を図り、地域への誘客と滞在価値の向上を目指しています。

■ 造成した15本の体験ツアー(主な例)

1. 常滑焼の急須職人を訪ねるツアー







 常滑焼の急須を製作する3つの工房を訪問し、職人それぞれの技術やこだわりに触れるツアー。普段は立ち入る機会の少ない工房で、伝統技法や製作工程を間近に見学します。
 
2. 盆栽鉢職人を訪ねるツアー





 日本有数の盆栽鉢産地である常滑で、3つの工房を巡るツアー。職人による製作工程を見学し、盆栽鉢づくりに受け継がれる技術や工夫を学びます。
 
3. 常滑焼と天然藍染を体験するツアー





 千年の歴史を持つやきもの散歩道を散策した後、藍の栽培から染色までを一貫して手がける「紺屋のナミホ」を訪問。天然藍を発酵させる伝統技法を学び、自分だけの手ぬぐいを染め上げます。常滑焼と日本の伝統的な染色文化の両方に触れるツアーです。
 
4. 常滑焼の甕(かめ)づくりと発酵文化を体験するツアー





 千年の歴史を持つ常滑焼の産地で、やきもの散歩道を散策した後、伝統的な甕づくりを続ける「山源陶苑」を訪問します。三代目職人から甕の製作工程や技術を学び、味噌や梅干し、漬物などの保存・発酵に使われる自分だけの甕づくりに挑戦します。
 
5. 知多半島の食文化を味わうガストロノミーツアー





 料理人として高い評価を受ける「Le Coeuryuzu(ル クーリュズ)」の渡邉シェフとともに、知多半島の農家や生産者など2か所を訪問。食材の生産現場を見学し、生産者のこだわりや地域の食文化について学びます。
 見学後はレストランに戻り、訪問先の食材を使った特別なフレンチコースを、地元の日本酒とのペアリングで堪能。生産者と料理人、食べる人をつなぐ、高付加価値な食文化体験です。

■ 10月5日~7日、海外旅行会社向け招請ツアーを実施





 外国人旅行者を顧客に持つ旅行会社の関係者を5社招請し、造成した体験コンテンツを実際に体験していただきました。
 旅行会社による現地体験は、海外旅行者に魅力が伝わる内容かどうか、旅行商品として紹介・販売しやすいかを検討する重要な機会です。今後の旅行商品造成や販売先への提案に活用します。

■ 観光協会コメント

 常滑には、常滑焼をはじめ、長い歴史の中で受け継がれてきた伝統工芸や、優れた技術を持つ職人が数多くいます。しかし、その多くは観光地として整備されているわけではなく、普段はものづくりの現場として稼働しています。
 一方で、外国人観光客の中には、実際の工房を見学したい、職人の技術に直接触れたいという方も多くいます。しかし、見学の申し込み方法が分からず、工房を突然訪問してしまうケースもあります。職人にとっては製作の手を止めて対応する必要があり、言葉の壁もある中で、無償で案内することになってしまうという課題がありました。
 そこで、観光協会が職人と旅行者の間に入り、見学内容や受入日時、料金、通訳ガイドなどを整え、正式な旅行商品として販売できる仕組みをつくりました。
 職人には、本業のものづくりを大切にしながら、見学の受け入れを新たな収入につなげていただく。観光客には、安心して工房を訪れ、職人の技術や思いを深く知っていただく。
 今回造成した15本のツアーを通じて、職人と観光客の双方にとってメリットのある、持続可能な観光の仕組みを育てていきたいと考えています。

WEB:https://www.tokoname-kankou.net/
 
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